家に向かいます。
すみません。
5/23日にタイトルを変えました。
作者の当初の思惑から外れ、レティシアさんは冒険者というより、魔女だからです。
色々紛らわしいかも知れませんが、よろしくお願いします。
「ん?知り合いか?」
「・・・?しらない」
少しの間、首をひねった後、そう言って鳥を拾いに行く。
残った僕とレティは、少しお互いの顔を見合った後、ローブの人を見る。
「無論、拝謁したことなどない!しかし、虎から人の姿へ変わられるなど、巫女様以外ありえない」
「ふーん、そうなんだ?」
「なっなんだ、その軽い反応は!?」
「それで?どうしたいのさ?」
「どうしたい・・・とは?」
「ライシェラは、あれで結構人気者でね。命を狙われたりとか、色々いそがしいのさ。王都のお偉いさんに話して、保護でもしてもらうかい?」
「まさか!?巫女様に危害を加える者など!!」
「アンタもその余裕のない感じじゃ、ろくなこと考えそうにないね。どうする?ライシェラ?」
鳥をぶら下げて戻ってきたライシェラを見て、レティが訪ねる。
ライシェラは、鳥を掲げてジッと見つめる。
「・・・きょうは、ざんぎが、いい」
そう言って、僕に渡す。
「いや、焼き鳥だろ」
「・・・いや、ざんぎ。やきとりは、こんど」
「・・・ライシェラ、わかってないな・・」
僕と同じぐらいの大きさの鳥を手早く処理する。
「レティ、水出しで」
ザンギと、焼き鳥が、いかに美味しいか説明し合っている2人に、少し手伝ってもらって、血抜きなどの下処理を終わらせる。
「終わっだよ。チコリ達、追おう」
「いやいや、ワタシの話が忘れ去られているぞ!」
ローブの人がやっとレティと、ライシェラの話に混ざれたみたいだ。
2人の仲が良いから遠慮したのかも知れない。
「好きにしなよ。ライシェラと居たいなら本人にそう言えば良いだろ」
「・・・ワタシが、巫女様と・・・。いっいや!そんな、畏れ多いこと!?」
「・・きたいの?いいよ」
「は!どこまでも、お供します!」
ローブの人がライシェラに跪いて礼をする。
「話がついたなら行くよ」
馬車は川の橋を渡った手前で待っていてくれた。
「レティキエさん!?大丈夫ですか?」
ラポラが小走りに駆けてきて、驚いた様に声をかけてくる。
「そんな、驚くような事はしてないよ」
「そうなんですか?でも泥だらけですよ」
「これは・・・。あの虎から逃げる時に転んだのさ」
「そうなんですね。治癒術はいりませんか?」
「いらないよ。それより、チコリはどうした?」
「チコリさん達はゴブリンを見かけたので、確認しに行きました」
「またかい?」
「それが、今回はワーグに乗ったゴブリンだったんです。もし近くに大きな集団があるなら、引き返して騎士団の方に報告する必要があるとおっしゃってました」
「・・・どっち?ようす、みてくる」
「あ、はい。えっと、こっちです」
ライシェラがラポラの示した方へ走っていく。
ローブの人も着いていった。
「他にいないし、少し聞いてもいいかい?なんでアタイと一緒に依頼を受けたがったりするんだい?」
「・・・私は、あの時、レティキエさんが、オークの方を弔う姿を見て思ったんです。僧侶としてこうありたいと、だから、私にとって、レティキエさんは目標なんです」
「あれはね。ゾンビやゴーストを使役する時に使うような、あんた達からすれば禁忌とされる。そういうモノだよ。そんなの目指してしてどうするのさ」
「・・・やっぱり、そうなんですね。でも、道具や魔術は使い方次第だと思うんです!」
「・・・はぁ、あきらめな。教えてやる気は無いし、人には過ぎた力だから禁忌なんだよ」
「それでも・・・」
「・・・強く惹かれたみたいだね。言うだけ無駄か。じゃあ、今夜アタイの家へおいで」
「え!?いいんですか!」
「まぁ、特別にね」
「ありがとうございます!」
しばらくして、皆が戻ってきた。
ゴブリンとワーグは、チコリ達に気付くと一目散に逃げ出したらしい。
しばらく周囲を捜したけど追跡出来そうな手がかりは見つからなかったみたいだ。
はぐれゴブリンかもしれないと、チコリが言っていた。
その後は、特に獣と遭遇しないで、日がだいぶ傾いた頃、ハルシュレックの南門が、見えてきた。
ローブの人とは街の中に入る手前で別れた。
皆でギルドへ報告に行く。
報告はトカゲの舌を見せると、すんなり進んだ。
ちなみに、泊めてくれた受付の人は居なかった。
草原の近況について、ギルドの人が聞きたいって言ってきた。
レティが、じゃアタイは帰るよ。って言って、解散になった。
ギルドの人とはチコリが、色々話すみたいだ。
イサム達は寮に、帰るそうだ。
ミネバは、治療院へ行くことになった。
この程度の混乱なら何とかなるそうだ。
僕たちは、ラポラと4人で家に向かう。
途中市場によって、少し買い物をした。
門から出て、少し歩いたところでローブの人が待っていた。
5人でしばらく進み、家の坂道に入る。
ここを通ったのも、ずいぶん久しぶりな気がした。
家について早速やったことは、ご飯を作ることだ。
ザンギと焼き鳥は、両方作ることになった。
他にも、しし鍋や、畑から採った野菜のサラダなんかも作った。
土ゴーレムさんが、畑の手入れもしてくれていたので、お礼を言った。
そして、なぜかアージがまだ家に居た。
1階が出かけたときのまま、アージの作業場になっていた。
「なんで、まだ居るんだよ」
「なぁんか、貴族がハンドメイドのマジックローブを作れってうるさくて。あんまりしつこいから、逃げてきたの。それより、後の女、なんで、コブンちゃんのローブ着てるのよ?」
「留守だからって避難場所にするなよな」
「ちょっと!あなたよ!あなた!なんで、そのローブを着てるのよ。って何で下に何も着てないのよ!?そっち系の人なの?」
「僕が貸しだの」
「まぁ!?そうだったのね。あまりに目障りだったからなのね」
「・・・なんですか?この気持ち悪い男は?」
「うまい、ざんぎは、せいぎ」
「わかってないな。このネギマや、皮、なんこつ、塩とタレ!この種類の豊富さこそが・・・」
「はわわ、どれも美味しいです。涙が止まりません。グスグスッ」
「アンジュリーナよ!無礼な女ね!」
「おぉ!これが、正義の食べ物なのですね」
「いや、ザンギは、沢山食べられないだろ。その点!焼き・・・」
「まぁ!コブンちゃん!この鍋も美味しいわ!?なんて鍋なの?」
「しし鍋」
「うまい」
「この白菜が肉の旨味を吸って・・・」
「確かに。あの時、譲るのを渋った訳がわかりました」
「ハフハフッ!?美味しいです」
そんな感じでワイワイと皆で、晩御飯を食べた。
その日の朝早くにラポラは帰っていった。
僕は、伸び始めた玄関の草むしりだ。
「よかったの?あんなめんどうな記憶操作までして、ずいぶん愛着があるみたいじゃない?」
「・・・もう会う事もないだろ」
「そうかしら?ハルシュレックなんて、狭い街だものまた会うと思うわ」
「グチグチ言うなよ。それより、さっさと帰れよ」
「まぁ!?あんな精神力の強い娘に、魔法かけさせといてそれなの!?」
「寝てたんだから余裕だろ?・・あ!じゃあ、フィリルになんか服作ってくれよ」
「・・・また、あんな面倒そうな子、よく拾ってくるわね?」
「・・・はぁ、なんとなく、そういう流れになったんだよ」
「コブンちゃんのため?」
「さぁな」
「まぁ、コブンちゃんの意向なら協力してあげるわ。でも、街に入れちゃダメよ」
「わかってるよ」
「おはよう、レティ、アージ」
僕は、一区切りつけて、抜いた草の籠を背負って家に戻る。
玄関で立ち話していた2人に挨拶する。
「おはよ、コブン」
「おはよう、コブンちゃん」
そこへ、ライシェラが出てくる。
「おはよ、むらへ、いってくる」
「アタイも行くよ。コブンはどうする?」
「僕も行くがな」
「お待ち下さい。巫女様!」
「らいしぇら、よんで」
「はっ!しかし・・・畏れ多いと言いますか・・。あ!そうではなく!」
「アンタはアージに服作ってもらいな」
「ワタシに指図しないで下さい」
「よろしくな、アージ」
「仕事だもの手は抜かないわ」
「おるすばん、よろしくな」
「はっ!いえ!しかし!」
「ほら、行くわよオルスバン」
「ワタシはフィリルです!名前みたいに言わないで下さい」
僕は、飛竜の角笛を吹いた。
今回は色々話を吹っ飛ばしたかも知れませんが、とりあえず草原の旅が一区切りです。




