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Secret Sanctuary  作者: 空国慄
悪の明星
6/10

悪の明星(1)

「兵隊さんはね……銃を持ってるけど、あれで人を撃ったことはないんだよ」

 耳をすっと撫で、胸に浸透していくような、甘い囁き。

「もう三〇年以上も人が殺されたことはないの。あまりにも退屈な時期が長すぎたわ」

 彼女が言葉を切ると、急に物寂しさが胸を去来する。彼女の声は優しくもどこか刺激的で、私を惑わせる。

 私は彼女の声の虜だ。彼女の声が聴きたくて聴きたくてたまらない。中毒患者のように彼女のことしか考えずにいられない。

「きらいなの。銃を持っているのに、今すぐにでも人を殺せるのに……それを持て余してるような、つまらないヒト」

 私の耳は、脳は、心は、彼女のもの。彼女がいない世界では、私はきっと生きていけない。

「だから“つまらないヒト”、卒業しましょう?」

 私はシエルのものだ。

「リィ、貴女と一緒にこの街を破壊したいの」

 シエルの指に導かれるまま、私は絶頂を迎えた。

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