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曲者揃いの群青隊



結局、話し合いの末、私は群青隊と言うところに所属することになった。どうやら、ブラックホワイトでも随一の強さを誇る青葉隊と紫電隊で隊長同士の争いが勃発したらしく......決着がつかないので両方の隊に出動できる微妙な位置取りの群青隊を作ったそう。と言っても争うほどの隊員が来ることはなかなかないので、隊員数はだいぶ少ないらしい。


言われた場所へと歩いていく。白と黒を基調とした空間は無機質で、気が滅入りそうだが、あちこちに遊び心が加えられているためそうはならない。廊下は長く、左右に扉がいくつもある。群青隊は紫電隊と青葉隊の部屋の間にあるらしく、故に最上階にあるらしい。階段をいくつも登らなければならない。地味に大変だ。おまけに、私が歩くと人々はこぞって私の噂話をするのだ。意外と聞こえてきてしまう。虐められないよういつも教室の会話に聞き耳を立てているせいだろうか。

「あれ......ウワサの新人?」

「ぽいな......階級(ランク)☆☆☆(サード)の......」

「すごいよな......群青隊所属だなんて。」

「..................奴が。」


(こっ、怖い......噂話なんてされたことないし.....!)

駆け足で階段を登り、廊下を小走りで通り過ぎる。3回ほど登ると人の数はぐんと少なくなった。だが......一人一人が放つ存在感と言うか圧と言うか....とにかく半端ない。怖すぎる。特に男性。背も高いうえにたまに顔に傷跡みたいなのが入ってる人がいる。怖い。マジで怖い。助けて。


(セ、せめて群青隊のメンバーは関わりやすい人なことを祈ろう......あんな強面ばっかだったらなんもできないよ!)

考えながら進むうちに『群青隊』と書かれた看板のある扉を見つけた。他の部屋には扉の横、天井付近に細い帯のような看板があるのだが、この部屋にはそれがない。粗い木の板に群青色の文字で『群青隊』と書き殴られている。辛うじて読めるレベルで、文字の色が群青でなかったら分からなかっただろう。


(.......ここが、今日から戦いを共にする仲間のいるところ......)

ゴクリと唾をのむ。暫く看板を見つめていたが、意を決してドアの取っ手に手をかけ、横にスライドする。

「しっ、失礼しまっ...............す...............」


????????


すぐに気が付いた。ここは()()()()()であることを。

部屋にいるのはたったの二人。一人は「ぴゃっ」と小さく叫んで顔をクッションで隠してしまった。もう一人はクッションを被ろうとして「あっ」と予想外なように声を漏らした。

「........................................」

これから、どうしたらいい?




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