29話 シヴァ(後編)
「村人が数人減った時点で冒険者ギルドヘの申請とかあるんじゃないか?」
「村人の数人が失踪するっていうのは、意外と田舎の村だとままあるんだよ。生活苦もあるし、魔物が原因ってのもあるな。まぁ運良くというか…まぁ少女に選ばれていたわけだから、積極的に夜逃げしそうな連中を選んでレーシェンに捧げてやがった。」
「ふむ、しかしまぁ…なんで少女はそんなことをしたんだ?」
「それは分かっていないんだ。すまないね。」
「そうか…構わんが、そろそろシヴァについて頼む」
「あぁ、村人が消え始めた頃からその村にはよく、とある冒険者が来ていたんだよ。」
「それがシヴァ?」
「ああ、そうだ。何かと理由をつけて村に来て買い物をしては街に戻っていったんだそうだ。」
「その裏でなにか?」
「ああ、これは俺の推測なんだがな。レーシェンを見つけた、もしくは運んだのはシヴァで、それを利用して村を危機に陥れ、それを救う…要はマッチポンプを行ったわけだ。そこで都合良く迷子になっていた盲目の少女と出会って……てなわけだろうと睨んでる。それを裏付けできるような村人や商人の話もあるさ。まぁあくまでも噂、とでも思ってくれ。」
「少女が魔法を使えるのは?」
「今となっては分からんが、恐らく人為的なものだろうな…シヴァかそれに準ずる何者かの…」
「ほう…ちなみに今どこにいるかとかは?」
「それは分からん、しかしまぁ…奴は腕利きだが黒い噂もある…それだけは伝えたよ。これで充分かい?」
「分かった。では最後に…シヴァについて俺の他に聞きに来た人物は居るか?」
「すまないね坊や、客商売だもんで簡単には教えられない…。ただ〜1人、聞きに来た奴は居た。私から言えるのはこれだけだ」
「ありがとう、受け取ってくれ」
「あぁ、すまないね」
金貨1枚を渡し、酒場を後にする。
どうやら現在のシヴァの居場所については皆目見当もつかないようだ。
以上で(何年も前の)書き貯め全て出しました。
頭の中で色々物語組み立ててたんですが忘れたのでとりあえず放置ということで…ではまたいつか