新天地 ゴブリンの住処
今回は元ボスさんです。
よろしくお願いします。
時間的には、コブンが橋を作って眠っている間と数日後くらいの話です。
オラは目の前にいる5人を見ながら、ワイバーン達に礼を言う。
飛竜やワイバーン達が、草原で見かけた同胞を村へ連れてきてくれる。
オラから頼んだ訳ではないから、ライシェラ様の指示なのかもしれない。
今回の5人は丁寧に紐で縛ってある。
あの大きな体でどうやったかわからないが、そういう事も出来るんだと感心してしまう。
状況が理解できず、怯えている5人にこの住処で暮らすつもりがあるか聞いてみる。
ん?どっかで見た顔か?
もしかしたら、元はオラの群れに居たのかもしれない。
まぁ、いまさらどうでもいいか。
オラは弟達を呼んで、一緒に住処を案内する。
新しい住処は広いし、色々と忙しい。
人手は多いに越したことはない。
それはこの住処に着いたその日の事だった。
突然、地面から大きなミミズの様な虫が現れ、襲ってきたのだ。
ところが、あっという間にライシェラ様が打倒してしまわれた。
やはり、あのお方は強い。
そしてレティシア様が、ゴブリンって洞窟に住むの好きなんだろ?この虫に・・・穴掘虫というらしい、穴掘らせればいいよ。
そうおっしゃられた事がすべての始まりだった。
森に住んでいたオラたちは、必ずしも洞窟が必要なわけでは無いのだが、たしかにあった方がもしもの時に逃げられるし便利だ。
そうして、始めた穴掘り、このラウドンゴという虫。
こんな形だが頭もよく、言葉も通じる虫だった。
なので、ライシェラ様がオラのいう事を聞くように伝えて、他にもいないか探しに行ったほどだ。
オラは、ライシェラ様に言われた通り、住みやすい様、地面に穴を掘らせる。
理想はいくつも出口がつながっている、逃げ出すのに便利な穴を沢山掘る事だ。
ところが、その次の日には大きな空洞に出てしまった。
オラは急いで、ライシェラ様とレティシア様を呼びに行く。
レティシア様が言うには、ドワーフ?というオラたちに似た、生き物の穴らしい。
お二人で、中の安全を確かめて下さり、そこに住み始める事になった。
この大穴には、穴の中なのに建物が建っていたり、あちこちに小さい穴が伸びていたり、すぐに行き止まりになるような穴が沢山あったりと、オラ達にはよくわからない不思議な穴だ。
そうした中で1番困ったことは、2日目ぐらいからレティシア様が、とても不機嫌になられたことだ。
近寄りがたい雰囲気もさることながら、指をパチッパチッと鳴らすたびに、炎が吹き出したりするのだ。
表情まではよくわからないが、なにか気に障ることがあったのかも知れない。
オラにとっては、ライシェラ様が守護の女神ならば、レティシア様は畏怖の魔神だ。
今でも赤い瞳に睨まれたら恐ろしくて震えてしまう。
ついて早々、魔法で橋を創られたのには度肝抜かれた。
オラも魔法を少し使うが、レティシア様の魔法は異質すぎて理解できない。
来てすぐのこと等を振り返りながら、新しい同胞達に住処の説明をしていく。
途中でワーグに乗った偵察役が帰ってきた。
新人はワーグ達に酷く怯えていた。
まぁ、オラ達だって恐くないわけではないが、同胞の中にはワーグと心を通わせる者もそこそこ居る。
ワイバーン達が居るとは言え、頼り切るわけにはいかない。
だから、同胞達で周辺の警戒を常にしている。
これは、ライシェラ様の意向だ。
強い者には寄っかかりたいオラ達には、わからない考えだがライシェラ様が言うなら従うだけだ。
この住処では基本的に、夜の食事以外にも食べたければ自分で取ってくる必要がある。
最も、普通の同胞なら一日に一食も食べられれば、幸せな話だ。
偵察や、群れ用の食糧調達、穴掘り等各々割り振られた事をやれば後は自由だ。
でも川の向こうの森へは、弟たち大きい同胞だけしか行ってはいけない。
あとは、ヒュムの村が日が昇る方にあるため、そちらへは、ワーグの偵察以外はいけない。
これは、森の魔物やヒュム達を刺激して住処へ連れ込まないためだ。
そんな細かい事を説明していると、ライシェラ様が来たと知らせが入る。
ちょうどいいので、新しい同胞を紹介しに行く、ライシェラ様に会えるだけで、心が沸き立つのを感じる。
弟達も嬉しそうだ。
わかってないのは、新人だけだ。
まぁ、会えばすぐにわかるだろう。
元ボスさんが、橋を作ったのはレティシアさんだと思っているのはしょうがない事なんです。
レティシアさんの理不尽な魔法を度々みているため、理解不能な事は魔神がやったになってしまったのです。
しかも、コブン君はレティシアさんとライシェラさんと一緒にいることが多いため、印象が薄いのです。
精々、料理の上手い同胞程度の認識です。
しかもゴブリンは味音痴というか、なんでも美味しく感じるため、余計コブン君の印象が薄れるのです。
読んで頂きありがとうございました。




