探しモノ
気まぐれ更新 亀更新
この作品は
作者の自己満足の結晶ですので悪しからず
私には探しモノが、あるの
それは冷たくなくて暖かい
それは硬くなくて柔らかい
それがあると落ち着けて
また頑張ろうって思えるの
どこに、あるのかしら_________________
☆ ☆ ☆
ミターナの街は
大陸一の大国アルトノアの王都に次いで有名だ
観光の名地であり人の出入りが激しい
とある真夏の猛暑日
今日もたくさんの人がミターナに入り出て行く
その中で一際怪しい黒いフードを被った小柄なモノが、ミターナに入るために関所を通ろうとしていた____________
「お?なんだてめえものすごく怪しい奴だな
ここ通る気あるのか?……つーか、暑くないのか?」
関所を守る騎士の一人がその人物に声をかける
その人物は犯罪歴がないかを見極める水晶に手をかざしながら答えた
「これは集めた熱を冷気に変える事が出来る優れもののフードなの。これを脱ぐと逆に暑のよ…怪しいのは自覚してるわ」
フードの主は肩をすくめた
聞こえてくる声は涼やかで凛としていて、小柄な割には大人びているようだ
「へー あ、犯罪歴はないみたいだな
じゃあ身分証持ってるかー?」
自分で質問しておきながら興味がなさそうな騎士だが、悟られないように警戒はしているようだ
フードの主は冒険者が持つギルドカードを見せる
「若けーのに、もうCランクなのか すげーな」
冒険者は変わり者が多い事を知っている騎士は
少しだけ警戒を解いた
「ただ淡々と仕事をこなしていたら上がっただけよ…
もう通っていいのかしら?」
フードの主は事も無気に言う
ものすごくだるそうである
「おーいいぞー悪さはするなよー」
騎士も犯罪歴がなかったからかはたまたフードの主が
幼そうだからか軽く関所を通す
関所を通ったフードの主は空を仰いでつぶやいた
「ここには、あるのかしら_____________」