出会い
「おはよぉ~夏樹!」
「おはよっ!ってもうお昼前だよ!」
そう言いつつ私は真由と一緒に昼食を取った。
「ねえ真由、遊ばない?」
私はトランプを出し真由とトランプを始めた。
-キーンコーンカー…-
予鈴が鳴り私は真由と別れ急いで別室を出た。
慌てて階段を上がっていると前から降りてきた人と勢いよくぶつかった。
私はぶつかった相手に謝り教室へ行こうとしたが、倒れた時の勢いで足を捻ってしまい立てなくなっていた。
「大丈夫?」
ぶつかった相手が心配そうに私に声をかけた。
その時初めて私は相手の顔を見た。
「げっ!」
「げ?」
思わず心の声が出てしまった。
ぶつかった相手は1年の時から小バカにしていた朝垣涼だった。
「動けないの?手伝うよ!」
そう言い涼は私をお姫様抱っこした。
「バカ!何してんの!?放せっ!」
反抗しながらも私は保健室に連れられた。
-コンコン-
「失礼します。」
「あれ、先生居ない」
養護の先生はいないらしく保健室はとても静かだった。
「どうしよう、これじゃ手当てしてもらえない」
「俺がしようか?」
ベッドで寝ようとしてる涼が言ってきた。
涼はテープとハサミを手に取り手際良く手当てをし始めた。
「ねえ、涼は何で付いてきたの?」
「お前を運ぶため、あと貧血で気分が悪かったから。まあ、誰かさんのせいで、病状が悪化したけど」
微笑む涼を私は軽く突き押した。
「悪かったわねっ!」
「完成ぃ!出来たぞ」
そう言い涼は布団の中にに潜って行った。
「ねえ、バカ涼…」
「バカはやめろ」
「じゃあ、おバカ!」
「丁寧口調にしてもダメだ!早く教室に帰れ!」
「いやっ!」
私は少し大きな声で答えた。
「手当てして貰ったから次は私が涼の看病する!」
「ご自由に…」
結局、養護の先生は戻ってこずに授業もサボって学校は終わった。
家に戻った私は夕食を食べ、お風呂に入って、勉強をし、布団に入った。
(バカ…おバカ…)
私は心の中でそう呟いて深い眠りにつた。