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新天地を求めて

 たぶん、作者には一日書けるのはこの位が限界です。

 すみません、また、主人公ほったらけの話です。

 オラは、他の兄弟達と違って不思議な力があった。

 傷を治したり、火の玉を出したりできるんだ。


 そしてもう1人、弟の中に他と体格の違うのがいた。

 この弟は大きい癖に気が弱くていつも除け者にされていた。

 オラは、弟を守ってやることにした。

 もちろん、最初は打算があった。

 体が大きいって事は力が強いって事だ。

 だから、弟が成長したら守ってもらおうと思ったんだ。

 でも弟は戦いはからっきしで、役に立たなかった。

 当てが外れた。

 そう思ったが、オラの不思議な力を使えば、兄弟たちや村の大人たちを従える事は難しくなかった。

 元々オラ達は弱い、森の中じゃいつも脅えて生きている。


 だから思ったんだ。

 村がオラ達より小さいアリの大群に襲われた時。

 オラ達も群れ大きくしないとダメだと。


 アリから生き延びた村人の数は小さいのを入れても20人。

 村と言うより集落だな。

 これじゃ大きい群れに出会った時、あっという間に飲み込まれる。

 だからオラは、弟と二人で近くの同胞を探した。

 弟を連れて来たのは、見た目が強そうだからだ。

 実際に、もめたらオラが火の玉を使う。

 弟にはただ黙って、次の飯の事を考えてろって言っておいた。

 へんにビビられたら意味がないからだ。


 最初に見つけたのは簡単だった。

 30人ぐらいの集落だ。

 オラと弟が出て行けば、弟にビビッてすんなり従った。

 そいつらにはオラ達の住処に移らせる。

 へへ、こりゃ楽だ。


 そう思ったのもそこまでだった。

 次に見つけた所には弟みたいのが二人いた。

 ありゃダメだ。

 一人はオラの火の玉で倒せても、もう一度使うのには時間がかかる。

 弟は戦えないから、その間にやられちまう。


 次見つけた所は洞窟の中に住んでいた。

 これもダメだ。

 相手がどれ程の数がいるかわからないのは危険すぎる。


 次だ次、そう思って森の中を彷徨う。

 イライラとしていたのが、よくなかったのかもしれない。

 木の上から山羊頭の人型に襲われた。

 チクショウ、油断した。

 そう思った時には遅かった。

 弟は上からの攻撃をまともに食らって、フラフラの所を山羊頭に首をつかまれ締め上げられている。

 オラは火の玉を投げつける。

 それはうまく山羊頭に当たった。

 山羊頭が後に飛び退く。

 オラは解放された弟に走り寄る。


 一瞬はひるんだ山羊頭だが、すぐにオラの呼吸に気付いたのかもしれない。

 焦げ臭いにおいをまき散らしながら、怒ってベェベェ威嚇してくる。

 なんとか、呼吸を整えるが、次の火の玉まで、まだかかる。

 弟は腰抜かしてる。

 最初攻撃が強烈で、まだ意識が朦朧もうろうとしているのかも知れない。

 やれやれ、困ったやつだ。


 オラは覚悟を決める。

 弟は弱虫だが、優しい奴だ。

 見捨てる気にはなれなかった。

 近くの石を拾い、弟から離れながら投げつけ、山羊頭の注意をひく。

 まだだ、まだもう少し。

 だがすぐに時間稼ぎに気付かれる。

 弟には見向きもしないで、こちらに向かってくる。

 頭を低くして、角を前に出し頭突きを狙っているようだ。

 それをなんとか、横っ跳びに避けると、横を走り抜けるはずの、山羊頭は止まっていた。

 こちらの体勢が崩れるのを狙っていたのだ。

 地面に横たわり逃げれないオラに、毛むくじゃらの片足を上げ、ひづめで踏みつぶそうとする。

 バカめ、片足じゃ、避けられないだろ。

 そのすきだらけの下半身に、ありったけの力を込めて火の玉を投げつける。

 ハハ、ざまぁみやがれ。

 ベェベェ言って苦しんでいる。


 だか、ここまでだ。

 オラはもう動けないし、山羊頭は生きてる。

 最後の抵抗も噛み付くまでが限界だった。

 その証拠に怒ってこっちを睨んでる。

 今にも終わりが来るだろう。


 オラは立ってられなくなって、片膝を着いた。

 すると、後から風が吹き抜ける。

 もちろん弟じゃない。

 大きな狼に乗った、灰色のヤツらだ。


 「魔術師か?いや、祈祷師シャーマンだな」


 あっさりと山羊頭の首をはねたヤツが剣に着いた血をしゅこうで  拭いながら、こちらに来る。

 狼の上から剣を向けて聞いてくる。


 「そう構えるな、殺しはしない。我々の部族に来るか?お前は希少な同胞だ」


 「・・・我々?」


 短い悲鳴に後ろを見ると、同じ様に狼に乗った灰色が二人、弟に剣を突きつけていた。


 「別に脅しているわけじゃ無い」


 正直この誘いはとても魅力的だった。

 こいつらは強い。

 だから、こいつらに護ってもらえばいいのだ。


 「じゃあ、兄弟達も・・・」


 「必要なのはお前だけだ。他のヤツらに用は無い」


 弟を見た。


 「・・・兄弟を見捨てるつもりは無い」


 「そうか、おいホブ!出来た兄弟を持ったな。餞別だ使え」


 そう言ってオラに剣を向けていたヤツが弟に剣を投げる。


 「いいのか?」

 「無くしたことにするさ」

 「やれやれ、鍛冶ジィにどやされても知らねぇぞ」

 「そん時は庇ってくれ」

 「バカ言え、すんげぇ恐いんだぞ」


 既に興味は無いとでも言うように、狼の背に乗って振り返らずに森奥に行ってしまう。

 惜しいことしたかと、今更ながらに思うが、諦める。

 

 この山羊頭は、ここらでも強い魔物だ。

 こいつを使えば、いい脅しになる。

 オラは山羊頭を持ち、弟に剣を持たせて、同胞の住処を回った。


 気が付けば千は居ようかという規模の村に成長した。

 もはやこの周辺の魔物など恐るるに足らず!そう思っていた。


 しかし、村に突然あの灰色達が現れる。

 今日から我が部族がこの周辺に避難所を作る。

 立ち退け、と迫る。

 ならば、オラ達もその部族に入れてくれと頼んでみた。

 すると灰色は良いだろう、と言う。

 しかし、部族に入れるのはお前と、20人だけだ。

 最初は言ってる意味がわからなかった。

 灰色は続ける。

 50人で殺し合い生き残ったもの達だけが部族になれる。

 当然、オラは反発した。ムチャクチャだと。

 しかし、彼らは平然と告げる。

 我らは立てるようになったら殺し合い。

 生き残った者だけが育てられる。

 故に強く森の奥でも生き残れる。

 だからお前達もそうしろというのだ。

 結局オラは、諦め森を捨て草原へ向かうことにした。

 読んで頂きありがとうございます。

 後半に続きます。


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