虎に会いました。
昨日投稿するはずが、すみません。
短めなのに遅くなりました。
森から出てきたのは、黒装束の人達だ。口元に布を当て顔はわからない。
「誤解があるようだから、先に言っとくよ。アタイ達は道に迷ってこの虎に襲われただけさ。ちなみにここは森のどの辺りだい?黒の森の近くかい?」
「そんな誤魔化しはいらないんですよ。我々の姿を見られた時点で、生かしては帰さないんですから」
「そうかい、だがアタイ達の方が強いかも知れないよ?」
「クックック、我々3人を相手に、勝てるわけ無いじゃないですか!」
「ふーん?ほんとにそうかい?冒険者は最低でも4人で活動する事が多いことくらい知ってるだろ?」
『コブン、たぶんその虎、毒のせいで回復しづらくなってるよ』
そうか、僕は解毒の薬を・・・。
って毒の種類がわからないな。
「またはったりですか?私にはあなたが必死に命乞いしているようにしか見えませんよ」
「はったりだと思うかい?ちゃんと隠れてそっちの出方を見てるのさ。にしてもあんた達、虎一匹にずいぶん苦戦してるじゃないのさ?逃げられるなんざね、素人って訳でも無いんだろ?」
「ふん、遊んでいただけですよ」
背中に刺さっている槍を引き抜く。簡単には抜けなくて両足で踏ん張って、全身を使ってやっと抜けた。
虎はグガッて痛そうだった、不器用なので力任せになってしまった。ごめんなさい。
矛先を少し舐めてみる。
ビリビリと舌先にしびれる感覚が広がる。
これかな、僕はその槍に集中して解毒薬を思い浮かべる。
「そうかい?アタイの知ってる密猟者は、毛皮を傷つけないように上手くやるもんさ。でもあんたらは傷なんてお構いなしだ。ちょっと、おかしかないかい?」
「・・・それはあなたが気にする事じゃありませんよ」
小リンゴと青い香草を合成する。
『青の解毒薬』を手に入れた。
虎の傷口から、血を吸い出す。
口の中にピリピリした感じが広がる。
ピリピリが薄くなるまで吸って、吐いてを繰り返す。
その後で、解毒薬を傷口にふりかける。
ジュゥッと煙が上がった。
虎がグッルルルゥって凄く怒っている。
「なんだ、あのゴブリンは?我々の獲物に何をしている!!」
「まぁ、そう慌てること無いだろ?動くと危ないよ?」
レティがそう言うと森の奥から光の矢が飛んできて男の足元に刺さる。
「な!まさかホントに伏兵か!?」
「いったろ?アタイは正直者さ」
僕は最後のポーションを虎の槍が刺さっていた場所にふりかける。
すると傷が綺麗に塞がった。
『レティ、虎の傷治った』
『良いタイミングだね、こっちもちょうど見つけたよ。コブン、思いっきり目つぶって』
僕はすぐに両腕で目を覆い、うつ伏せになって硬く目を閉じる。
それでも一瞬目の前が白くなった。
上から、ぐぅぁ!?クソッ!そんな声が聞こえてきた。
顔を上げると、黒い服の人が3人、顔に手を当て、目がぁ目がぁとか言っている。
レティは居なくなっていた。
そして空から、人が降ってくる。
ドサドサッドサッと3人が重なり、その上にレティが降り立つ。
「あんた達、相当な慎重派だねぇ。援護の2人はすぐわかったけど、もしもの時の連絡役かい?こいつはだいぶ遠くに居たし、捜すのに手間取ったよ。おかげで無駄話までしちまった」
そうなんだ?ってきり僕の時間稼ぎなのかと思ってた。
「んじゃ、身ぐるみ剥ぐかなぁ」
彼等も、目が見えなくてフラフラしながらも立ち上がり、抵抗しようとする。
「クッ!我々に手を出して!」
楽しそうなレティが作業のように、ボゴッと物理的に眠らせる。
全員気絶させ、最初に喋っていた人の服を脱がしていく。
布で声がくぐもっていてわからなかったが女の人だった。
レティは武器を取り上げたり、上着を脱がしたりしている。
「げっ!こいつ王国の密偵だ」
僕は暇なので近くのキラキラを採ろうとして引き返す。
『密偵?』
「あぁ、前に揉めたことがあってな。そいつらとやり口が似てたから、やな予感はしてたんだよな」
レティは、いつの間にか、寝てる人の頭に手をかざしていて、そこに青色の丸い模様が浮かんでいる。
「あー、しかもかなり優秀っぽいな。こりゃ、殺せないな。記憶を消すか・・・苦手なんだよな」
『そうなの?前にアージが家に来た時、冒険者に纏めてやってたよね?』
「アージとかラティキエは、相手の意志や、記憶を操るのは得意なんだけどな。アタイはそういう繊細な操作が必要なのは、苦手なんだよ」
レティが6人を並べて、うーんうーん、っと言いながら一人ずつ頭に手をかざして魔法を使っている。
ホントに苦手みたいで眉間にしわが寄ってる。
炎だしてる時の生き生きした感じとは全然違う。
虎はその間ジッと大人しくしていた。
目がまだ見えないのか、とも思ったけど、僕やレティを目で追ったりしている。
僕は近くのキラキラを取りに行く。
「うはぁ!はぁ、はぁ。思いがけず、良い仕事しちまった。コブーン、終わったから帰ろうか、しばらく虎は見たくないな」
僕は、肩で息をしているレティの所まで駆けていく。
『この人達は?』
「あぁ、まぁ取りあえず、アタイ達の記憶は消えたから、ほっといて良いんじゃない?しばらくすれば元に戻るよ。それよりだいぶ明るくなってきたし飛んで帰ろ!もうアタイ、今日は肉食べて、すぐ寝たい」
『でも、肉もう、ないよ』
「あー、もう無いのか、・・・生ハムがあるじゃん!」
僕は首を横に振る。
「コブーン、お願い!もう街に買いに行くとか面倒だしさ!ね?」
レティが、珍しく下手に出る。
僕が答えようとしたとき声がかかる。
「・・・まって」
ん?レティと僕が顔を見合わせる。今まで聴いたことの無い声がした。
「・・わたしもつれてって、あなた強い、わたし、したがう、たすけて」
声の方には人が居た。
でもそこは、さっきまで虎が居たところだ。
そういえば、どことなく人と虎が合わさったような姿かも知れない。
「・・・やだよ。2人も持って飛ぶとか面倒だし、虎にはしばらく関わりたくないしな」
「わたし、かりじょうず、にく、たくさんとれる」
「・・・肉が・・・沢山だと!?」
レティが、僕を掴み、反対の手を虎の人のお腹に手を回し、小脇に抱えて一気に飛び上がる。
・・・2つの悲鳴と1つの鼻歌が森の空に響いた。
もっと人の姿などを描写した方が、わかりやすいのかもしれません。
でもゴブリンは、人と価値観が違うので、注目するところが違うのかもしれません。
そういう所をまだまだ表現しきれていませんが、皆様の温かい心で見守っていただけたら幸いです。
読んで頂きありがとうございます。




