第1章 1-24 今後と襲撃と
1-24 今後と襲撃と
「そうだな…カレン嬢ちゃんはこの後はどうする予定だ?」
裏の人格(?)であるカリンさんの突然の暴露に青白い顔をリンポルのように真っ赤にしてしまったカレンさんだったが、グレンさんの問いかけに顔を真っ赤にしつつ顔を上げた
「え、えと、ですね、このあとは宿に戻ってから魔王国に報告書を送ってからオウギ様の監視をおこないます~」
報告書を送るといったカレンさんが取り出したのは、ごく普通の便箋だった。
それを見て国王様とグレンさんは納得したのか感心しながら頷いていたが、フローリアさんは俺と同じ考えなのか首を軽くかしげていた。
俺たち…特に俺が訳がわからないと話したら、カレンさんがこの便箋の事について説明してくれた。
この便箋は元いた世界で言うところの電子メールみたいなもので、この便箋自体が使い魔みたいなものなのだそうだ、この中に手紙や報告書を入れて封をしてから特定の呪文を唱えると、相手のところに届くのだそうだ。
この方法だと、盗難や消失と言った事が起きずに確実に相手に届くので、様々なところで重宝されている連絡手段なのだそうだ。しかし安全な分一度限りしか利用出来ない上に、この便箋自体がとても高価であるため非常時しか使えない代物だそうだ。
「へぇー…俺がいた世界には似たようなのがあったけど、安全性はこっちの方が段違いだな。あっちの方だと気軽にやりとりが出来るけど、盗難とか漏洩や盗み見するようなヤツもいたみたいだし」
「漏洩対策をしていてもそれをやるひとはいるのですか...でもその分安価で様々な人が手軽に連絡を取り合えるというのはこちらからすると羨ましいのですけれどね」
「だな、連絡が楽になりゃいちいち相手のところに出向かずに行かなけりゃなれねぇからその分時間が無駄になるんだよな」
「そうじゃのぅ、確認に赴いている間に別の案件の報告が来るから仕事の量がなかなか減らぬし、効率が悪くなり捗らない事が頻発するからのぅ」
「この方法は確実な分高価のはある意味安全を先払いしたと思うようにしてますね~」
元いた世界では電子メールや電話、ネットが発達していたから、確認作業や情報収集がしやすかったが、その情報が正しいのかどうかも見極める必要があったしな…情報社会とはよく言ったよな
「いつかは、もっと安価で安全な方法で連絡が出来るようになれば良いのじゃがのぅ…」
国王様の言葉にみんなが縦に頷いたのをみるに、連絡の手段がこの国には少ないのだなと思い、何か出来ないかと考えてみた
この世界で使われている連絡手段は、それほど多くはない
近距離での場合は直接そこに赴き話し合う手段だけのようだな、その場に赴いてから終わるまでの時間が必要な代わりにそこの場で確認と対策をおこなえる訳だ
遠距離の場合は、人による伝達と先ほどのカレンさんが話した便箋型の使い魔を使っての連絡となるわけだ。
前者は一度に複数の道程を利用して目的地の人物に手紙なり伝聞をする方法となる道中で何らかの事情で報告が出来なくなることを想定しなければならず、同じ文章を何枚も書く羽目になるのに絶対届くとはいえないわけだ。
それだけでなく届けさせる人物、届けるまでの行動方法などと多岐にわたるわけだしな
「そう考えると、今後は安全で迅速に指示を送れる方法を確立出来れば良いんだがな」
「オウギ様ならいつかそういう方法を確立できそうですよね」
「いや、元いた世界の偉人の方達が発明したから出来た方法ですからね?そもそもこの世界では電気…科学の代わりに魔法が出来ているので難しいかと思います」
「そうか…出来る算段がわかったら教えてくれ」
グレンさん…を含めた全員からの切実な頼みに俺は苦笑いしか出来なかった
「わたしのほうは伝えましたが、オウギ様はどんな今後どんな感じに動く予定なのでしょうか?」
俺が苦笑いをしているとカレンさんが俺(とフローリアさんを含む)お予定を聞いてきた
「俺はもう少しフローリアさんの足の具合を見て彼ですかね」
「私の場合、普通に歩けるようにならなければ為りませんものね。オウギ様の妻として動くことを念頭に置かなければいけませんものね!!」
「いえ、妻ではありませんからね?」
「今はですわよね!大丈夫です、私はわかっておりますわよ」
「ふむ、ワシとしても早く孫を見たいものじゃな」
「いや、何を言ってらっしゃるんですか。国王様」
「ホッホッホ」
「…この話は後でしっかりしなきゃ行けない気がしてきた」
「あー…頑張れオウギ殿」
「んんっ!話を戻しますね、フローリアさんの足の問題が解決しましたら、奴隷を買いに行こうかと思っています。俺もフローリアさんも前に出て戦えないのもあるので、そこを補えるような奴隷を探す予定ですね」
「その後に、連携の確認や港町<アキュラウス>までにおきそうな事への対策をしてから向かうことになっておりますわね」
「いくつか町に寄り道することになってるんだったよな?」
「はい。この世界で暮らす事になるのですから、ある程度はこの世界での常識を知らなければいけないなと思いましたし、どんなところで生活が困っているのかをグレンさん経由で報告できれば良いかなとは思っています」
そう、この世界で暮らす上で常識は必要だ。
いつでもフローリアさんや奴隷の人がいてくれるとは限らないので、自分で対処できる最低限は身につけるためだ
また、王城の人の目が届かないところで生活している人が困っている事を報告できればそれを踏まえての対策も出来るのではないかと思ったからだ
「まぁ、俺らの視察では領主のところの問題しか見つけられないもんな、その点オウギ殿はこの世界の人たちには顔を知られていないし、お転婆姫は部屋で引きこもってたから王族とバレる心配はねぇもんな」
「グレン?良い度胸ですねぇ」
「フローリアよ理由があるとは言え事実じゃろ。そうカッカする出ない。あとグレンもじゃ、フローリアの反応が面白いからと言ってからかいすぎじゃぞ」
「「はーい」」
あの、お二人さん、息ぴったりですね。年の離れた兄妹か何かですか?
あ、二人とも異口同音だったことに気付いてそっぽ向いた
ま、似たもの兄妹は放っておくとして
「「オウギ殿(様)!こんなのと一緒にしないでください!!!」」
うん。やっぱ兄妹ですね。血液検査で今度調べようかと思ったのは内緒にしよう
「わたしは返事次第では一度魔王様に直接報告を行うかもしれません」
俺が密かに実行に移そうかと考えていたらカレンさん自身の今後を教えてくれた
まぁ、報告の内容が内容なだけに直接話を聞きたいだろうしな
「ま、内容がアレだしな…」
「そうじゃな。ワシが報告側ならば、そうするからの」
グレンさんや国王様も同じ結論らしい、そのことを受けてカレンさんは戻る前に一報いれますと言っていた
話もすべて終了し、全員が一息付いたそのときだった
『死にやがれぇぇええ!!!!』
部屋の外から殺気とともに襲撃者が窓をぶち破ってきたのは
このときの俺は何も知らなかったのだ
――なぜ俺が……俺たちがこの戦争が行われていない異世界に召還をされたのか
――なぜ帝国が切羽詰まっていないのに胃世界召還を行ったのか
――そもそも異世界召還を知らないはずの帝国が召還方法を知ったのか
――その疑問の答えを知るのはこのときの俺には知ることがなかったのだ
なにか最後っぽいラストの演出ですが、もう少し続きます
次回は○/ (土曜)の14時頃になります




