7話 絶望的なスタート
「どちら様でしょうか?」
「あぁ、そういやまだだったな、オルドーだ。一応ギルド支部長だ」
「支部長が何故?」
「そもそもここはギルドの応接室だ。俺の特権で使ってる」
「はぁ」
(だからどうしたってんだ!)
「よくあるんだ、新人いびりってのは。まぁ、レギンレイヴで来るお前もお前だがなw」
(こいつ鼻で笑いやがった…)
「すみません、奴隷でしたので常識を知らないのです」
「そんなんここ見りゃ分かる」
首を指さして言う。
(あぁ、そういえば首輪ついてるのか)
「さぁ、もういいだろ。帰れ」
「待ってください!冒険者になるにはどうすれば…」
「お前がか?んー…登録だけなら出来るがすぐ死ぬぞ」
(言われてみればそうだ。冒険者に首掴まれて気を失うくらいじゃな…)
「登録だけなら出来るんですよね?」
「するか?」
「します!」
「俺も良いですか?」
ロナリアも手を挙げ言う。
「いいだろう。だが死ぬなよ。お前みたいなやつを何人も見てきた」
「えぇ!もちろんです!」
(なんとも歴戦の戦士のようなかっこいいセリフを吐くもんだ)
「まぁ、レギンレイヴじゃ、すぐ行き止まるだろ…」
と意味ありげにオルドーが言うが聞こえない。
「さぁ、手ぇ出せ」
差し出す。手の甲に紙が貼り付けられた。その後剥がされ、他の紙に貼り付けられた。
「これがギルドカードだ。身分証にもなるからな、無くすんじゃねぇぞ」
ロナリアも同様の紙を受け取る。
(やっと念願の冒険者デビューだぜ!)