驚愕の事実!
「昨日はえっとぉ、ありがと」
私は登校してきた涼にお礼を言った。
「いいよ、別に」
そう言い涼は席に座った。
そうして始まったこの日が後々、大変なことになってしまった。
「ねえ、次の学活って何するの?」
「体育祭のことらしいよぉ」
私は近くにいた子に話しかけ学活の内容を確認した。
聞いたとおり学活は体育祭の応援団や役員などを決めることだった。
話が進むうちに応援団の団員を誰にするかと言うことになった。
もちろん、誰もしたがらないことで、なかなか先に進まない。
そんな時に、クラスの男子が他の男子を指名し、1人は決まった。
あと一人と思ったとき、恐れていたことが起こった。
「夏樹!あんたしてくれる?」
担任が私を指名した。
必死で断ったが結果虚しく私がやることになった。
後日、応援団の練習が始まった。
「こうなるんだったら、部活は入っとけば良かった~」
「しょうがないよぉ夏樹、頑張ってね!」
昼休み、真由は落ち込む私を励ましてくれていた。
放課後、さっそく練習に取り掛かり始め、終わったのは7時だった。
点々と電気が点いている校舎に荷物を取りに行き、帰ろうとしたとき、
「きやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
私は横から来た人に驚き悲鳴を上げた。
「うるせえなぁ~、驚くだろ!」
目の前に立つ涼が言ってきた。
「あんた!驚かせないでよっ!」
大きな声を出し私は涼に対して怒鳴った。
-校舎内にいる生徒は速やかに下校しなさい!-
放送が入ると私は急いで校舎を出た。
外に出ると辺りは暗くなっていた。
「送っていこうか?」
後ろから涼が言う。
「いいっ!」
私は断り帰り始める。
「着いて来ないで!」
後ろから着いて来る涼に言う。
「俺も帰り道がこっちなんだよ」
私は少し顔が赤くなった。
「ねぇ涼、何であんなに遅くまで残ってたの?」
「体育祭の看板と応援団の看板?を描いていたから」
「へぇ~、絵上手いんだぁ」
「今度、見てもいい?」
「本番で見ろ」
「ケチッ!」
そこからは、会話をせずにただひたすら帰り道を歩いていった。
「あんた、何で着いてくんのっ!」
私は自分の家があるマンションの玄関で涼の方を向き言った。
「お前知らないの?俺、ここの1番上のとこに住んでんだよ」
私は驚き、そしてまた顔が赤くなった。
「じゃあね~」
涼はエレベーターに乗り、家へ帰っていった。
それを見て私も家へ帰った。