森へ入ります。
よろしくお願いします。
チコリが依頼のことを説明に来て数日。
今日が出発の日だ。
待ち合わせは、この家って事になっている。
ここなら、すでに森の中だし便利だろって、レティが言ったみたい。
僕たちもそのために準備をしている。
と言っても、荷物の大半は僕が持って、レティとライシェラは動きに支障がでない程度だ。
いつ襲われるかわからない森の中なので、荷物が重くて戦えないでは意味がないからだ。
それに、あんまり身長は変わってないけど、僕はちょっとぐらい重い荷物でも平気だし、森の中ならなおさらだ。
レティの格好は、アラクネーの人の糸を使ってアージが新しく作った服だ。
時間がかかるけどその糸は通気性もよく、丈夫な布が作れるみたい。
出来上がった布は、魔法の付与がしやすく、透明になったみたいに背景に溶け込む事も出来る。
ただ、それは動いていたら不自然になっちゃうので、完全に見えなくなるわけじゃない。
これから、森に入るレティの格好は、しっかりした靴を履いて、森蛭対策のタイツ。
短いズボンとシャツを着て、手工をしている。
ライシェラは、革鎧にもなるターラのローブじゃなくて、ピッチリした黒装束だ。
魔法を使う事が出来ないライシェラだけど、魔力は沢山あるらしくて、この服はそれを使って色々出来る付与をしたわってアージが言っていた。
前にレティと虎になって戦った時には、黒い蜘蛛の幻影みたいのを作っていた。
僕もアラクネーの人のローブを着ている。
前のローブは白っぽかったけど、このローブは茶色っぽい。
いつもの背負子に沢山荷物を積んだ上にも、雨よけと隠れるためにその布で覆っている。
「おはようございます」
僕が、人数分のおにぎりやらを作っていると、チコリが来た。
フィリルは草原の村へ泊るらしいので、お弁当とアージとアラクネーの人のお昼も作っておく。
それ以降は適当に食べてもらうしかない。
僕は、おにぎりなどを荷物に積んで、準備完了だ。
挨拶をすませ、変更がないか確認して出発する事になった。
チコリの格好は動きやすいローブと大きな杖を持っている。
荷物はあまり持っていなかったけど、それも僕が持つことにして、背負子に積む。
「じゃあ、行くか」
レティのそんな声で出発した。
先頭はライシェラ、次が、チコリ、僕、最後がレティだ。
地図を読めるのが、チコリしかいないので、ライシェラにチコリが方向などを指示しながら進む。
レティは地図を読めるけど、街中以外では迷子だ。
ライシェラは木の枝や、草が深い所などを払うための鉈を使っている。
その鉈はチコリが持ってきた物で、ライシェラが先頭なので渡したのだ。
ブォンブォンって凄い音だしながら、どんどん道が出来ていく。
ライシェラ一人なら、草木をほとんど動かさず移動できるので、こうやって道を作りながら進むのは新鮮らしい。楽しそうに鉈を振るっている。
森に入ってから最初に出会ったレティぐらいの大きなトンボは、結構離れていたのにライシェラの鉈の風圧に巻き込まれて、粉々に砕けてしまった。
僕はその羽にキラキラを見つけて採っておく。
森の中だけど、ライシェラが道を作っているからか、あまりキラキラを見かけなかった。
それから、何匹か見かけた虫もほとんど同じ感じだった。
僕が思うに、ライシェラに武器を持たせちゃ、いけないんじゃないだろうか?
それから、お昼ごろまで、食べられそうな生き物に出会わずに進んだ。
チコリは当初の予定より倍近い速さで進んでいると驚いていた。
僕たちは少し開けた場所で、お昼休憩をして、持ってきたおにぎりを食べた。
「じゃあ、少し昼寝しよか」
そのレティの何気ない、言葉にチコリが驚いて。
「えっ!?しかし、レティシア様こんな森の中で!?」
「ん?予定より進んでるんだろ?」
レティが背負子から、お気に入りの自立ハンモックを取り出して広げなら不思議そうにする。
「そうですが、どんな魔物が出るともわかりません。危険ではと・・・」
レティが指を鳴らすと、周囲の音が遠ざかる。
ライシェラは適当な木の枝の上に決めたみたいだ。
「こっこんな、高位けっか・・・」
僕は背負子を置いて上に寝ようかと思ったら、レティにハンモックに引っ張り込まれる。
チコリに背負子の上を譲れって事みたい。
背負子はうまく積んであるので、横にすると寝っ転がれるくらいの台になる。
レティだと足が余ってしまうけど、チコリなら大丈夫なくらいだ。
チコリに使ってって言ってレティの横で少し目を瞑る。
チコリは寝れなかったみたいだけど、1時間くらい昼寝してから出発した。
読んで頂きありがとうございました。




