ドワーフの穴です。
すみません、遅くなったうえに短いです。
「まったく!最近のガキどもは!」
「あーあ、居なくなっちまったのかい?」
「なっなんじゃ!?誰じゃ?」
「そこに、穴があるだろ?壁の反対側に居る者さ」
「なんじゃと!?石喰か!?」
「ちがうさ、失礼だね。ヒュムだよ」
「ヒュムじゃとぉ?そんなもん、近頃とんと見ておらんわ」
「じゃあ、その穴から覗けば見れるさ」
そう言って、レティは穴の見える位置に移動して、ライシェラ達には、見えないところに移動するよう手で合図した。
「そう言っていきなり攻撃するつもりじゃな?侮りおって!にしても、あのガキ共は!こんなとこに穴こさえて!」
「ラフィク・サラーマ・サィリム」
「・・・何でその言葉を知っとる」
「アタイの知り合いに教えてもらったのさ。ドワーフの言葉だってね」
「・・・はぁ。まぁ、最近は使う者も少なくなった、古い言葉じゃがな。それで?お前さんは何で封鎖された坑道におる?」
「アタイ達の知り合いが住処を追われてね。この近くに引っ越したんだが、土の中の方が落ち着くそうだ。だから、住処の穴を掘ってたら、たまたまここへ続く坑道が見つかったのさ」
「ふーむ、にわかに信じがたい話じゃがな」
「嘘は言ってないよ」
「わかっておる。それで?悪ガキ共から何を聞きたかったんじゃ?」
「ここが、封鎖された理由さ、ただ廃坑にするだけなら、壁で埋めたりしないだろ?」
「そういう事もあるんじゃがな。ここは、石が採れなくなったのと、掘りすぎて天土を抜いてしまったからじゃ」
「ここは、掘り抜いて無いみたいだけどね?」
「そこではない。そこは坑道の休憩所じゃ、壁づたいに進めば石を組んで塞いである場所があるはずじゃ。闇文字が残っとるはずだ、お主なら空けられるじゃろ?」
「そうかい、ありがとね」
「なに、ワシは古いドワーフだからな。盟約は守る」
「迷惑ついでに、ここに住んでも大丈夫かい?そちらには極力干渉しないと約束するよ」
「それは、ワシの分を超えるな。ワシからどうこう言うつもりは無いが、ガキ共も知っとれば、いずれ偉いのの耳にも入るじゃろ。その時どう判断されるかはわからん」
「まぁ、そん時は、そん時考えるよ」
「ならば、好きにするがいい。他に無いようなら、ワシはいくぞい。孫どもを叱ってやらねばな」
「あぁ、助かったよ。ありがとう」
少し離れて見守っていた僕たちの方にレティが歩いてくる。
「どうだっだの?」
「あの壁の向こうにドワーフの街があるみたいだね。取りあえずもしもの時の為に、強いの何人かで見張らせた方がいいね。一応こちらからは、不干渉だと伝えたけど、ゴブリン達が会ったら攻撃してくると思うからね」
「そうなの?」
「あぁ、ドワーフ達がゴブリンの住処に穴空けるのは、たまにあることらしいよ。そん時はどちらかが滅ぶまで戦うらしい」
「わかった」
「ライシェラか、アタイが居るときなら良いけどね。見張るだけにして、話してもダメだよ。何か言ってきたらアタイか、ライシェラに必ず伝えること」
「わかったダ」
「悪いね、ライシェラ。相談もせず進めちゃって」
「きにしない。どわーふ、ころさない、ほうがいい?」
「ライシェラには、まだ紹介してないけど、アタイの親せきにドワーフがいてね。できれば、穏便に済ませたい。まぁもし争いになれば滅ぼしてもいいけどね。アタイの親せきはたぶん気にしないはずさ」
「わかった」
「じゃあ天井の抜けた穴を見に行くか。ゴブリン達は留守番ね、大きな穴には魔物が住み着きやすい。なにもいないってことはないと思うからね」
「わかったダ」
返事にうなずいて、レティはスタスタ歩き出す。
「コブン行くよぉ!」
「レティ、ゴブリンは留守番っで」
僕はレティとライシェラを追いかけながら返事する。
「何言ってんの?コブンはコブンだろ。なんか美味しいキラキラ探すよ」
「土の中は石ばっがり。あ、でもさっき珍しい石採れた」
「ふーん?でもアタイ石には興味ないな」
「そっか、なんが聞いた事ない石だったか・・・」
「それより、ライシェラ。ゴブリン達はここに住んで、食べ物どうしてるんだ?」
「こうたいで、そとで、とる」
「そっか、ちょっと遠いな」
「わーぐ、てつだってる」
「なるほどな」
そんな話をしながら3人で壁伝いに進むと、さっきみたく石が積まれて塞がれた場所を見つける。
ただし、こちらには大きなドアの様なものがあって、下に金属の棒が2本敷かれている。
・・・せんろ?なんとなくそんな言葉が頭をよぎる。
「ここだな、近くに文字が書いてあるって言ってたけど・・・。コブンちょっと手つないで」
「はい」
僕は、レティの手を握る。
レティがキョロキョロと辺りを見回したり、少し歩き回る。
たぶん、暗視の魔法を解いたんだと思う。
僕と手を繋いだのは、真っ暗だと方向がわからなくなるからって言ってた。
レティと少し歩き、僕は4つの像を見つける。
「レティ、像がある」
「どっち?」
「こっち」
僕はレティの手を引いてそこまで行く。
4つの像は、それぞれ異なる外見で、四角く置いてあり、それぞれが外側を向いている。
そして、4体の真ん中のあたりが薄らと光っているみたいだ。
像の外見は。
一体が剣と盾を持って鎧を着ている。
その隣のは、ハンマーを振り上げていて、その隣はつるはしを打ちつけている。
最後が両手を組んで、アゴを上げ冠をかぶっている。
レティは、真ん中の光を見ながら何か読み上げる。
「なになに?・・・。
我々は封印する者。
我らは四方を見、3度利き手に迷うが、6つを求める。
我は矛であり盾である。右手には剣を左胸に褒章を持つ。
我は導く者。全ては我が為にある。
我は闇の住人。右手の道具が全ての始まり。
我は石の使者。左の石から道具とする。
だってさ、コブン意味わかるかい?」
「この像をなんかすれば、良いのがな?」
「あの爺さん、解除の仕方まで教えてくれりゃいいのに」
「前みたく答えかいでないの?」
「完全に封鎖するためのギミックだから書いてないね」
「ライシェラ、わがる?」
「ふぁ・・。ん?」
ライシェラはあくびしながら、ローブから出した手の爪を像でガリガリ研いでいた。
「れてぃしあ、わかってる」
「えっ!そうなの?」
「まぁね。作る方も、時間が無かったのか、結構適当なギミックだね」
その時、ガリガリやってた拍子に、像の一体がゴトゴト鳴りながら、横を向く。
ライシェラが、同じ要領でもう一度押すと、さらに横を向いて、最初の位置からみると後を振り向いた状態で止まる。
「・・・これが、四方を見るってこどなのがな?」
△冠
◁剣と盾 ▷つるはし
▽ハンマー
像はよく見ると、それぞれ外側を向いているので、ライシェラが動かす前はこんな状態だった。
これをその後の言葉に習って向きを変えれば良いんだと思う。
でも、悩みながら何回か動かすと、ゴトゴト言いながら最初の位置に戻ってしまった。
・・・これは、どうすれば良いんだろう?
遅くなった原因のすべては、このギミックを考えていたせいです。
たぶん、答えは次の投稿のあとがきで書きます。
もしよかったら、少し考えてみて頂けると嬉しいです。
ただ、作者的にも謎かけの一文がちょっとうまく思いつかなかったので、わかりにくいかもしれません。
ちなみに、解けなくてもなんら問題ないうえに、解いてもなにもありません。
あ、こいつこういう事言いたかったんだな?的に温かく見て頂けると幸いです。
よろしくお願いします。




