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私が人間だった頃

作者: リアルー

もともとメラノ族というのは私から始まった。


地上での戦いが激化するなか、私は地下に潜る事を仲間たちに提案した。

戦争をしたいものたちの感情に支配されるべきではないーーー

私はそう考えた。


幾年もの月日が流れた。


細々と地下への道を作り続けた。


理性のなくなった野獣どもに悟られぬよう細々と.....


いつしか私はリーダーと呼ばれるようになった。

賛同してくれる仲間が増えていく。

泥だらけの子供が私にバンダナをくれた。

本来は青らしかったが、彼はグリーンだと言っていた。


ようやく地下住居が完成に差し掛かろうとした時戦争は終わった。


用が無くなればこんなものだろう.....誰かが私の事を軍に報告したらしかった。

私はこの世界に呆れていた。

戦争など関係なかったのかも知れない。

地下に潜って静かに生きたかっただけなのかも。


度重なる戦争に業を煮やしたものたちは私についてきてくれた。

結局それは軍との衝突となった。


多くが死んだ。

特に女子供は追い込まれて自害したと聞いている。


なぜ放っておいてくれないのか不思議だった。

だが私は戦った。

グリーンのバンダナを頭に巻いて戦った。


無駄で小さい戦いだったが、今でも忘れない。

地下を目指し共に死んだ事もいい経験だったな....可笑しいな。

うじが沸いた子供の亡骸は美しかった。

二度とお目にはかかれないようにと神に願った。


死んだ、そう認識している。

数多の遺体の上で目が覚めた時、私は不思議な力を身に付けていた。

手に握られていたバンダナに血で慈愛と書かれていた。


私はそれから宗教家となった。

生きていく為に布教もした。

時代もあってか、幾人かが同居人となった。

性の祭典と化していた。

日夜現実を忘れるように男も女も激しく求めあった。

いつしかこう呼ばれるようになった。

谷野で熱く性交しあう者達.....メラ野族。


チルドレンに選ばれたのはその幾年か先となるーーーー

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