15話 旅の始まり
「え?僕を連れていく?」
「あぁ、そうだ、正直言ってお前はバケモンだ。どこのパーティーも喉から手が出るほど欲しがるだろう」
「ほげぇ」
「でだ。俺のパーティーに来ないか?」
「それ俺が欲しいだけじゃ…(ボソッ)」
「だだ、断じて、そんな訳では無い…ぞぉ?」
(テンパリすぎでしょ)と内心笑いながら
「いいですよ」
と返事する
「そうか、ありがとう!」
あれから数日後、出発の日
「ありがとうございました!」
「いいよ、ちゃんと金は貰ったんだからね」
「本当にありがとうございました!」
「気をつけていくんだよ!…せいぜい頑張りな(ボソッ)」
サンリーさんに礼を言って出発する。
「別れの挨拶は済んだか?」
「えぇ…まぁ」
「んじゃ、ニューベリーポートに行こうか」
「はい」
ニューベリーポートとはシヴァさんのパーティーメンバーがいる街の事だ。
「そろそろ野営を始めよう」
「了解」
と馬車を停め、野営の準備を始める。
「ふぅ…できたな。んで、見張りだが、2時間ずつ交代でいいか?」
「はい」
野営を始める。
「んじゃ、俺から見張るからきっちり寝ろよ」
「はい」
テントの中で横になる。どうやら、初めての馬車で疲れていたみたいで、すぐ眠りについた。
「おーい、そろそろ交代だ」
テントの外に出る。
見張りをしていると、ゴブリン2匹とビーストボア(猪の魔物)が出てきた。
「ちょっと1人でやってみるか…」
剣を抜き構える。剣を動かすと体が勝手に動き「ヒュン!」と風切り音がして、ゴブリン2匹の頭が吹っ飛ぶ。
「相変わらず、すげぇなぁ…」
ビーストボアが突っ込んでくる。
「よっと」
躱しながら剣を横に構える。
腕が微妙に動き、気づけば後ろで上下真っ二つになっていた。
「手応えが全然無いなぁ…」
「お?魔物…」
「あ、やりました」
「お前が魔物だなぁ…」
「かもですね」
その後何も無く、初野営は無事に終わった。
「ここがニューベリーポートだ」
「おー」
とてつもなくでかい街だった。
「んじゃ、俺は宿取ってくるから」
「はい。俺は何を?」
「んー…馬車を守っといてくれや」
「はい」
期末死んだよ。理科アーメン