第1章 1-19 リハビリと暗躍と想定外と
ついにヒロインが登場しました
前回は作者なりに重く書いたつもりですが、あれが作者本気で頑張った現時点でのシリアス展開です
もともと作者はシリアス展開は苦手だったので、賛否両論はあると思いますが、ご容赦頂けるととても嬉しいです
今回は視点がころころと変わったりしていますので、すこしでも楽しめたら良いなと思い、作りました。
よろしくお願いします
1-19 リハビリと暗躍と想定外と
あのあと、グレンさんと精霊達のおかげでなんとか土下座を止めさせることが出来たが...なんで土下座で言い争ってたんだろうか...
「では、明日の朝に回復魔法をかけに来ますので、それ以降は軽いストレッチなどを行っていきましょう。継続してストレッチを続ければ、すぐに歩けるようになりますので」
「オウギ殿、ストレッチをする意味はあるのかの?」
「フローリアさんは今日まで数年単位でベッドから出れていないので、筋肉が衰えています。なので、まずはストレッチなどで、全身の筋肉を動かして、筋力を増やす必要があるのです。ベッドから動けなかったことで全身の筋肉を構成している筋繊維という筋が衰えて収縮してしまうから、今の状態で立とうとすれば、足が体を支えられず、倒れてしまいます、最悪の場合、骨折・筋繊維の断裂などが起きます」
「あぁ、だから怪我などで長期間安静にしてた奴らが貧弱になってから、なんでそうなったのかわからなかったが、そういう理由だったのか…ストレッチってどんなことやるんだ?」
俺が理由を締めくくると、グレンさんが納得しながら質問をしてきた
「そうですね…最初は寝たままで誰かに手や足を持ってもらい、ゆっくり動かしていくのが良いですかね。彼女の場合、女性の方にやって貰うと良いかと」
「わかったのじゃ。ならその件は儂がそのように手配をしておこう。」
「では、俺はこれで失礼し「あの!!」ま…はい?」
おれが部屋をでようとすると、フローリアさんに呼び止められた
「あ…えと…その…今日は私を救っていただき、ありがとうございました!」
「…」
突然のお礼でビックリしたのもそうだが、俺が関わったことで救われた彼女の放つ笑顔に引き込まれそうになってしまい、こう返すのが精一杯だった。
「…いえ。こちらこそ、ムリは、しないように。では…」
「あ、俺もやることが増えたからな。はよ戻らねぇとやばいから、途中まで送るぜ」
あとをついてきてくれた精霊達とグレンさんにお礼を言って、ドアを閉めてから歓喜に湧きながらお礼を言ってくる人たちに対応しながら部屋に帰ることにしたのだった
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――――――――――side:フローリア―――――――――
あの方がドアを閉めた後、私のそばで成り行きを見ていたお父様がワタシに話しかけてきた
「フローリアよ、本当に良かったのじゃ。これからは儂もお主と話しあって決めていこうかの。まずは歩けるようになることかの」
「はい。…それで、お父様?何か企んでいますわよね?私は騙されませんわよ?」
「なんでお主にはわかってしまうのじゃろうかのぅ?」
なぜか、私はお父様に対してはなんとなくでわかってしまうのですよね。今回もなんか企んでいるのはわかったので、聞いてみたところ、すぐに認めましたし。
「まぁ、この話はオウギ殿もいるときに話そうと思っておるからの。それまでは内緒じゃよ。」
「はぁ…それでいいですわ。私はあの方に多大な恩があります。今はムリでも、返さなければいけない恩が。少しずつ返していけるでしょうか。」
「まぁ、今は体を治す方が先かのぅ。オウギ殿がゆっておったすとれっち…だったかの?お主につけておったメイドにオウギ殿から習ってもらうように手配をしておくからの」
「わかりましたわ。その間に、今までの遅れを取り戻さなければ…」
私がこういうと、お父様は眩しいものを見るように目を細めながらほほえんでくださいました
「うむ。儂は戻るからの。ゆっくり考えると良いぞ。明日は大事な用事があるからの、朝には来れると思うのじゃ」
「はい。おやすみなさいませ、お父様」
「おやすみなのじゃ、フローリア」
お父様が退室をして、部屋に一人になると、私はあの方の事を想いながら、十数年ぶりに心地よい眠りにつくことが出来ました
「おやすみなさいませ。オウギ様」
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―――――――side:カレン(カリン)―――――――
ワタシ、カリンは彼らと分かれた後、治安の良い通りにある格式の高い宿を取り、部屋にあるふかふかのベッドに横になりながら、今日の出来事を整理していた
(ふむ…今日であった彼の強さは、一般人以上兵士以下といったところよね。それなのに底がみえなかった…うーん...ワタシのスキルを持ってしても、読み取れなかったことはほとんどなかったから、悔しいわね…)
ワタシが持つ固有スキル[真贋・上]は[鑑定]スキルの上位互換である[真贋]より上のランクに位置している。例えるなら、[真贋]のエリートが[真贋・上]となるわけ。
そのスキルでも彼の底を見ることが出来なかったのはあり得ないことだった
このスキルは彼と会う前に帝国にいる勇者達の調査したときに重宝したの
彼らのステータスだけでなく、スキルと魔法も彼らに気付かれずに暴くことが出来た
なのに…
「彼のステータスしか知ることが出来なかった…どうして…」
『それは彼がお前さんよりも強いと言うことではないのか?』
ワタシのつぶやきが聞こえたのか、カレンの使い魔であるジェイドが会話に入ってきたのだ
「それはないわね。彼より隣にいた男の方がステータスは高かったもの。アンタも可笑しなことを言うわね~」
『強さというのは何もステータスだけではないだろう?それは君もわかっているでは無いのかな』
「・・・・」
それを言われると、何も言えなくなってしまうのよね…あのお方もステータスしか見ることが出来なかった…
「まさか、彼はあのお方と同じと言うこと?」
『そこまでは知らぬ。…が、少なくとも俺はお前さんよりも彼の方が強いと感じたぞ』
「ふぅん?あの子の使い魔にしては今日は言うわねぇ?」
『まぁな、彼ならば、この状況もなんとかしてくれるかも知れん』
なるほどね…たしかに、今のワタシ達は特殊だ。この特殊なおかげで、カレンは家族へ疑問を持ちつつも、活躍が出来ているのは特殊な状況が関係しているの。
カレンが侵入し、ワタシが調べる。
カレンは情報戦においてのキーパーソンなのだけど、この仕事と家族の狂信的な上昇志向に疑問を持っている。
「『なぜ彼女の家系はあそこまで上昇志向なのか…なぜあそこまで狂信的なのか、そもそもなぜあの家系はワタシ達のようなものが生まれるのか』」
ワタシのつぶやきとジェイドの疑問が全く同じだったので、ワタシは噴きだし、ジェイドは顔をしかめてしまった。
「まぁ、この件はワタシも知りたいわね。だから、ワタシは引っ込むから、彼女にこの件は彼に伝えても構わないと伝えて欲しいわ」
『かの王国の者達には?』
王国の人間達にか…まだ全員を知らないからなんとも言えないのよね…でも…
「そうね…少なくとも武器屋で遇った彼は伝えても構わないと想う。あとは実際に会話をしないと難しいわね。当日はワタシも耳を傾けているから。途中で彼女と変わるから、フォローを頼むわね」
『わかった…不本意だがな、カレンのこともある。』
「ええ、では、ワタシはもう彼女と代わるわね、流石に長時間は辛いわね~」
『急に変わるから辛いのだ、はよ休め』
確かに急に変わったのは悪かったわよ。ただね~強い人を見つけると、こう肌で感じたくなるのよね~
「俺からすれば、そんなことで変わられるカレンの身にもなってほしいものだ。例えカレンが良いとってもだ」
わかったわよ~。じゃぁ、変わるわよ~
そういった途端、ワタシの体が一瞬よろめき、すぐにわたしが立て直して元に戻る。
「いつみても、このときはハラハラしてしまうな…」
そうですよね~ジェイドでもまだ慣れないということは、周りからしたら大慌てですしね
それで?アイツと我の会話を聴いてたカレンはどうするつもりだ?
「アイツではなくて、カリンさんですよーグレンさんに名付けて貰ったのをジェイドも知っていますでしょう?」
「んぐ、それでもアイツはアイツだ! 俺が納得するまでは絶対に呼ばん!!!」
あらら…拗ねちゃいましたかーそういうことにしておきましょうか
「そうですね~…わたしとしては、みなさんに話しても構わないと思いますよ~念のため話題にするのは、一番最後にするのは絶対ですが~」
わたしの言葉に、ジェイドは以外だったのか目を僅かに開いてしまった
「…いいのか?俺はてっきり昼にあった二人だけに話すと思ったのだが?」
「ええ。魔王国の風習を知らない人たちならば、わたし達と違った見方をしてくれると思いますから~」
「なるほどな…わかった、まずは明日の話し合いで言うべき事柄の整理からだな」
そういって、ジェイドと話すべき事を整理していき、ある程度まとまってから、布団に入り休むことにしたのだ
窓から差し込む陽光が顔に当たり、意識の底に光が差し込まれると、意識が浮上していき目蓋が自然と開かれて、朝になったことを知らせてくれた
会談は昼前から行うが、すぐに行けば迷惑だと考え、ゆっくり朝食後に食休みを挟んでから王城に向かうことにし、余裕をもって王城に向かったのですが・・・
「え?国王様たちの用意がまだ出来てなのですか?」
謁見の間で行うと思っていたわたしは、部屋まで案内して頂いた兵士さんの言葉をオウム返ししてしまったのです
「はい…国王様とオウギ様より、少しだけ待っていて欲しいと言づてを預かっておりまして…
誠に申し訳ありません。後ほど、軍務大臣のグレン様よりご説明がございます故、今しばらくお待ち頂けますと幸いです。とのことでございます」
そういって、兵士の方はわたしの前にお茶菓子を置いてくださったメイドさんと共に部屋を出て行ってしまいました...
『「・・・・・・」』
わたし達はまさかの出来事で固まっていましたが、先に口を開けたのはわたしでした
「何かあったのでしょうか?」
『あの御仁が伝え忘れると言うことはないだろうから、我々と別れた後になにかあったと見るべきだろうが...』
でも、この王城の空気と言いますか…雰囲気でしょうか、とても大騒ぎの感じですね~
わたし達が困惑して部屋の外の騒がしさに首をかしげていますと、ドアのノックが聞こえたので返事をしますと、昨日あったグレンさんがいらっしゃったのですが...
「あの、グレンさん?とても服がよれているのですが...何かありましたのですか?」
目の下の隈もですが、髪も少し湿っているのですが...
「あぁ、すまんな。さっきまで寝ずに作業を行っていたんだ…本当はもっと余裕をもってたはずなのにな…オウギ殿が盛大にやらかしやがってな…」
オウギさんが?やらかす?
わたしの顔に書いてなかったのですが、グレンさんは乾いた笑いをしながら話していたのですが...哀愁が漂っているのですが...
「あぁ…俺としてはあのことが解決したのは嬉しいんだがな、オウギ殿が中心になったおかげで俺を含めた各大臣はとばっちりを受けちまったんだ…」
そういって、わたし達と別れてからのことを教えて頂いたのですが…王女様の病の話になったときに、気になる単語がありました
「じゅうきんぞくおせん...でしったか? その症状がわたし達の国にも似たようなことがありますね~」
たしか、魔鉱病だったはずですね…腹部に強烈な痛みと歩行困難だったはずです~
「そうなのか?それも後で話題になるから、そのときに聞いてみると良いぞ?オウギ殿なら答えてくれるかもしれん。知識の幅が広いからな」
グレンさんはそう言った後、顔を真剣にして、もう一人のわたしのことを確認してきたのです
「あと、カリン…だったか?ソイツが出てくるときは先に言って欲しい、護衛の奴らが殺気出しちまうとこっちが危ねぇから…」
「そのことですが、すぐに出てくる気は無いそうですよ~、出てくるときは前もってわたしに聞いてくるそうなので~」
「そうしてくれると助かる。余計な火種を広げたくねぇからな…昨日も妻と修羅場になりそうだったからな…」
グレンさんはそう言いながら、深い溜息を吐いていました…
わたしとグレンさんで話していると、ジェイドが思い出したようにグレンさんに話題を振りました
『そういえば、オウギ殿…だったか? オウギ殿は精霊と複数契約をしていたそうだが…』
『呼んだか~?闇の』
そう言ってグレンさんの側に顕れたのは火精霊のサラマンダーさんでした
『久しいな、火の。オウギ殿と契約したそうだが、息災なようで安心したぞ』
『息災も何も、毎日が騒がしくて楽しいぜ~』
「その騒がしい中心はオウギ殿だがな…」
『でも、そのおかげで生活が向上したんだから良いんじゃねぇか?』
「まぁな…飯が美味くなったのは助かったぜ」
そのような感じに話していると、先ほど案内してくださった兵士の方が、部屋に来て、みなさんの準備が整ったと告げて頂きました
「やっとか…なら俺が案内するから、武器や防具はつけたままで良いから、後ろをついてきてくれこちらとしては警戒はするが、何もしないというメッセージみたいなモンと思ってくれ」
そういってグレンさんの後をついていき、ある部屋の前で立ち止まり、部屋の説明をしてくださいました。ココが会談を行う会議室とのことです。謁見の間だと、物々しくなるのを国王とオウギ殿が嫌い、ここで行うと決めたそうです
グレンさんがノックをして、先に入室したあとわたしも入ると、拡がった光景を目にして驚き、その横でグレンさんが溜息をつきながら手で顔を覆っていたのです。
なぜならば、オウギさんの真横に女性がいまして、その女性がオウギさんの腕を組んで密着していたからです
もう、完全に堕ちてますね…(汗)
ちなみに、当初はこんな流れでフローリアと出会うことに…
迷子→適当に部屋入ろう→遭遇→変金で治す
→少しおしゃべり→出て行く
→翌日王様に起こされる→実は王女だった
フローリア(以下フ)「本当は密会だったなんて…(テレテレ)」
ちょっと待て、なぜここにいるんです?
フ「わたしのスキルを舐めないでくださいまし!ココにくればはっちゃけられると知りましたもの!」
いや、本当にそんなことありませんからね?
フ「そんなぁ~!!!」
では、次回の予定更新日を告知をお願いできますか?
フ「ありがとうございますわ♪
次回の更新は6月15日の土曜日14時頃ですわ!」
ということになります…次回は対策を立てないとな…
フ「フッフッフ!」




