森で一夜明けて
また、冒険者とココナ達の話です。
今回はちょっと予定してた話とずれてしまいました。
よろしくお願いします。
森で朝早くに目が覚める。
まだ、うっすらと明るくなってきたころなので、日は昇ってないだろう。
頭を振って、目を覚ます。
「我が求めに応じ、朝露よ我が手に集え、トゥリクル」
小声で詠唱し、布を少しだけ魔法で湿らせる。
本来詠唱なんて必要ない習練魔法を、隣で寝ている双子を起こす危険を冒してまで、わざわざ唱えたのは、テントを二度と水浸しにしないためだ。
布で、手早く顔を洗い、汗を拭う。
身支度を整えテントから抜け出し、布を絞る。
物音に革鎧を着た戦士のイニクスと、アンジュリーナのローブを着た魔術師のポルフィが、チラッとこちらを見たのがわかった。
昨日した焚火の炎はまだ燻っていた。
正直、彼女達が焚火をすると言った時には驚いた。
確かに、焚火をすれば温かいモノを食べれるし、汗で汚れた衣類などを、干すこともできるので、利点は多い。
しかし、ここは魔物の領域だ。
夜こそ攻撃的な魔物が多く徘徊する森の中で、火を焚き食べ物の匂いを出すなど、襲ってくれと言っている様なモノだ。
それを出来るからこそ、ベテラン冒険者だと言うことなんだろう。
事実、昨日の夜にポルフィが張った結界は学園で習ったモノより遙かに優れていた。
「はやいのね」
視線に気付いたのか、ポルフィが声をかけてきた。
見つめるつもりは無かったが、つい考え込んでしまった。
「はい、おはようございます」
「おう、おはよ」
胡坐をかいて、目を閉じていたイニクスが、こちらを見て片手を上げて声をかけてくる。
「ありがとうございます。ゆっくり休ませて頂きました」
イニクスは少し驚いた顔をしたあと、ニヤッと笑って。
「ココナは、あまりポーターやったこと無いのかい?」
「え?っと、・・・はい、今回が初めてです」
ダメ出しでもされるのかと思ったが、隠してもしょうが無いので素直に頷く。
「なら、わからないかも知れないけどな。本来ポーターは、自分たちの食い物位しか気にしなくても良いんだよ。大きな依頼ならそれすら必要ない事もある。後は無事、荷物を街まで持ってくれりゃ誰も文句は言わない。だから、夜警の心配までしなくていいんだよ・・・」
「・・・でも、それは・・・」
「まぁ!昨日、助けられた身としては、偉そうにこんな事言える立場じゃ無いけどな」
「・・・ほんと、それ」
「お前だってその内の1人・・・」
・・・2人の言い合いを聞き流しながら、自問していた。
自分はなぜ反論しようと思ったのだろう?以前草原でポーターを頼んだ時は自分もそう思っていたはず。
でも、面と向かって何もしなくても良いと言われると納得できない・・・。
「・・・それは、あれだな・・・」
「・・・ココナは良い冒険者になれそう。そして早く死ぬ」
「おい!?」
「・・・間違えた。早死にする」
「なおってねぇよ、ってか言葉を選んでやれよ」
質問してみたら、中々きつい返事が来た。
「理由を教えて頂けますか?」
「責任感があるのは良いことさ、昨日の機転もそうだし、そう言う意味ではリーダー向きだな。だが、あれもこれもってのは良くない。人、独りに出来る事なんてたかが知れてる。任せられるところは他人に任せないと、背負い込みすぎて潰れちまうのさ。どんなに足掻いたって、独りでドラゴンを殺せるヤツなんていないんだからな」
「・・・なるほど、たしかに」
「あら?なぁに楽しそうに話してるの?」
アルルスが声をかけてきて、それからポツポツと、皆が起きてきたので、2人にお礼を言って出発の準備をすることになった。
読んで頂きありがとうございます。
なんか作者の中でもいまいち、まとまらず会話の意味がわかりにくかったかも知れません。
申し訳ありません。




