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森の中で一泊目です。

 よろしくお願いします。

 ライシェラが相変わらず楽しそうに、ブォンブォンとやってる。

 チコリは、何か考えているのか黙々と進んでいる。

 僕はたまに見かけるキラキラを取りながらだ。

 レティは手を頭の後で組んで暇そうに歩いてる。


 そうして、だいぶ進んだ頃、急にライシェラが、立ち止まる。

 手を顔の辺りまで挙げる。

 止まれの合図だ。



 歩くのをやめると、鳥の声が聞こえてくるだけだ。

 

 「・・・たぶん、おおきな、へび。こちらにきづいてる」 


 そう言って、ライシェラが指さした方は、草が茂ているだけで何かいるのかまではわからない。


 「・・・襲っでは来ないね」


 しばらく待っても、反応が無いので聞いてみる。


 「うごいてない。でも、こちらを、けいかい、してる」 


 「・・・そういえば、産卵の時期か?」


 「すみません。わかりませんが、蛇が巣を守るとはあまり聞いたことがありません」


 レティが思い出したように言って、チコリが答える。


 「ふむ、どうするチコリ?このまま離れれば見逃してくれそうだけど、もし、巣を守っているなら・・・」


 「危険ですね。ライシェラさん相手の大きさとかわかりますか?」


 「たぶん、レティシア、まるのみできる」


 「なんでアタイ基準なんだよ」


 「おおきさの、はなし。ひゅむのおとな、まるのみよゆう」


 「・・・冒険者でも危険ですね」


 「やるかい?」


 「はい」


 「じゃあ、晩飯は蛇のかば焼きだ!」


 レティがそう言うと、怒ったのか、大きな蛇が出てくる。

 でもなんか、ちょっと変わった蛇だ。


 「ライシェラ、あれは蛇じゃないだろ」


 レティが顔を見上げなら言う。


 「たぶんのはなし。でもだいたいあってる」


 「いや、全然違うだろ?」


 「・・・ヒュドラですか?」


 「あぁ、まだチビだけどね」


 「・・・これで、幼体!?」


 変わった蛇は、胴体が太くて、頭が3つある。

 その頭を持ち上げると、周囲の木々ほどの高さだ。

 シャーっと一生懸命威嚇している。


 「・・・子供なの?」


 「・・・なんだよ、コブン。こんなのも助けるのか?」


 「でも、子供だっで?」


 「・・・チコリ、冒険者でもこいつに勝てるか?」


 「えっ!?・・・私もヒュドラは初めて見ましたが、ギルドの文献などの資料に照らし合わせ・・・」


 その時、蛇の頭の一つから、ブシャーっと紫の液体を噴き出す。

 でもそれはレティが片手をあげると、僕たちにかかる前に、空中で止まり、紫の丸になる。

 その丸は、一カ所に集まり大きな丸になって少し離れた地面に落ちる。

 すると、落ちた場所の草が枯れてしまう。


 「お前の攻撃は効かない。今どうするか決めるからジッとしてろ」


 レティが睨みつけると、蛇がビクッて震えた。


 「それで?」


 「・・・あ、はい。たぶんですが、手足も無く、頭の数も少ないので、ヒュドラの中では、さほど強い種ではないと思います。なので、無傷と行くかはわかりませんが、討伐は可能だと思います」


 「・・・だってさ、ライシェラ見なかった事にするよ」


 「わかった」


 いつの間にか、蛇の背中に乗っていたライシェラが降りてくる。

 蛇も気づいてなかった様で、震えが強まる。


 「言葉が通じるかわからんが、見逃してやる。どこへでも行きな、ただし数日後にはヒュムが沢山来る。そいつらに見つかったら狩られるよ。もし巣があるなら、今のうちに引っ越すんだね」


 そして、ライシェラは何も無かったように鉈を振って進み始める。


 「れっレティシア様!?よろしいのですか?」


 「まぁ、元々ライシェラが居なかったら、出会わなかったかもしれない相手だしね」


 「・・・それは、そうですね。警戒心も強い様ですし」


 「レティありがとう」


 「まぁ、蛇なら美味そうだけど、ヒュドラはよくわからないしなぁ。あ!首の一本くらい切り落とせばよかったか?生えてくるんだろ?」


 「・・・レティ」


 「冗談だよ!そんな顔するなよコブン」



 それから、空の色が変わり始めるぐらいまで進むと、川のある少し開けた場所に出た。

 僕たちはそこでキャンプすることにした。

 そして、テントを張り始めると、ライシェラがプラっと居なくなり、レティが少し広めの結界を張って、テントも張り終わった頃に、ひょっこり戻ってきた。

 手に絞めた蛇を持って。

 たぶん、ライシェラも食べたかったんだと思う。


 キャンプと言っても、僕たちは焚火をしたりとかはしない。

 獣や虫とかはレティの結界の中には入ってこれないし、火を使わなくても、合成すれば食べ物は出来るからだ。

 テントを張ったのは、攻撃と判断されない朝露や急な雨等で体温を奪われるのを避けるためだ。


 僕はライシェラの持ってきた蛇を血抜きして捌く。

 下処理した後、集中する。

 やっぱり、かば焼きだよね、レティ食べたそうだったし。

 あとは唐揚げも作った。


 「これこれこれ!やっぱこれだよ・・・」

 「えっ!?意外と、普通に美味しい」

 「うまい」


 レティが難しい事を言い始め、チコリは薬剤以外では初めて食べたらしい、ライシェラは点数を言わなかったので、不満はないみたい。

 レティが言うには、魔力の回復にも効果があるとかないとか、言っていた。


 食べやすくて美味しかった。

 その夜はなぜか、なかなか寝付けなかった。


 それでも夜風が涼しくなり、虫の声と川のせせらぎを聞いている内にいつの間にか眠ってしまった。

 読んで頂きありがとうございます。

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