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そろそろ食事したいと切に願う

目をさますとそこは知らない場所だった

目に映るのは見知らぬ天井


簡素ではあるがベッドに寝かされているようだ

しばらくぼーっとしていたが、徐々に現状を理解していく


確か、昼間空腹で倒れて

そこから記憶がない。

誰かが運んできてくれたのだろうか?


視線を動かすと窓が見えた

外はすでに太陽が沈んでいるようで、暗い


まだ腹が満たされていないからか動くのも億劫で再び意識を飛ばしたくなるが、足音が聞こえてきたので諦める


コンコンとノックの音が聞こえたが

返事をする前に扉が開かれる。

まだ意識が戻ってないとでも思われたのだろうか?


「…………起きていたのか」


入ってきたのは昼間2人の騎士を叱責していた男だった

そういえば副団長と呼ばれていた気もする。


とりあえず返事をしようとしたが、喉が渇いているからか声が出なかったので、起き上がり、視線だけで挨拶をする。


それを見て察してくれたのか、男はサイドテーブル似合った水差しからグラスに水を注ぎ手渡してくれた。


お辞儀をしながら受け取り、恐る恐る口をつけると乾いた喉に冷たい水が染み渡る


「あ、あーー。ありがとうございます」


短く発声してからお礼を述べると男は小さく頷く



「体に異常はあるか?」



昼間のような威圧感はないが、無表情であるからか冷たく感じる

しかし、それがこの男のデフォルトであるような気もするから不思議だ


「特にありません。助けてくれてありがとうございました。……それで、ここは…?」


なんとなくこの男は自分から状況を説明してくれるほど饒舌ではないと感じたためとりあえず、思ったことを聞いてみる


「ここは第二騎士団ミターナ支部の仮眠室だ。……自分が倒れたことを覚えているか?」


それに頷く


「そうか。俺は第二騎士団副団長兼ミターナ支部長のエドワード=ダグラスだ。…あなたの名を聞いてもよろしいか?」


意外と饒舌だったようだ

自分から名乗ってくれるとは……


それにしても第二騎士団副団長兼ミターナ支部長って肩書きが長い……無難にフクダンチョーさんと呼んでもいいだろうか?

カタカナで副団長というのはなかなか面白い響きだと思う。


「申し遅れました。私は……ルチア、と申します」


一瞬迷ったが偽名は使わないことにした

そうか、とフクダンチョーさんは頷く。


「とりあえず今日は倒れたばかりであるし、時間も遅い。家まで送っていこう」


親切な発言に感動するがよく考えるとまだ宿はとっていない。

時間も遅いらしいし、果たして女性が一人で止まっても問題ない料理が美味しくて質の良いベッドがある部屋は取れるだろうか?


そのことをフクダンチョーさんに伝えてみる


「難しいだろうな……。しかし、この仮眠室もこれから夜勤の奴らが使うだろうし……」


他人の事なのに真剣に考えてくれるフクダンチョーさんを本当に尊敬したいと思う。


「一晩くらいならなんとかなると思いますし、大丈夫ですよ。迷惑かけてすみません。ありがとうございました」


そんなフクダンチョーさんを悩ませるのが申し訳なくて、元気よくベッドから飛び起きようとしたのだが、またもふらつく。


そういえばまだ食事をとってない。


フクダンチョーさんに支えられる結果となった。




何時になったらルチアはご飯が食べられるのか……?

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