第1章 1-6 喚ばれた理由とは・後編
ついに明かされる真実とは!!
―――――――――――――
※本日は2話投稿されており、こちらは後編になります
前編がありますので、間違えてきてしまった方は一つ戻ってから呼んでくださいね~
―――――――――――――
1-6 喚ばれた理由とは・後編
「おぬし達を召喚にした理由は…帝国が魔王国を占領しようとしてるからじゃ」
―――え?どゆこと?
「ちゃんと経緯を話すから安心するんじゃよ
まず、過去の資料などで調べた限りではこの世界では過去1000年間、国同士の戦争は起こっておらん。
たしかに、我が王国や帝国とは魔族達が暮らしておる魔王国とはあまり交流がないのも事実じゃ。しかし、帝国領と接しておる港町<アキュラウス>は古くから人族と人魚族に魔族が一緒に暮らしているため、魔王国オは交流が盛んに行われておっての、資源もさることながら人材の層も厚い。
じゃから帝国からたびたび行われる猛攻を防いでいるため、魔王国との国レベルでの戦争にはなっておらん。」
そ、そうなのか…
「我が王国は現在【帝国と同盟を結び連合軍として港町<アキュラウス>を倒そうとする開戦派】と【港町<アキュラウス>や魔王国と同盟を結び、帝国を弱体化させて戦争を辞めさせる回避派】で意見が分かれている状態じゃ。ワシは個人的には回避派じゃがな。」
なのに帝国は魔王国を占領しようとしてるのか?自国内で経済を回せないのか?
「帝国の方は、自国内で自給自足できるが、今の帝王が野心家のせいもあって、領土と人材を魔族に出させたいのじゃ。」
あぁ、それで打開策に勇者達か…はた迷惑な奴だな
「まぁ、否定はせんが、ここ以外では聞かれぬようにじゃ。」
わかった。
つ~ことは、俺って実際どうしたら良いんだ?今の話を聞いたら帝国なんかには絶対行きたくないんだが
「そうじゃのう。しばらくは戦闘訓練とか教養を身につけるという体で城に居られるのぅ…それと平行してどうするかを決めれば良いと思うがの。いざとなったら生活に厳しくなって逃げ出した~とか言っとけば、さっきの様子では探し出せとか言わなそうじゃったし。」
そう言って、国王さまはニヤリと黒い笑みを浮かべた。
まぁ、あそこまで振り回しておいて、自分に不利益と思ったら即ポイだったからな。
思うところは俺も同じだったので苦笑しておいた。
「そうだな…俺としては、しばらくはここで厄介になって知識とか常識、スキルの強化と方向性を知ってから港町<アキュラウス>に行ってみたいかな。エルフやドワーフ、魔族を見てみたい。国王様とは旨くやっていけそうな気がするし。」
「そう言って貰えると嬉しいがのぅ。
そうじゃ、居なくなるときはワシにだけで良いから一言でも良いから声をかけて欲しいのぅ。
それと、先に言っておきたいのじゃが、ワシもお主やお主が持つ知識に興味があるからのぅ、お主が出て行った後に連絡を取ることがあるかもしれぬから、密偵を放つことになるので、そこはあらかじめ許して欲しいのじゃ。
なに、密偵といってもワシの管理下から外し、お主の側で助力や助言、王国内においては関所を通りやすくなる通行証を持たせるから移動は楽になるはずじゃ。
むしろ、奴隷商から購入し、お主の奴隷にするというのもいいかもしれんの。本人が許可すればじゃが。」
なんかすごい期待されてるんだが…俺は普通の大学生だからな。そんなに知ってることは少ないぞ?
「ダイガクセイとはなんなのじゃ?」
大学生ってのは…簡単に言うと勉強や運動などの授業を受ける場になるかな。
元いた世界では、幼稚園や保育園から始まって、6歳からは小学校、12歳から中学校と義務教育…中学校までは授業を受けなければいけないって制度になってたんだよ。
んで、中学校を卒業したら、高校に進学するか、就職ってなるかな。
高校以上に専門分野を学びたいって人は大学に進学するんだ。
俺のように、専門分野も学びたいけど、もう少し遊びたいからって人もいるけどね。
「ふむふむ!! これは、他の大臣たちにも聞かせたいから、呼んででも良いかの!!!
これによって、人材を増やせる気がするのじゃ!!!」
―――とこんな感じになって、大臣達も加わって、元いた世界の知ってることを教授する羽目になるのはもう少し先の未来の話で
その過程で、回避派に属する大臣からは
「我らでは貴族や商会の子息しか教えない文字を平民や冒険者に教えるとは…これをやれば生産力の向上に繋がりますぞ!!!」
と絶賛され
「それだけではない!!数字の計算を教えていけば、民の生活能力や文字を読めない人が減り冒険者の知識の水準が一気に押し上がりますぞ!!」
と開戦派からも大絶賛されるハメに
―――まぁ、開戦派と回避派双方の大臣達が若干仲良くなったのは良かった…のか?
帝王→野心家で自分以外は気にせず戦争による勝利が何より好き
国王→次代の暮らしを豊かするため人との繋がりを重視する
次は閑話が入ります、そのため、来週は少し変則投稿です
閑話は3/21(木)の14時に投稿されます。
次話(1-7)は3/30(土)の14時頃になります