おやすみなさい。
よろしくお願いします。
そこには元は一つの大きな山だったろう、残骸が広がってた。
元の山は半分ほどに抉られでもしたかの様になっていて、そこから崩れた土砂や岩が大量に麓から湖までを覆っている。
「山が崩れだ?でもなんで?」
「行ってみる?」
僕は頷いた。
ちなみに、レティの姿は水から出たら戻ったみたいだ。
レティと空から見てわかったことは山に木が全然生えていないことだ。
そしてもう一つ、麓には村があったみたい。
所々に元は建材のような物が土砂から飛び出している。
僕達は、唯一全壊を免れたらしい家に降りる。
そこは村らしき場所から少し離れていて、土砂の流れからもそれていたみたいだ。
さらに、周囲に木々があったため、家を半分ほど呑み込んだところで土砂が止まっている。
家の入り口には、籠に入った何匹ものカナリアがピッピッピーピーっと鳴いている。
「おーい、誰か生きている者はいるかぁ?」
レティが呼びかける。
その間に僕は、近くにころがっている椅子を台にして、籠の蓋を開ける。
鳥たちが居なくなると、周囲が静かになり、小さなうめきが聞こえてくる。
「レティ、だれがいるかも」
「どっち?」
僕は耳を澄ませて、音をたどりながら、カバンから回復薬を合成する。
家の中へ入り、台所の敷物を外し、地下への扉をあける。
幸い扉はすんなり開いた。
地下室は半分が土砂で埋まっていた。
声の主は土砂に押され倒れた棚の下敷きになっていた。
幸い潰されているのは、片方の手と足だけなので、命は助かりそうだ。
レティが土砂に埋まった棚を片手で簡単に持ち上げて、反対の手でその人の襟を掴んで引っ張り出す。
僕は、みてただけだ。
先ほどの回復薬を半分、つぶれていた部分など外傷のひどいカ所に振りかけ、残りをゆっくり飲ませる。
安心したのか、眠ってしまった。
すぐに、意識を取り戻すのは無理かもしれない。
とりあえずその人を地下から出し、心室がわからなかったので、広い部屋の長椅子に寝かせる。
なんとなく、カーテンを引っぺがして、上からかけておいた。
背負子から、すっかり溶けてしまった魚を取り出し、食事を3つ作る。
今回はあまり光らなかった、たぶん魚の鮮度のせいだと思う。
当然、レティは納得してない顔だった。
「じゃあ、残りは干物にしよう」
そう提案すると、ピシッとまた魚を凍らせた。
・・・ダメらしい。
寝ている人の分には、お皿をかぶせておいた。
僕はその家から出る前に、もう一度耳を澄ませたけど、他に声は聞こえなかった。
山の麓には、かなり大きな建物や沢山の人がいたみたいだ。
いまではほとんどが土砂の下だ。
「レティ、これっで?」
「鉱山だね。崩れた山の一部にも穴が見える。周囲の木々を切り出して、鉄でもつくっていたのかね?ただ、空気に混ざっている魔力の残滓みたいのを感じるのはなんでだ?魔法で爆破でもしてたのか?」
「木を伐りすぎで、崩れたのがな?」
「木と関係があるの?」
「わかんないげど。山を裸にすると、崩れるって聞いたことがある気がする」
「にしても山崩してまで、何がしたかったのやら?・・・ダメだね。この近くに生存者は居なさそう。山の反対まで行かないと無理かも」
「戻って、さっきの人に聞いてみる?」
「いや、どうせ欲かいて掘りすぎでもしたんだろ?さっさと戻ってアゴダシを何とかしよう。最悪アタイが少しずつ土をよけるって手もあるしね」
「わかった」
そして、僕はレティに抱えられて飛び立ったとき、視界に黄色く染まった川が見えた。
山の麓までは綺麗だった流れが、途中で色を変えたんだ。
僕は何故かやな予感がした。
レティにお願いしてそこに降りてもらう。
それを手ですくって少し口に含み、すぐに吐き出す。
ゴブリンは毒とか菌に強いけど、ちょっと口に含んだだけでヒリヒリする。
僕は回復薬を口に含み、うがいした。
黄色い水に手を入れてみる。
「レティ、大変。ごの水は危険」
「見りゃわかるよ。どう見ても飲んだらマズい色だろ」
「いや。そうじゃなくで、この川どこまで続いてるかわがる?」
レティは、飛び上がる。
しばらくすると降りてきて。
「湖までだね。これのせいで濁ってたのか」
「・・・レティ、きっどこれは湖の魚が、食べられるかどうかの問題だよ?」
「えっ?何でそんな話になるの?」
「毒を持ってる魚はだべないでしょ・・・・・・」
僕は、おせん?って頭に浮かんだ言葉のことをレティに話した。
「なるほど、このままだと水の生物がやばいってのはわかった。それで、どうすりゃ止められるの?今は土砂のせいで何もしてないけど、何日もすればまた人が来てその汚染ってのを始めるんだろ?この山のこと知ってる人を全て殺す?」
「たぶん、ごの土ど岩で防ぐ場所を建でれると思う」
僕は川に手を入れて集中する。
すで間時1とあでまょじいかィテルナペ。んせまきでうこっじはいざんげ、めたるあが要必うかつてべすをくわうょぎさ?
なんだろう?できなかった。
この体の怠い感じが無くなるまでダメなのかな?
「レティ、もう少し後じゃないどいけないみだいだから、いったん戻ろう」
「ほいよ」
僕たちは川を下るようにいったん湖の方へ戻ることにした。
主様のパイプの所から、川から湖へ注ぐ河口は意外と近かった。
魚の人たちに、事情を説明してこれからやる事を伝える。
そして、アゴダシ用の回復薬を作ったり、ちょっと周りにあったキラキラを撮ったりしていると、体が軽くなった。
僕はレティにその事を伝えて、運んでもらう。
川の河口の水に触れて、集中する。
すまりなにとこるむね(んね02)間時002571なうよつひにうょぎさ。すましたいをちょしのたのそ、とかうょじ、いかつをくわうょぎさのてべす?
なんかよくわからない数が、閃いたけど。
よし、やろうっと思うと、ほんとにいいの?みたいに聞かれた気がした。
でもやってしまおう。
集中する。
すると、一気に体の力が抜けて、眠くなる。
と同時に、何を言われたのかもなんとなくわかった。
「レティ、ご、めん。ちょっ、と、なが、く。ねむ、る、よ」
「どうした?コブン大丈夫か?どのぐらい寝るって?」
「に、じゅう、ねん、ぐら、い?」
「はぁ!?バカかコブン!!ゴブリンの寿命は精々、3~4年!20ってそれって死ぬまでだろ!?」
レティの言っていることがほとんど頭に入ってこない、でももう起きられないって事はなんとなくわかった。
「・・・そっ、が。じゃ、あ。あり、がとう。レティ、も、りで、あ、えて、よか・・・」
僕の意識は、真っ暗な中に落ちていった。
僕が目を覚ますと、横にレティが寝ていた。
「おはよ、コブン」
「おはよう、レティ。・・・20年たっだの?」
なんか、最終回みたいな雰囲気をコブン君が醸し出しましたが、まだ続きます。
そして、この後を考えている作者が、コブン君のセリフに泣いてしまいました。
コブン君カムバーック。
って事で、作者が雰囲気をぶち壊した所で、次回はレティシアさん視点を予定しています。
読んで頂きありがとうございました。




