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森の中で野宿します。

短く区切っていますが、お付き合い頂ければ幸いです。

 僕は緑色に光る手で上手くキラキラを採る。

 やっぱり森の中は小リンゴがよく見つかる。

 僕はシャクシャク食べる。

 

 「あ!コブン美味そうじゃん!」


 『レティも食べる?』


 「もち!」


 僕は種と芯の所だけ口でかじり取って残りを上に投げる。それを上手く口でキャッチして食べるレティ。


 「はぁはぁ、なぁんかレティキエさん達、楽しそうですね」


 「なんだよラポラも食べたいのか?」


 「え!?いやぁ、さすがに生の小リンゴはちょっと・・・」


 「お前らモタモタするな!」


 「してないだろ?アタイ達の後ろの方がヘロヘロみたいだぞ?」


 確かに僕たちと大きなエルフの人以外は息もあがっているし疲れてきてるようだ。

 先頭の剣の人は苛立たしげに舌打ちした。


 「少し休憩する!」


 僕たちが彼らとの森の中を歩き始めて半日ぐらいだ。

 太陽が見えないから時間がわかりにくいけど、たぶんもう直ぐ暗くなる。


 「そろそろ野営の用意をした方が良いかと思われるが?」


 大きなエルフさんが辺りを見回しながら言った。


 「そうですか、わかりました。では用意をします」


 テントを用意したり火を起こしたり食事の用意など、皆それぞれの作業をはじめる。


 「アタイ達も手伝おうか?これ外してくれよ」


 「いらんわ、そこでじっとしていろ!」


 何もしてないのは小さいエルフと僕たちだけだ。

 僕たちは暇なので、野良グレープを取り出して一粒ずつ交互に上に投げて口で受け止める遊びをする。

 ちなみに、レティは一度も失敗していない。

 僕は地面に落ちても気にしないで食べる。

 それを横でジッと見ていたエルフが、何か言いたそうだ。

 僕が何となく視線でレティに知らせると。


 「ちびっ子エルフもやるか?」


 「なっ!?やっやらないわよ!そっそんな珍しい木の実で遊ぶなんて信じられな・・・」


 レティが、喋る彼女の口の中へ上手く弾く、エルフは一瞬何か言いたそうにしたが、美味しかったのか。口元が緩む、しかし何故かそれを無理やり引き締めようとして変な顔になる。

 エルフは不思議な生き物だ。


 彼女が飲み込んだのを確認してからレティが今度は口の少し上に投げる。

 少し口を上げれば受け止めれる絶妙な位置だが、何故か彼女はためらって、木の実は顔に当たって地面に落ちる。

 途端、彼女の瞳が潤んでくる。

 僕は落ちた一粒を食べて彼女に一房あげる。


 「お嬢様!?貴様!ゴブリンをお嬢様にけしかけるなど!」


 大きいエルフが駆けてきて、僕を蹴散らすように間に割って入り、まくし立てる。手も武器にかかっている。


 「いいのよ、火の用意が出来たなら行きましょ」


 そう言って彼女は腕を引き離れていった。



 野営の準備が終わると、僕たちは焚き火から離れた木に縛り付けられる。

 レティの体はがっちり固定してるけど、僕のは適当だ。


 「アタイ達の食べ物は?まさか無いとか言わないよね!?」


 「うるさい!さっきから移動中になんか色々食べていただろ!一食ぐらい抜いても死にはしない!」


 暗くなってしばらくした頃、僕の手首を拘束していた緑の光が消える。

 杖の人が寝たのかも知れない。

 僕は袋から、干し肉と木の実、山菜を取り出して誰も見てないのを確認してから合成する。

 少し光ったが、見張りの人もこちらを見ていなかったので気づかなかった。


 『燻製肉の具だくさんスープ』を手に入れた。


 僕は縄を抜け出してレティに持って行く。


 『レティ?寝ちゃった?』


 『起きてるよ。ありがとコブン、手が動かせないから食べさせて』


 僕は何度か冷ましながらレティに食べさせる。


 『レティ寝られそう?』


 『なんで?』


 『ハンモック無いと寝られないって前言ってた』


 『あー、うん。大丈夫、2、3日寝なくても平気だしね』


 『まえ、寝るの大切言ってた』


 『あー、あれは魔力が無くなった時。魔女は寝ないと中々魔力が回復しないんだ』


 『そっか、じゃあ僕戻る。またね』


 そう言って戻ろうとした時、レティが珍しく焦ったように言った。


 『コブン!』


 『どうしたの?手痛い?縄緩める?』


 『おかわりは?』


 僕は戻るまでにもう2回合成した。



 朝日が昇る前、まだ辺りが薄暗い内に目が覚める。

 焚き火の方を見てみると、見張りの杖の人が居眠りしている。

 火も消えてしまっていた。

 僕はこっそり移動して近くのキラキラを採る。

 その時、森のすぐ近くでカサカサッと音が聞こえた。

 兎だ、ジッとして草を食んでいる。

 大きさは僕より小さい普通の兎だ。

 僕は近くの石を拾い、袋からスリングを取り出す。

 これは、紐の間に石を挟んでグルグルすると石が勢い良く飛んでいく道具だ。

 家の周りにはレティの結界で動物はあまり入ってこないけど、こんな時の為に作っておいた物だ。

 4個作って1番強く光ったもので、レティに色々な付与魔法をかけてもらった。

 お陰で、振り回して加速させても風切り音がしなかったり、当たりやすくなったり威力が増していたりする。

 ただ、相手を殺すことは出来なくなっていて気絶までしかさせられない。

 さらに、僕より大きい相手には軽石を投げられた程度のダメージしか与えられない。 

 レティが言うには、魔力で良い部分を作れば、違う部分悪くなるらしい。

 でも、ラティキエならそんなこと無いかも知れないけどなって言っていた。


 僕は慌てず兎の真後ろにゆっくり移動する。

 それからスリングを回す、狙いは後頭部だ。

 兎が頭を少し上げる瞬間をグルグル待つ・・・。


 いまだ!っと思った瞬間に石を放つ。

 けど石は狙いを逸れて兎の耳の上を掠める。っと思ったら直角に曲がって兎の頭に当たった。

 ・・・これは、あまりの不自然な出来事にかたまってしまう。

 当たりやすくなるってこういう事なんだろうか。魔法って怖いな。

 ウサギは気絶しているだけなので、ナイフを取り出し急いで向かう。

 ふと視線を感じて振り返ると、レティがめっちゃ笑顔で親指を立てていた。

 もしかしたら、レティが石の動きを曲げたのかもしれない。


 僕は兎をしめて処理している時、急にわきに衝撃が走る。

 視界が回り地面に落ちる。ブギャって感じだ。

 痛みはそれほどなかったが、周囲を見回して剣の人に蹴られたとわかった。

 兎から3メートルぐらい離れていた。


 「ふん、ガキのゴブリンが逃げ出しやがって、おら、あっちの木に行け」


 そう言って剣を突きつけてくる。

 僕は落とした道具を袋にしまってすぐに剣の人に言われた場所に行く。

 振り返ると、剣の人は取った兎を自分の背嚢はいのうに吊るしていた。

 ゾクッとしてレティを見ると一切感情を浮かべていない顔になっていた。


 『レティ、大丈夫?』


 『コブン、アタイは思うんだ。コブンとアタイは相棒だ』


 『うん、そうだね』


 『だから、コブンの物はアタイの物だ。アタイの物もアタイの物だ』


 『・・・うん?そうかな』


 『・・・それをアイツは!アタイの兎を!』


 僕は怒っているレティ足をポンポン叩いて意識を呼ぶ。


 『レティ、あの兎まだ血抜きが終わってない、みて』


 背嚢に吊るされた兎を指す。そこから少しずつ地面に跡を残していく。


 『あのままじゃ美味しく無くなるし、他の獣を呼ぶと思う、教えてあげて』


 『ほぉ、それはいいね。実にいい。あの餌で大物を釣るか』


 レティがいきなり僕と飛んだ時みたいな、いたずらっぽい顔になった。


 それからすぐに辺りは明るくなり出発する。

 また僕とレティは真ん中だ。

 剣の人は大きいエルフさんと二人で先頭に立ち、道を作りながら進む。

 彼の背嚢から地面やせり出した木の枝などに跡が付いていく。

 僕は最初大丈夫かと心配だったが、レティが楽しそうだからあきらめた。

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