レティの行方です。
今回は、人によっては残酷と思われる表現が含まれます。
食事中の方、優しい方などはご注意ください。
よろしくお願いします。
僕とチコリが輪に入れないで待っている間に、ライシェラとエンバ達がすっかり仲良くなっていた。
お互いに筋肉の形とか褒めあったりしている。
ライシェラはムキムキじゃないけど、フッキン?とゼンワンキン?のほっそりしつつもしっかりした肉付きに、拘りがあるらしい。
エンバ達は、ソウボウキン?が歌っているとか、カーフが大きいとか、色々言っていたけど、すでにそれがどこの事なのかなぞだ。
意味が分からない上に、僕のひょろっとした腕じゃわかる事はたぶん、無いんだろうなって思う。
草原のゴブリン達の時もそうだったけど、ライシェラは人に好かれるタイプなんだと思う。
フィリルもライシェラ大好きみたいだし。
結局その後、僕たちをエンバの村へ案内するという話になった。
僕がビエラヤの事を伝えると、ならばと数人大きい人を残しておいてくれるらしい。
彼らに囲まれるように案内された村は、遺跡の崖の近くにあった。
たぶんだけど、少し遠回りしたみたいだ。
ちなみに、昨日僕たちが降りた場所からはかなり離れているみたい。
集落には、子供や女の人が沢山いた。
そして、ズゥーン、ズゥーンっと少し揺れていた。
エンバが女の人達に訳を聞くと、レティシアが飛んできて、ロワって人を連れてどこかへ行ってしまったらしい、それから地面が揺れ始めたと言う。
レティが暴れてるんだと思う。
レティ達が行った方に僕たちも向かう。
しばらく行くと、遠くから誰かの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
なんとなく、嫌な予感しかしない。
沢山の木々が薙ぎ倒され、開けた場所に出ると、そこにはレティと大きなドラゴンがいた。
そこに着いて見えた光景は、巨大なドラゴンが暴れたせいか、荒れは果てた地面と、そこに横たわるドラゴン。
そして、そのドラゴンの顔の上に乗って、自分より大きな目玉を凍らせて抉り取っているレティの姿だった。
聞こえるはずないのに、ブチブチと何かが引きちぎられる音が聞こえた気がした。
僕の周りの人達が、息を飲む音が聞こえた。
みんなドン引きしている。
ドラゴンは相当痛かったのか、ブルブルと震えながらも起き上がろうとする。
それは、ドラゴンと言っても、翼は無くて、かわりに背中から大きな腕が生えている。
ワイバーンさんが翼膜をしまった状態に似たその腕は、膜を開く部分が無いので、飛ぶ機能を失っている様だ。
そんな4本の腕をガクガクブルブルと震わせ、頭を振ってレティを引きはがし、上体を起こして叫ぶ。
でもその叫びは、全身に震えが走る様なモノではなく、カヒューって気の抜けた音がしただけだ。
理由は喉に大きく穴が空いているためだろう。
もちろん、やったのは一人しかいない。
上体を起こしただけでも、ワイバーンのクルトさんの倍以上ありそうなドラゴンだけど、みるからにボロボロだ。
全身を覆っていたはずの、茶色い大きな鱗はあちこちが剥げ、半分以上の皮が露出している。
あ、また一枚落ちた。
その鱗が地面に触れると、バァーンっと大きな爆発が起こり、地面が揺れる。
これが村で感じた揺れの正体かもしれない。
爆発の近くに居たレティだけど、周囲が青っぽい光に包まれただけで、特に気にした様子もない。
レティは跳び上がり、皮の露出したドラゴンの胸へ突っ込む。
上半身起こしただけで、見上げるほど巨大なドラゴンは胸から大きく仰け反り、そのまま後ろの方へ仰向けに倒れていく。
大きな四本の手を投げ出し、未の字に倒れこんだ衝撃で、周囲に今まで以上の揺れが襲う。
僕たちがレティの方へ回り込むと、レティは腕を黒く変化させて、ドラゴンの胸を切り裂いている。
ドラゴンは震える腕でレティを捕まえようとするが、大きな氷の槍が8つ現れ、ドラゴンの腕と肩を地面に縫い付ける。
そして、ドラゴンの胸から赤く輝く大きな塊を取り出した。
ドラゴンは最後の叫びなのか、グヒューっと鳴いて動かなくなった。
「レティ待っで!!」
塊を潰そうとしていた、レティに声をかけて駆け寄る。
「あぁ、コブン。来てたのか、今終わったとこだ」
「うん、見てだ。それ、キラキラしてる。良かったら貸しで?」
「あいよ」
レティはそう言って、両手に掲げていた、岩ほどもある塊を持って僕の横へ降りてくる。
そして、それを目の前にドカッと置いた。
僕がその大きなキラキラに触れると、パァッと光って僕の片手に収まらない程の赤く輝く石になる。
・・・偽りの紅石って言うらしい。
「レティ、はい」
僕はその石をレティに渡す。
「ん?ほい、なんか石だな」
「うん、なんがね。何カ所かキラキラあるから、採ってもいいがな?」
「お好きにどうぞ。アタイはムカつくから倒しただけだし、ついでだしどっか食べられる場所ないかな?」
「うーん・・・まっでねぇ・・・」
それから、レティと二人であちこち体を見て回ってキラキラを探した。
大きいから少し時間がかかって、途中からライシェラも来た。
他の人達はその間、待っててくれた。
読んで頂きありがとうございました。
ライシェラさんが戦っている間に、レティシアさんも戦っていたみたいです。




