虫の生態その1
シリアスっぽくはありますがシリアルです。
「┌(┌^o^)┐翔太ァ…」
さっきからずっと俺にすり寄ろうとしているこの虫を何とか追い払おうと思って、横に逃げたら
「ってーなオイ!ドコ見てんだ!ぶっ飛ばすぞ!」
なんか金髪のヤクザ風の男に絡まれてしまった。
「めんどくさいなぁ」
はっ!つい本音が!
これはマズイぞ。このままだとDQNに…」
「誰がDQNだって?」
あ、終わった。ほとんど口に出てたっぽい。
くそ!周りに何かしら虫か爬虫類が居ればどうとでもなるのに!
その思考の途中。自分の上半身がいきなり前に引っ張られる。
何が起こったかは一瞬で分かった。
とりあえず胸ぐらを掴まれてるということ、そして恐らく次の瞬間俺にこのDQNが振り上げた拳が振り下ろされるのだろう。
――だが、翔太の予想に反すように事は進んだ。
「┌(┌^o^)┐翔太ァ!!」シュッ
俺の名前を叫んだ虫がDQNの足を思いっきり噛んだ。
するとDQNは若干苦悶の表情になるが、そんな事は些事だ。
身構えて目を瞑ろうとした時、いきなりDQNが体勢を崩し、その場で膝をついた。
「は?」
咄嗟の事に戸惑い、思わずDQNの押さえている足を見る。
少し血が出てる以外には何もない。
見逃してくれるならそれに甘えようとその場を立ち去ろうとした時。
本来この場にある筈の無い異臭がした。
その発生源がDQNの足だと分かり、少し目を凝らして見てみると――
「おいおい……マジかよ」
DQNの足の噛まれた部分から少しずつ色が褪せて―――いや、血の気が引いている。
まるでそこだけ血が通っていないように。
「壊死…か?」
だが俺は一つ忘れていた事を思い出した。
いや、思考のすみに追いやっていたことを引き出した。
この異変に気づいた時、何故それに気づいたか。
答えは異臭。ならその異臭の正体は――――
「腐敗してるっつうのか……!」
――――紛れもない腐臭だった
腐女子が発祥のAAだからこんなモンでいいだろ!
ってことにしといてくださいm(_ _)m