第1章 1-20 リハビリと回想と
前回はカレンが中心でしたが、今回は王城組を中心のお話となっております
1-20 リハビリと回想と
昨日は迷子の時に出会ったフローリアさんが母と同じ病だったので勝手に治してしまったが、完治できた事はうれしかったが、そのときに彼女を怒鳴ってしまったのはいけなかったと自己嫌悪してしまった。
精霊達からは季にしなくて大丈夫と言われたが、医療関係の仕事に就くことを目標にしてた俺個人としては、患者を怒鳴ることは御法度と思っているので、再会したら謝らねばと結論して、就寝したのだ。
朝になり、部屋のベランダから外を眺めるとどんよりとした雲が空を覆い隠していたのが俺の心情を示しているみたいで、この曇り空を払えるようになければいけないなと気合いを入れ直し、一日の活力を取り入れようと食堂に向かうことにしたのだった
「オウギ殿、おはようなのじゃ」
「おはようさん、オウギ殿」
食堂にいくと、国王様がグレンさんと一緒に先に食事をしていた。この国王は上に立つものの中では珍しく倹約家で、食事も毒味を行う以外は兵士達と同じ食事をしているのだ、代々の国王もそのようにしてきているとのことなので、遺伝的にそういう家系だったんだろう。
ちなみに、小説や歴史などでみられる貴族達は豪勢な食事をするため、宮廷料理人がいるのでは?という話だが、この王国でそういった催しがある時は、この食堂で調理を担当している調理長と副料理長2人で話し合って料理を決めているそうだ…本とこの王国は俺の予想を裏切るのが好きなのかと考えてしまうのは間違ってないと思う。
「おはようございます。昨日は王女様とお話しできましたか?」
「あぁ、ちゃんと話し合って今後を決めていく事ができたのじゃ、これもオウギ殿のおかげじゃよ」
「いえ、俺は俺が思ったことに従っただけなので、お礼はもう十分ですよ」
「ありがとうなのじゃ。「うむ。やはりあの計画を進めるべきじゃな」」
なんか国王様が言ってたような気がしたが、俺は今朝の料理を選ぶのに夢中で聞き逃していたのだ。
「そうじゃ、この後の予定を話しても良いかの?ちょいどいいしのぅ」
俺も今日の予定は重要なので、聞いておきたかったのでちょうどよかったので、了承した
「この後はフローリアの部屋でりはびり?すとれっちの説明をしにいくのじゃったか、それに儂もついていってもいいかの、内容も今後のことで参考になりそうじゃし」
リハビリとストレッチといっても、参考になるとは思えないんですけどね…と前置きした上で、国王様と一緒にフローリアさんの部屋に向かうことになったのだ
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と言うわけで、フローリアさんの部屋にやってきました。
「えっと、本日はフローリアさんの弱った足腰をある程度治す為のストレッチの方法を教えていきたいのです…が」
こう前置きはしたが、その前に一つフローリアさんに言いたいことがあります
「「なんでスカートなんだ! ズボンを履きなさい!!!」」
俺とグレンさんが異口同音してしまったが、まさかのフローリアさんはズボンではなく、スカートをはいていたのだ。みえちまうだろうが!!!
「え?どうしてでしょう?」
フローリアさんは口元のそばに人差し指を置き、少し顔を傾けながらきょとんとしているし、フローリアさんのストレッチを担当して貰うメイドさんは溜息をついているから、ちゃんと伝えたようだ。
なんで国王様は自分の娘が肌見せてるのに、よくやったみたいにサムズアップしてるんだ、止めなさいよ!!
「ストレッチは足を上げたりすることがあるので、下着がみえてしまうんです。というか、国王様、年頃の娘なんだからそういうことしてないで止めてください!!!」
「ホッホッホ、自分の娘はどこに入れても良いくらい純情じゃからのぅ、そういうことにまで気が回らなかったのじゃろうのぅ、もちろん、儂の個人的にはオウギ殿ならば大丈夫だとおもっとるぞ!」
思っとるぞ!じゃない!!このままじゃストレッチを教えられないです!と伝えて、なんとかズボンをはいて貰うように説得しました。履き替えてる間は俺たち男性陣は扉を閉めて廊下で待機してました。
「ドタバタしましたが、これから、ストレッチのやり方を実践しながら説明していきます。自分は一人で見本を見せていきますので、フローリアさんはメイドの方に補助をお願いします。」
「はい!よろしくお願いします!!」
若干疲れた感じに俺が言うと、フローリアさんが元気よく返事をしてくれたのが微笑ましくて若干和んだのは言うまでも無い。空回りしなければいいんだけどな…
「ストレッチと言っても運動と同じでように行っていきます。固まったり弱った筋肉を少しずつほぐしていくだけなので、それほど難しくはありません。初めの方は補助の方をつけて、慌てずに行っていけば回復は早くなります。
ただし、最初で躓くと、悪化する可能性もありますので、絶対ムリはさせてはいけません。治すはずがトドメになりかねないからです。」
俺の説明に、部屋にいる全員が頷いてくれた。
俺はフローリアさんの隣に設置されたベッドに仰向けに寝そべり、フローリアさんがみえる場所以外に国王様とグレンさんが見学し、メイドさんがフローリアさんの側で見学するようにして貰い、続きを説明していくことにした
「まずは、寝ながらできる運動から先に説明していくので、その後におれが説明をしながら補助の方がフローリアさんにストレッチをしていくようにしてください。」
ストレッチと言っても、やることは簡単な運動だからな、
仰向けに寝て、膝を伸ばしたまま、片方ずつ横にゆっくり伸ばして広げ、そのご元の位置に戻していく。
次は膝を伸ばしたまま片足を上げて下ろす。
片方の膝を曲げて胸の方に引き寄せる。
この後もう片方も同様にゆっくり行っていくわけだ
最後に、両膝を立てて、お尻を持ち上げていけば、終了だ
これを毎日行っていけば、すぐとは言えないが、立って歩けるようになるはずだ
「しかし…オウギ殿の説明と言うのもあるが、ソレだけで本当に復帰が早くなるのか?」
「復帰と言うよりも、早く歩けるようにと言う意味合いが強いですね。このリハビリはそもそも病院…この世界で言う治療院から退院するときに自分の足で歩いて退院したいと言う人に対してなので、元の世界では歩いて退院出来ない場合は車椅子という、椅子に車輪が着いた乗り物で退院することになりますので…」
「車輪が着いた椅子か…それがありゃ、治療院のベッド事情と回転率の向上が出来そうだな・・」
「問題は道が平らじゃないとコケたりするし、段差があるところは基本乗り越えられないので、その整備も必須ですけどね」
説明と実戦を終え、締めくくるとグレンさんが疑問を質問してきたので、そう答えると、すぐには出来ないかと肩を落としていた。普段から俺のサポートみたいになっているグレンさんだが、他の人がサポートをしない理由だが、宰相であるフェルナンドさんは基本国王様と一緒にいるので、実質不可能で、農務大臣であるアルフレッドさんは国内のあちこちに査察だったり調整や打ち合わせに行ったりと王都にいることが少ない為、商務大臣のデグラスさんも査察や調整、各商会のこともあるので時間を取れないからだ。
その点、グレンさんは軍務…つまり軍備や有事の際に対応するので、普段は開発責任者として王都にいるため、時間調整がしやすいから、俺の御守…サポートをして貰っているのだ。迷子防止が主な役割なので申し訳ないです
「ふむ。今後はりはびりについての説明書があればたすかるかのぅ、なんといったかの?まにある…だったかの?」
「マニュアルですね」
「それじゃ、ソレも用意して貰えると助かるのじゃ」
「わかりました、用意しておきます」
「あと、あの子とも話しておこうかの。お主はそのうち港町<アキュラウス>にいくじゃろう?そのときに着いていくお付きじゃがの、可能ならばフローリアにしたいと思っておるのじゃ」
「「はぁっ!!!」」「「えぇっ!!!」」
国王様の爆弾発言に部屋にいた俺とグレンさん、メイドさんとフローリアさんが驚いてしまった。
いやそりゃそうだろ?お付きって事は、俺のサポートもそうだが、最初は旅に慣れた人に任せるという話だったはず。なんで自分の娘にしちゃうかなぁっ!
「お、おおおお父様!!何か考えているとは思いましたけど、そんなこと考えてましたの!!!」
あの、フローリアさん?俺も同じ意見だけど、なんでお目々キラキラしてるの?言葉と顔が一致してませんよ?
「うむ、皆がそう思ってるのはわかるが、最後まで聞いてから反論して欲しいのじゃ、儂とフローリアはオウギ殿に救われたのじゃ。フローリアに至っては命の恩人じゃしな。返す恩がおおきすぎるのじゃよ。ソレこそワシらが一生かけても返しきれぬ程の恩がな。
いくらオウギ殿が自分の為に動いた結果だから感謝の礼で十分だと言って貰っても、わしらが返したいのじゃよ。そこで、オウギ殿はしばらくしたら港町<アキュラウス>へ向かうわけじゃが、案内役がおらねばどこに行くかわからぬし、今の時勢は混乱した状況、向かう道中になにか対処に困ることが起きてお付きだけでは対処できぬ状況になるやもしれぬ。そのときにある程度の権限を持ち交渉を行えて、なおかつオウギ殿の身分の保証が証明出来る人間がおらぬと厄介じゃろう?その点、フローリアならば、王族の証である印を提示して、交渉と身分の保障を同時に行うことが出来るのじゃよ。
その間に、密偵の報告でワシらが対処に乗り出すまでの時間を稼ぐことが出来るのじゃよ。密偵には離れていても相互で会話を行える道具を所持しておればよいからの」
国王様の危惧もわかるのだけど、俺としては何もわからないこの世界に召喚されてから今日まで、この世界のことを教えつつ、生きてこれたのは、国王様を初めとした王国の人たちが守ってくれたからだし、それで十分釣り合おうと考えていたのだけど…国王様にとってはそれ以上の恩を感じていたらしい
そのことを話そうとしたら、ベッドに寝ていたフローリア様がとんでもない爆弾を投下したのだ。
「お父様、私が奴隷となってオウギ様と行けばよろしいのでは?」
「「「ダメに決まってるだろうが!!!!」」」
何を言ってるのこのお嬢様は!国王様もさすがに驚いて、全く同じ口調で返していた
「フローリアよ、お付きとしてならば奴隷にならなくても大丈夫じゃからな?それに奴隷になってしまったら王族の印を使った証明が出来なくなってしまうからの!」
「印など、いざとなれば、証明書で事足りますわよ!」
「証明書だけじゃとその都度消費分の補充が必要じゃから却下じゃ!証明書は直接渡さねば効力を発揮しないのじゃ!」
「なら、そのたびにお父様が直接来れば良いじゃない!!!」
「国王がそうポンポン表れたらお付きの意味が無いじゃろうが!」
「なら多めに証明書を作れば良いのですわ!!」
「それじゃと大量に持つことによって証明書の効力と効果が弱くなるじゃろうが!つか、どんだけ迷惑をかけながら向かう気じゃ!」
「どうせ地方領主なんて悪さの一つや二つや十つくらいしてるのですから、国王の権威をしらしめる機会ですわよ!」
「ならお主を奴隷にせずにお付きにした方が早いじゃろうが!!!」
あー…と、国王様とフローリアさんが喧々諤々と言い争ってるけど…俺とグレンさんにメイドさんもいるんだけど・・・
「完全に俺らを忘れてるだろうな…オウギ殿、こ~なると似たもの親子だろうから時間かかるだろうし、フローリア様をお付きにして、他に護衛の奴隷を買った方が良くねぇか?パーティ的に前衛の奴隷を」
グレンさん、止めるの面倒だからって、お茶飲みながら観戦しないでください
「だって、フローリア様的には付いてく気満々だからな、抜け出されるより一緒についていかした方が楽だろ、俺らが」
そりゃそうですけど、メイドさんと一緒に二人を止めてくださいよぉ!
「「無理。ヘタしたら不敬罪で罰せられるから」」
息ぴったりだなぁ、お二人さん!!ちきしょうめぇ!!
そのあと、俺が二人を止め、フローリアさんがサポートとして同行し、戦闘奴隷を購入すると言うことでなんとか落ち着かせようとしたのだが、国王様とフローリアさんが共闘し、なぜかフローリアさんは俺の婚約者になってしまった。その結果に俺は膝から崩れ、グレンさんは抱腹絶倒し転げ回り、メイドさんは婚約者内定のお祝いをする為王城内を駆け回り真相を拡散し、国王様とフローリアさんはベッドの上でハイタッチをして喜ぶことになった
……どうしてこうなったっ!!!!!!!
い や ホ ン ト に ど う し て こ う な っ た し !!
本当ならカレンに説明して次回に行くはずだったし、そもそもフローリアとオウギがあの関係になるのはまだ先だったはずなのに…
…まさか、あの王女がなんかのか?いや、この場所は流石に知られてないはず…
うーん…
次回は6/22(土曜)の14時頃になります
???「フフフ…計画通りですわ」




