登録完了しました。
すみません、ほんと自分には早く書くとか無理でした。
「あらあらぁ?これはどういう状況かしら?」
通りの方から声が聞こえた。
おじさんが魔狼の爪から解放される。
かなり傷が深いみたいだ。
「なっ!認識阻害の魔道具を使ったはず!」
「まぁ、当店の商品をご利用いただきありがとう~。でもぉ?私の魔道具よ?製作者に効くとお思い?」
「クッ!ラティキエ!キサマがなぜここに」
「はぁ、あなた何もわかってないのね?」
「なんだと!」
「あなたが私から服従の首輪を買った時から観てたのよ?」
「なんの話だ!」
「私はね?あなたが思っている以上に目がいいの。あなたがパーティの犠牲と引き換えに格上の魔狼を使役したことも、さらに強い雄の魔狼を使役しようとして街中で暴走させたことも、もちろんその時それを討伐したチコリに逆恨みしたことも全て観てたのよ」
「なっなにをばかな!?そっそんな訳あるか!!」
「あら?なぜそう思うの?」
「わっ私は!あの欠陥魔道具を売ったお前にこそ復讐するために・・・」
ラティキエがにっこり笑って言葉を遮る。
「すべて筒抜けとも知らず、セコセコ悪事に手を染め私を殺そうとする様はとても楽しかったわ。そうね、ここ最近ではあなたが1番のお気に入りかも知れない。愚かな道化という意味でね」
「ばかな!認めん!認めんぞ!!やれ!」
魔狼は動こうとしなかった
「なっなんだ!あの女をやれ!なにをしている!」
「チコリにすら劣る低俗な魔獣が、私に立ち向かえるわけ無いじゃない?」
ラティキエがゆっくりと眼鏡の人に近づいていく。
「クックソ!すべて知っていたというなら!!なぜ今になって邪魔をする!」
「・・・あなたが分を越えたからよ。道化の分際で、私のレティを煩わせるなど看過できるはずがないわ!」
本人も思ったより感情的な声だったためか咳払いして声音を整える。
「それにあなたは知るべきね。愚かな者を主と仰がなくてはいけない苦痛を道具破壊」
ラティキエが、唱えると魔狼の首輪と前足のギルド証が砕け散る。
「ヒィッ!」
「あなた達にはサブキャストという意味で満足しているわ、解放してあげる。好きになさい」
でも魔狼の彼女たちは眼鏡の人とラティキエの間に立ちラティキエと向かい合う。
なんとなくその意味が僕にはわかった気がした。
「あら?これは予想外、まさか私の邪魔をするの?」
『彼女たちは眼鏡の人に恨みはない、森へ返してほしいだけだって』
「・・・愚劣なゴブリン風情が!私に汚らわしい思念を飛ばすな!」
怒られちゃった。
「コ・ゴメン」
「クッ!!なぜ・・レティがお前の様な僕を・・・!そうでなければ八つ裂きに・・・!」
ラティキエが拳を震わせて感情を抑え込んでいるみたいだ。
眼鏡の人が僕の方へ走ってきて、首にナイフを突きつける。
「そっそうだ!ラティキエ!!こいつが死んだら困るはずだ!お前の姉妹の魔物なのだろう!!」
ラティキエは目が点になっている。
「・・・クックックッ!アハッアハッハッハッハ!はぁあ、道化も極まれば毒気が抜けるわね」
「なっなにを!?」
「はぁ、あなたは想像以上の道化ね。愛すべき愚者だわ。・・・魔狼よ」
呼びかけると彼女たちは首を垂れた。
ラティキエは彼女たちに向かって手をかざすと白い光の輪が浮かぶ。
「今使ったのは認識阻害の魔法、効果時間は今から一日ほど、吠えたり人に触れれば気取られる程度のものよ。住処へ帰りなさい」
「おっおい!私の話を・・・」
「あなたの事が気に入ったわ。私に仕えなさい」
「だっだれが貴様なぞに!!」
「そう?でも人の心ほど移ろいやすいモノはないのよ?さぁ、私の瞳を見つめて・・・」
狼さん達が影に溶けるように消えた。
眼鏡の人とラティキエは仲直りしたみたいだ。
僕はおじさんのところへ行く、爪がえぐったのか体からも口からも血が出て道を赤く染めている。
意識はないが、脈はまだあった。
「それはもう無理ね。助からないわ。どきなさい」
僕はレティの事が一瞬頭をよぎったが小リンゴと山菜を取り出す。
一瞬僕の手の中がパァッと輝く。
『中級ポーション』を手に入れた。
「なっ!?合成の異能!?」
僕は手の中に現れた液体の薬をおじさんの傷口に振りかける。
そこからシューっと一瞬白い煙が出て次の瞬間には傷がふさがっていた。
「ゴブリン、どきなさい。傷をみせて」
僕がラティキエに場所を譲ると、ラティキエは白く輝く手をかざす。
「驚いたわ、完治させたのね。・・ライトポーションではない・・・そう、そうだったのね。だからレティはあなたに・・・」
「ナボッダ?・・ボ・オ・・」
「えぇ、治っているわ。いいわよ、思念使っても・・・」
『ありがとう、今の内緒にして、レティと約束した街中で合成しない』
「あら?そうなの?いいの私に知られちゃって?」
『・・・約束したのラティキエに会った後、だから・・たぶん大丈夫』
「まぁ、そうなの。あなた名前、何だったかしら?」
「コブン、デズ」
「そう、コブンね。今までごめんなさい。私、あなたに冷たい態度だったわね」
『大丈夫、僕弱い、ほんと』
「フフッ、相手の価値を値踏みし過ぎるのは私の悪い癖なの。許してね」
『大丈夫』
「じゃあ、その冒険者は私の方で預かるわ。傷は治ったけど、心のケアをしなくちゃね」
「ワガッタ」
ラティキエがパンパンっと手を鳴らすと通りから男の人達が4人来て、おじさんを運んでく、どことなく眼鏡の人のように目がうつろだ。
「コブンちゃん、あなたは彼と一緒にギルドへ戻って。レティシアが、もう待ってるかも知れないわ」
『わかった。ラティキエ、助けてくれてありがとう』
「いいのよ、またお店にいらっしゃい、あなたならいつでも歓迎よ」
その後ギルドに戻ると登録はあっという間に終わった。
僕は眼鏡の人からギルドの保証を示すプレートの着いた腕輪をもらい。それをローブの上から二の腕に着ける。
これで街中でも君が危険ではない証になると言われた。
僕はありがとうと言って別れた。
レティがまだ来ないので、ギルドの前の邪魔にならないところで待つことにする。
中は人の出入りが多くてなんとなく居心地がよくないからだ。
最初に来た時よりたくさんの人の出入りがあった。
そんな人たちを見ているのは楽しかった。
・・・でもレティは日が沈んでも来なかった。




