アドレス!
あれからと言うもの、私は涼とよく一緒に帰るようになった。
-ザァァァァ-
「あぁ!雨降ってきたぁ!」
帰り道、急に雨が降り始めた。
私は涼と近くの喫茶店の前で雨宿りをした。
「これ着とけ」
涼は自分の着ていた制服を私に掛けてきた。
「いいよ、別に」
「お前が良くても、俺が良くない!」
「なんで?」
「その、えっとぉ、制服が透けてるから」
「!!!!っ」
私は一瞬にして顔が真っ赤になった。
それから急いで涼の制服を着た。
「ねぇ、雨止みそうにないから喫茶店で止むの待たない?」
「別にいいけど」
ぼそっと涼は呟いた。
「ご注文は何に致しますか?」
「あたしはアイスティー、涼は?」
「コーヒーで、」
「畏まりました。」
注文を終えると私はケータイを出して真由とメールし始めた。
一方、涼は小説を出し読み始めた。
「御待たせしました。」
注文したアイスティーとコーヒーが来た。
私はアイスティーを飲みながらふと、疑問が浮かんだ。
「ねぇ、涼ってケータイ持ってるのぉ~?」
コーヒーを飲んでいる涼が私のほうを見て言った。
「持ってるけど…」
「アドレス交換してっ!」
「どうでもいいよ」
そう言い私は涼とアドレス交換をした。
-ピピピピッ-
涼のケータイが鳴った。
「何だこれ、おいっ遊ぶな!」
ケータイの画面を向け涼が言う。
ケータイの画面には『おバカ(^w^)』っと表示されていた。
「いいじゃんっ!別にぃ~」
笑顔で答える私を見て涼は飽きれた顔でまた、小説を読み始めた。
私はアイスティーを飲みながらまた、真由とメールし始めた。
数分後また、涼のケータイが鳴った。
「誰これ?」
涼は私にケータイのメール見せ言った。
メールの内容は『よろしく!』だった。
「それ、真由だよ!」
「勝手に人アドレス教えるな」
そう言い、小説を直し席を立った。
「帰るぞ」
「え?でも雨が…」
「もう、降ってねえよ」
「あっ!、ホントだ」
外を見ると雨は上がっていた。
それから喫茶店を出て家へと帰った。