私達の怪談
第1話目は、正夢〔まさゆめ〕です。
アナタは、正夢…
見たことありますか?
正夢にも種類がありますよね。
良いものから、悪いものから、色んな意味があるんです。
アナタは…
信じますか?
〜第1話〜
〔正夢〕
このお話は、私と私の友人の体験したお話です。
その日、私はある夢を見ました。
あまりにはっきりした夢だったので…
何もないことを願いながら起きました。
そして…
偶然に、ある友人を見かけました。
友人は、スーツ姿でいつにも増して真面目な顔をしていました。
私は、どうしたのだろう?と思いながら近づくと…
友人は、私が目に入ったのか、携帯を胸にしまいながら話始めました。
“ちょこっと時間ある?”
私は、うなずきながら…
“良いよ”と言うと友人が指さした喫茶店に入りました。
席に着くなり、友人はタバコに火をつけながら言ったんです。
“仕事が見つかった。”
えっ?と思いながら、友人の顔を見てビックリしました。
ちょうどその時…
店員さんが注文を聞きに来たので、友人と私はメニューを見ながら注文をしました。
友人と私は、何も話さず…
ただ時間だけが過ぎてしまい、友人は、何本目かのタバコを吸い終わる頃に言いました。
“大丈夫。今度は、長続きするから。”と笑顔でタバコを消しながら立ち上がりました。
私は、友人の顔が見れませんでした。
友人が嘘をついてるとか…
長続きするとか…
そんなんじゃなくて…
ただ見れませんでした。
伝票を片手に、会計を済ませようとする友人に…
私は、立ち上がって叫びました。
“その仕事、大丈夫なの?”
しかし…
友人は、聞いていたのかどうなのか分かりませんが、何も言わずお店から出て行きました。
私は、友人の後を追いかけようとしたのですが…
足に力が入りませんでした。
その日から…
私は、友人のコトが気になって仕方ありませんでした。
そして…
何日か過ぎた頃、また夢を見ました。
あの時と同じ席で…
あの時と同じスーツ姿の友人がいました。
しかし…
その夢には、音がありません。
そんな中…
友人は、怖い顔をしながら何かを言っていました。
私は、体が急に持ち上がり…
涙を流しながら、外へ出ていこうとしました。
喫茶店のドアに手をかけた瞬間…
冷たいものが手に触れ、動けなくなりました。
すると…
今度は、肩から首にかけて温かい手が伸びてきました。
“キュッ…”
急に首が痛み、胸が苦しくなってきました。
“ハッ!?”
目が覚めた時、まだ首の辺りが痛みがありました。
窓の外に目をやると…
まだ空は、真っ暗でした。
ふと手元にあった携帯が光っているのに気付きました。
画面には…
〔着信7件〕
〔メール4件〕
と表示がでていました。
すべて友人からのものでした。
すぐに電話したのですが…
留守電になってしまいました。
そして…
メールを開いて驚きました。
〔あの喫茶店に来てくれ〕
〔まだ来れないのか?〕
〔話がある。聞いてくれ〕
〔今から、迎えに行く。〕
“えっ?
来るの?”
時計は、夜中の3時を過ぎていました。
慌てた私は…
また友人に何度も電話し、メールも送ったのですが返事も電話もありませんでした。
時間だけが過ぎていき…
気付けば、夜明けになっていました。
その日、友人が来ることはなく…
何日も過ぎた頃に、メールがありました。
“仕事…辞めた。”
そのメールを見て、胸を撫で下ろしていると…
もう一通、メールがきました。
“お前の言葉、ちゃんと聞こえてたから。
夢で同じ光景を見たんだ。
だけど…
その時は、金が必要だった。
ごめんな…”
後から、友人に聞いた話…
友人も同じ夢を見たそうです。
なので…
電話やメールで、就職の報告をしようかしまいかを悩んでいる時に…
ばったり私と会ってしまったのです。
あと…
喫茶店の中で、顔を合わせなかった理由のコトも友人は分かっていたそうです。
ちょうどその頃、右肩の肩こりが酷く…
困っていたそうです。
そして…
あるお寺の前を通りかかった時、そこの住職さんが言ったそうです。
“女性が肩に乗っているよ。”
友人は、さぞかしビックリしたでしょう…
私も、喫茶店で友人の肩から手が伸びてきて、私を睨んだ時はビックリしましたから。
友人が、仕事を辞めて何日か経つと肩は楽になったそうですが。
ですが…
未だ分からないのが、友人の仕事と肩の女性の関係です。
まぁ…
何事もなかったので、良いのでしょうか?
では、また良いお話があれば…




