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ゴブリンの朝は早いです。

 2017年10月7日21時45分ごろ修正しました。

 主な内容は、後半の削除と加筆です。

 ご了承ください。

 よろしくお願いします。

 今日もまだ外が暗いうちに目が覚める。

 場所はレティの寝室だ。

 僕が寝ているのがベットで、レティは隣に設置した吊床ハンモックで寝ている。

 森の中で使って以来、癖になったらしい。

 僕にはレティのベットは広すぎるけど、その半分以上が難しい本で埋まっている。

 『雷の原理』とか『金属の性質』とか難しそうなモノばかりだ。

 レティが言うには「寝る前に読んでたら貯まった」そうだ。

 ゴーレムさん達は、寝室には用が無いと入らないし、レティが片付けなくていいって言ったみたい。

 なんでも、読みかけの本を動かされるのがあまり好きじゃないんだって。

 ちなみに、僕は文字は読めないけど手に取るとなんとなく題名だけわかる。

 中の内容までは分からないんだけどね。


 僕は本を倒さない様に気を付けながら、ベットから降りて外に向かう。

 干してある腰巻を椅子に登って外し、レティからもらった寝間着を脱いで着替える。

 寝間着は洗濯籠へ入れて、レティが革屋さんから買ってくれた帯に着いた鞄を肩に斜めにかける。

 外に出ると空の一部が少し青くなって来たぐらいだ、これからどんどん明るくなる。

 僕は暗くてもモノの形はなんとなくわかるけど、あまり遠くは見えないし色もわからない。

 だからこの時間帯に出来る事はキラキラを探すぐらいだ。


 レティの家は街から離れた森の中に建ってる。

 でも家の周りは魔法で危険な生き物は入って来れない、らしい。

 だから僕がキラキラを採りたいと相談した時、レティは魔法の範囲が分かりやすい様に、さかいの木に目印の紐をつけてくれた。

 それを頼りに森の奥に入り過ぎないでキラキラを探していく。


 キラキラは一度採ると消えちゃうけど、時間や天気等によって色んな場所に現れる。

 家の周りで良く取れるのは時季なのか新芽などの山菜だ。



 今日の収穫はタラの芽や似た者三連星のワラビ、ゼンマイ、コゴミさらに竹も無いのに少しだけタケノコと笹の子まで取れた。

 グルっと家の周りをまわり終わった頃には、小鳥たちの鳴き声も聞こえて来た。

 

 次は朝の水やりと雑草抜きだ。

 僕の背が小さくて、近くの木が高いからか、まだお日様は見えない。

 でも色もちゃんと分かるくらい明るくなってきた。

 ここまで明るくなると、ゴーレムさん達が動き出す。

 外のゴーレムさんは土から出来ている。

 主にレティの薬草園の管理と家周辺の手入れをしてくれている。

 家の周りの雑草を抜いたり周囲の木の枝を払ったりだ。


 薬草園は家の裏にあって、レティが作る薬の材料が植えられてる。

 ここにある薬草を加工すると色々な薬が作れるみたい。

 レティも作業場に籠る前に、グルっとここを回って必要な草を集めてる。

 草と言っても、青や黄色の花が咲いたりしていて綺麗だ。



 僕はこの前、薬草園の近くのひらけた場所に、畑を作ってもらった。

 元々はレティが魔法の実験をしたりするのに使っていたらしい。

 雑草も生えてなかったし丁度良かった。


 僕が森から落ち葉や枯れ枝なんかを集めて、合成すると黒っぽい土になった。

 深い森の中の様な、懐かしい香りがする土だ。


 その黒い土を沢山集めて、広場の土と一緒に、ドガガガガってレティが、掻混かまかしてくれた。

 空中で土と土がグルグル回って混ざり合い、いらない小石などはレティの足元に集まってくる。

 そうして小石が無くなると、黒い土と混ざった土が、地面に戻って行く。

 出来た畑は、フッカフカだった。

 僕が入ると埋まってしまうほどだ。

 ・・・僕の足は短いんだけどね。

 レティならすねの辺りかな。


 植える予定なのは主に食用の野菜だ。

 僕がキラキラから採れたモノにしようと思ってる。

 もし、レティが食べたい珍しい野菜とかあったら、育ててみるのもいいかもね。



 僕はそんな畑を作った時の事を思い出しながら、薬草園の水やりをする。

 さらに寝ているレティを起こさない程度の声で発音の練習をする。


 「ガ・ビ・ヴ・エ・オ、カ・ギ・ク・ゲ・ゴ・・・」


 ここには色々な薬草が植えてあって、それぞれ手入れの仕方が違う。

 いらない枝を切ったり、綺麗に咲いた花を摘んだり、細かな手入れの手順は覚えきれない。

 だから僕に出来ることは少ない。

 土のゴーレムさん達が水をやってるのを、見よう見まねで手伝ってる。

 何となく草や花に囲まれてるのが好きなのかも知れない。

 どことなくスッキリするような気もする。


 それが終わったら畑だ。

 っと言ってもまだ植える前なので、こちらも出来ることは少ない。

 取りあえず、小さめのくわを使ってうねを起こすぐらいだ。


 日が昇ってきたら、家の裏にある井戸屋で手足を洗って、家に戻る。

 井戸とは別に、家の台所にもギコギコって上下に動かすと水が出る道具がある。

 食事の用意は僕がするんだけど、まだ使ったことは無い。

 台所の色々な道具を使いこなすには、まだ僕の背が足りないからだ。

 だから、食事は合成して作っている。

 僕が来る前は木のゴーレムさんが作ってくれてたみたい。

 だけど作れる種類が少ないんだって。


 せっかくだから、朝採ってきた食材を合成する。

 一瞬で出来上がるけど、やっぱり採れたての方が美味しい気がする。

 パァッと光って『山菜定食+5』が出来た。

 ・・・なんかよくわからない数字が頭に浮かぶけど、よくある事だ。

 最初に閃いたのと全然違うモノが出来る事もあるし、合成ってそういうモノみたい。


 そういえば、ドワーフの街で倒れた日の夜、レティから合成はあまり連続では使わない事って注意された。

 続けて使うと疲れちゃうんだって。

 でもまぁ、半時も休めばいいみたいだけどね。


 「ふわぁあ、いい匂いだね。おはようコブン」


 「オ・ハジョ、れてぃ」


 レティは居間に欠伸しながら入ってきて、食卓の椅子に座る。

 その後から入って来た木のゴーレムさんが山菜定食を受け取って運んでくれる。

 僕が自分の分を合成すると、それも受け取ってくれる。

 食卓は僕の背より高いからだ。

 レティの家には、家事全般をしてくれる木のゴーレムさんが2人。

 外の仕事をしてくれる土のゴーレムさんが6人居る。


 土のゴーレムさんは少しずんぐりして大きさはいろいろだ。

 床が汚れるから、彼らは家の中に入ってこないみたい。


 木のゴーレムさんはレティと同じぐらいの大きさで外見も人に近い。

 力も強いし器用で掃除、洗濯などの家事全般をやってくれる。

 土のゴーレムさん達とは逆で、木のゴーレムさんは荷物を運びこむ時ぐらいしか外に出ない。

 レティは魂なんて込めてないから物として扱っていいって言ってたけど、なんとなく僕は物って気がしない。


 僕の分も食卓に運んでもらって、僕は椅子によじ登る。

 その内、椅子に登りやすい様に踏み台を作ろうと思ってる。


 「いただきます」

 「いだたぎまず」


 二人で手を合わせて食べる。


 「うっま!シャキシャキっとした食感に柔らかい香り、コリっとした粒を噛むとさらに違った香りが広がる!!これはなに?」


 『コゴミの胡麻和えだね、クルミの粒も入ってる』


 レティは器用で、僕がはしを使ってるのを見ると、すぐに覚えてしまった。


 「そうか、コゴミか・・・これだけだと少し素っ気ないな。だからこのゴマで香りを付けているんだな!・・・この汁もうまいな。汁からほんのり香るこの表現しきれない深い味わい、それを山菜の食感が引き立てているんだな!」


 『ワラビと笹の子の澄まし汁だね、たぶんアゴ出汁』


 レティはあまり、笑ったり喜んだりってしないんだけど、食べている時は表情がコロコロ変わる。


 「アゴダシ?」


 小首を傾げて、不思議そうにしている。


 『空飛ぶ魚からとった旨みかな・・・たぶん』


 僕も見た事は無いんだけど、なんとなく頭に浮かぶことを説明する。


 「なるほど、あいつか!あれがこんなうまい料理に化けるとは奥が深いな」


 レティは思い当たる魚があったみたいで、驚いている。


 「おぉ!これは天ぷらだな何度か出て来た」


 『タラの芽の天ぷら』


 レティは素材そのままの味を楽しみたいらしくて、薬味やタレをつけないで食べる事が多い。


 「おぉ!外はカリッと中は柔らかくホクホクっと!?って苦いぞ!」


 『その隣にある天つゆにつけて食べてみて』


 なんとなくそんな反応が返ってくるって思ってたので、考えてた事を言う。

 僕だけなのかゴブリンだからなのか判らないけど、僕には全てが美味しく感じる。

 もちろん苦みや渋み、酸味なんかも感じるけど、それら全部が美味しいと思う。

 採った山菜の灰汁抜きをしなくても平気なぐらいだ。


 「あ、苦みが薄くなった。意外と癖になる香りだな」


 『じゃあ次はその横の塩で』


 それでも、こうした方がもっとおいしい、ああしたらどうだろうって考えが浮かぶのは不思議だ。


 「おぉ!この苦みと香りがたまらんな!ってなんか誘導されている気がする」


 『新たな味覚の発見だね』


 レティが少し不満そうな声を出す。

 でも顔は笑ってる。


 「この色のついた粒々に入っているのは?コリコリしていて美味い・・・って粒々美味いな!」


 『ゼンマイとタケノコの炊き込みご飯、よかったら僕の分も少し食べる?お腹いっぱいになってきた』


 僕は体が小さいからか、レティ程は食べれない。


 「食べる!これはいくらでも食べれてしまうよ!」


 って言っても、レティも普段は大食いってほどじゃないけど。


 『そういえばレティこのタケノコ、僕の畑の隅に少し植えてもいいかな?もし大きくなればちょっとした林ぐらいに広がるかも知れないんだけど』

 

 「いいとも、こんなうまい物なら大歓迎だ。にしてもコブンが作るものは今まで味わった事ないものが多いね!」


 まぁ、採れるのは今時期だけかもしれないんだけどね。

 レティが食べる時はいつもこんな感じだ。

 僕が居なくても一人で喋ってる事もある。

 食べ物にうるさい、というより色々こだわりがあるみたいだ。



 「・・・コブン、全部完食して言うのもなんなんだけど草とかばっかりだな。なんかこう・・・足りない気がする」


 レティが食後の、お茶を飲みながら突然そう言った。

 ・・・あれだけ喜んでたのに。


 『わかった、釣りに行く』


 レティの家から少し離れた場所に川がある。

 そこまで大きな川じゃないけど、きっと魚は居ると思う。

 今度、竿用に竹を植えるのも良いかもね。


 「いや、近くに川はあるけど意外と流れも速いし、危険な場所だよ」


 『わかった、罠作る』


 結界の外に落とし穴でもつ・・・。


 「・・いやいや、結界の外は結構大物も多い、簡単な罠じゃ壊されちゃうよ」


 『・・・そっか、じゃあひと狩り行く?』


 まぁ、狩るのはレティだけど。


 「・・・いやいやいや、悪い案じゃないけど!その自給自足的な考えから少し離れて?街に買い物に行こう?一番近いし!手軽でしょ?」


 『わかった、用意する』


 ・・・そっか、思いつかなかったな。

 この前、街の中で嗅いだいい香りを思い出す。

 うん、楽しみだ。

 僕は背負子を背負って準備する。


 しばらくして降りて来たレティは、ピッチリしたズボンを穿いて、腕の出たパリッとした服を着ている。

 レティはピッチリとした動きやすい恰好が好きみたいだ。

 でも腕は出てるのに、手には指の空いた手袋をしている。


 「お待たせ、じゃ行こっか」


 この家は街より小高い場所にあるので、片道で半時ほどの下り坂だ。

 僕は、足早に下り坂を目指す。


 「・・・コブーン、歩かないよ?」


 レティの声を背に受け、僕は駆け出す。

 でも、一瞬で追いつかれて背負子を掴まれる。


 「クギャ」


 グンッと頭を押さえつけられた気がした後には、お腹が持ち上げられるような感覚が襲ってくる。

 っと言うより落ちている。


 『・・・レティ・・・ヒドィ』


 僕は地面に両手をついて、深呼吸してびっくりしている体を落ち着ける。


 「気にしない気にしない、ほら行くよ」


 レティは背負子を持ち上げて、歩き出す。

 僕の手足はプランと地面から離れてしまう。 

 こう持ち上げられると、抵抗は無駄だ。

 僕はレティに運ばれるまま、体を落ち着ける事に努める。


 街の周りには大きな壁があるから門を通らないと入れない。

 今回で街に来るのは二度目だけど、門を通るのは初めてだ。

 そこには、見上げる程高い石の壁が悠然と佇んでいる。

 その壁をくり抜くように穴を開けたところに、鉄の格子と木の扉を付けた門がある。

 人が何人も横に並んでも楽々通れそうな広い門では、剣を腰に差した人達が街に入る人を調べている。


 『レティ?なんで飛んで街に入らないの?』


 僕は前の荷馬車の検品を待ってる間、少し不思議に思ったことを聞いてみる。


 『ん?前回は特別だったの。本来は門の所でもらえる通行証が無いと入れない。もし通行証が無いのが見つかったら、牢屋行きだよ』


 レティが、他に待ってる人がいるからか、念話で教えてくれる。


 『そうな・・・』


 「次の方、前へ進んで!」


 僕たちが話していると、門の人に大きい声で呼ばれる。

 すると後から、数人の人達が歩いてきて押し退けるように僕達の前へ出る。

 僕は背中をドンッと押されて、羽織っていた外套代わりの布がハラリと地面に落ちる。


 「なんだぁ?ってぅお!ゴブリン!?」


 後ろから来た人達が僕を見て驚き、武器に手をかける。


 「アタイの使い魔だ」


 レティが僕とその人達の間に入る様に前に出る。


 「はぁ?ゴブリンが使い魔?くっ!まさか冗談だろ?くっはっはっはっは」


 僕にぶつかった人達は、楽しそうに笑っている。

 「まさか、ゴブリンとか」「ゴブリンに勝つのがやっとって?」「どんだけ雑魚よ」

 口々に言い合ってその度にドッと笑いが起こる。


 「ゴブリンなら、つい最近オレ達が巣を滅ぼした所さ。雑魚過ぎて束になっても・・・ってなんか見覚えがあるな?」


 「・・・いくよ。コブン」


 レティは無視して門の方へ行こうとする。


 「待てよ。どっかで会った事あるだろ?」


 先頭の体が大きな人がレティの前に回り込む。

 鉄の胸当てを誇張するように通せんぼする。


 「あ!森の中で襲って来たヤツじゃないか?ゴブリンの巣を潰してすぐに仕掛けてきた!?」


 後ろに居た弓を担いだ人が何か閃いた様にそう言った。


 「あぁ!そうだ!そうだよ。あの時はボロボロでわからなかったが、確かに!」


 レティが無視して横をすり抜けようとすると、腰から剣の鞘を引き抜き、その腕で道をふさぐ。


 「今晩食事に付き合ってくれよ。そうだな、全員にお酌でもしてくれ。そうしたらこの前の事は水に流してやる」


 そう言って周囲を見回すと、周りの人達がゲラゲラと笑った。


 「さっきから何を言っているのか分からない。さっさとどけ」


 レティが腕をかわして通り抜けようとする。


 「おっとおっと、襲われたのを水に流そうってんだぜ?断るならそれなりの対応になるぞ?」


 鉄の胸当ての人は更に横にずれてゆく手を阻む。


 「あっあの!冒険者殿、この様な場所であまり物騒な事は・・・」


 離れた所で様子を見守っていた門の取り調べをしていた人から、恐る恐るといった感じで声がかかる。


 「ぁあ?あ、いや。心配いらない、こいつも冒険者だ。街の衛兵は冒険者同士の揉め事には口を挟まないはずだよな?」


 胸当ての人はレティの腕輪をチラッと見た後、首を横に振り顔を後ろに向けてそう言う。

 そういえば、胸当ての人もレティの後ろを囲んでいる人たちも同じ腕輪をしてる。


 「どけ、何度も言わせるな」


 レティが低い声で目の前の相手を睨む。


 「・・・ぉぃぉぃおい!ちょっと顔が良いから下手に出てりゃ随分だな!オレ達があの時退いたから勘違いしちゃったのか?あの時はオレ等も連戦で疲れてたから面倒で退却しただけだぜ?ゴブリンしか使役できない雑魚が粋がっていい相手じゃねぇんだよ!」


 そう言って胸当ての人は、レティの横に居た僕を蹴る。

 いきなり自分の何倍もある相手に蹴られて吹き飛んでしまう。

 痛くは無かったけど、グベッて地面に転がる。


 「・・・はぁ、冒険者同士は争わないって事になってなかったか?」


 レティはチラッと僕を見た後にため息をついて、そう聞き返す。


 「なぁに、中級冒険者が下級冒険者に稽古をつけてやるのはよくある事だ。それにゴブリンはゴブリンだ。殺した方が人様のためだぜ。そうだろ?」


 「あ、あぁ・・・けどよ・・・」


 胸当ての人が一緒に来た人たちに同意を求めるけど、他の人達は反応が鈍い感じで、さすがにやばくないか?って小声で言ってる。


 「・・・そうか、なら死なない程度に相手してやるよ」


 レティが怖い声でそう言うと、レティの片手から炎が噴き出す。


 「なっ!?魔術師か!」


 胸当ての人は慌てて後退り持っていた鞘から剣を抜く。

 周囲の人達も遅れて武器を構えようとする。


 「・・・アタイ一人に中級冒険者様全員で稽古してくれるのかい?そりゃ光栄だ」


 周囲の人達はお互いに視線を見合わせて武器を下げる。


 「チィッ!この距離で、魔術師風情が勝てると思うな!!」


 胸当ての人がレティ目掛けて振りかぶり、一気に切り下す。


 「お!?おい!!」


 周囲の人もさすがに驚いたのか慌てた声を出す。

 そして地面には真っ赤な液体が降り注ぐ。


 「なっ!?」


 その液体は、赤く光っていて煙が出ている。

 レティが庇うように出した燃える手に触れただけで剣が溶けてしまった。


 「ひぃぃ!?やっ!やめ!」


 胸当ての人が大勢を立て直す前に、レティはその胸当てに触れる。

 ボタタッと鉄の胸当ても溶けて地面に落ちる。

 でも、上半身がむき出しになってしまった人の体はどうにもなってない。


 「そんな情けない声を出さなくても、溶かしたのは武具だ・・・」


 そこまで言ってレティが急に森の方を振り返る。

 視線の先に居た周囲の人達はズザザッと後退る。


 「コブン、おいで」


 レティは、僕の背負子を掴むと、門とは逆の森の方へ駆け出す。


 『どうしたの?』


 『だれかが、アタイの結界に穴を開けたのさ』

 読んで頂きありがとうございます。


 門番の話を消したのは、今後の展開的にも彼らの出番が無さそうだったからです。

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