表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/19

家主のいぬ間に

「ある程度片付いたし、ちょっと買い出しに行ってくるわ。適当なところで切り上げていいぞ」


 辰己は普段気になっていた場所まで掃除し終わり、あとは舞ったチリやホコリを軽く拭き取るだけという作業を残して、食料や生活用品の買出しに出かけることにした。アンジェとラインディアは慣れないことをしたからか疲れきっており、背中を合わせて座り込んでいた。

 辰己が外出し鍵を掛けるのを確認すると、2人の天界人は大きく息を吐いて全身を脱力させた。


「本当に大掃除を1日で終わらせてしまいましたね」


「あいつ、男のくせに細かすぎよ。隅から隅まで掃除しつくして」


「でも、私たちが住みやすいようにしてくれたんですよね」


「まあね、そこに関してはありがたいけど」


 二人が住みやすいように押入れの中は整理され、天井裏にも押し入れにしまってあったスタンドライトも設置した。二人がよく知る人間であれば、ここまで唐突に居着いた居候に良くしてくれる人間はそういない。

 それは、単純に辰己の人の良さの表れでもあり、面倒見のよさでもあった。


「それに、料理もとても美味しいですし……食費とか入れたほうがいいですよね」


「それは当然でしょ。私は一応任務扱いだから給料はでるし、その一部をあいつに渡すつもりよ」


「私は……堕天しているので、生活費は頂けないんですよねえ」


「天使のほうが給料いいんだから、少しくらい貯蓄はあるでしょ。そっから出しなさいよ」


「そうですね、しばらくはそこからだそうと思います。けど、一年間は多分持たないですね」


「それがさ、下界にはバイトってのがあるらしいじゃない」


「やっぱり気になっていましたか。私も気になっていたのですよ」


 そのまま金策の話をしたり、辰己の話をしている間に2人は眠りこけてしまい、2人が目を覚ましたのは、辰己が晩御飯を作り終えいい香りが漂い始めた頃だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ