ダンジョン攻略〜第一章〜
明けましておめでとうございます!久しぶりの更新です!ぜひご覧ください!
ーー...迷路を走り続けているうちに、何度も行き止まりに会い、その度に、待ち構えていたように向かってくるモンスターを倒していった。行き止まりだけじゃなく、曲がり角から飛び出して来たり、はたまた壁や地面を突き破ったり(穴は一瞬のうちに修復されていた)、至る所からモンスターが次々に飛び出してくる。
ここのモンスターは外の奴等とは違い、俺を見ても逃げないどころか向かってくる好戦的過ぎる奴等が多い。普段なら喜ぶところだが、今は別だ。
[ グギャォオオ!!! ]
鞭をしならせ肉塊にしていく。コレだけでもヤベェのに返り血なんて浴びたらいつもの“アレ”が来ちまう。正直キチィ。理性がどんどん焼き切れていく音が聴こえる。
必死にマヤ達の顔を思い出し、内側で暴れる“自分”を懸命に閉じ込める。
それでも、
[ル゛ォォ゛オ゛オ゛オ゛ォ゛オ゛!!!! ]
「(!! デケェ...!!)」
突然道が広くなったと思いきや、向こうからズシズシとデカブツが飛び出してきた。この天井まで続く分厚い岩壁も震えるほどに、けたたましく雄叫びを上げながら。
ああもう駄目だ。
「ハッ....」
来る。
「ハッハァ゛ア゛ーーー!!!」
笑いが止まらねェ、血が沸いてしょうがねェ。
鞭を打ち付ければすぐ崩れてしまうソイツをただただ甚振る。
お前は本当は強いんだろうなァ、でも残念だったなァ、相手が俺でよォ!!
悲痛な叫びがキモチイイ。ただしいつも長く続かねぇで終わるからカナシィ〜な。
このデカブツはもう死んでる。もうピクリとも自分から動かねェ。ただただ俺が打ち付ける鞭に合わせて肉や血飛沫が踊るだけだ。
「さァ次だ次ィーー!!!」
今まで以上に身体が軽ィ。脳味噌が、思考が、フルで戦いにシフトしてる。
どこからともなく湧いてくるモンスター達を滅多滅多にしていく。気づけば体は血に塗れて赤黒くテカっていた。
そういえばここは電灯もないのに明るい。まぁそんなことはどうでもいい。
コレだコレ!!ずっと求めてたモンだ!!!今まで生温くてしょうがなかった!!仲良しゴッコじゃあ決して満たされないモノ!!!何にも代えられない快感だ!!!
あぁ俺は何をしてたんだ!ガキ共が何をもたらしてくれる!?
コレこそが俺の...
[ ズガァァン... ]
「!!?」
遠くから鈍く響く音がした。打撃の音か?とにかく物理的に何かをぶっ飛ばしたような音だ。
途端に頭が冷めた。
「.....!!!俺は.......」
俺はさっきまで何て思っていた?何を考えていた?マヤ達を侮辱していなかったか....!!?
「.......。」
身体が止まる。一気に重くなった。息の仕方も忘れたように、ただ呆然と立ち止まっていた。
それもほんの数秒、俺はまたすぐに走り出していた。
「(音が...遠くから音が聞こえた!まさかあの子達も俺とは別の入り口からこの迷路に入ったんじゃ.....!)」
可能性は無くはない。とにかくこの迷路を進んで音の主を確かめるしかない。
さっきまで思っていたことを後悔していても先には進まない。反省は後にして、出てくるモンスター達を出来る限り何も意識しないようにしながら潰し、突破していった。しかしどうしても事務的にはなれなかった。久しぶりの血の匂いと砕け落ちる奴等の肉体が、自然と気分を高揚させ、理性を麻痺させていく。
「(駄目だ!戦うのは.....)」
非常に残念だがもう仕方がない。モンスターの脚を狙い怪我を負わせ、簡単には追ってこれないようにしてから先へ進む。トドメを刺して絶命の瞬間を見れないのが本当に悔し...いや、そんなことを思うな。
「(次から次へと.....。)」
迷路がどこまで続いているかすら分からないが、音の主まではそう遠くないはずだ。アッチだって俺に気づいて近づいて来ているかもしれない。
「(マヤ達ならいいが....。)」
もしボス的なモンスターだったら......どうなんだろうか。その時俺は落胆するのか、それとも興奮してしまうのか....。
[ ズガァン ダァン..... ]
また音が聞こえた!何かを叩きつけたような音だ。
[ ......... ]
「(...?風の音か?)」
微かに風が吹くような音が聞こえる。その音と同時にモンスターの呻き声も。
「(まさか、マヤの斬撃か!!?)」
間違いない、そう願いたい。俺の体と心は今までと別の意味で逸っていた。
「(音が近くデカくなる。あと少しか....!?)」
走る脚に期待を込め、邪魔なモンスター共を次々薙ぎ倒していく。
そして....
「! なんだここは...。」
迷路を抜けたかと思えば、そこはとてつもなく広く大きい円形の広場だった。
「(...本当に不思議だ...。この規模の迷路が、俺が突破したものの他にあと3つあるなんて....。)」
正面に一つ、左右に一つずつ出口が見える。俺が出てきた迷路のものを含めれば、丁度十字型に迷路の出口はあった。
「(あの大きさのダンジョンでこの規模はありえない.....短時間で外周を一周できるようなダンジョンだったはずだ、見た目だけは。)」
その場から広場の中央に向かい少し走った。広場の中央には穴が空いていて、覗き込むとそこは下へと続く階段があった。冷たい風が向こうから吹き込んでいる。
[ ズガンッッ ]
「!」
すぐ近くから何かを殴り付けるような音がした。
それから間もなく、
「あっ!エドワードさん!」
「! ラビー!」
正面の出口から出てきたのはラビー だった。よかった、流石赤毛のラット。無傷だ。
「よかった!無事だったんだな。」
「はい!むしろ迷路の中で楽しんでしまって....はしたないわ....皆と離れ離れになって大変だというのに....。」
「...いや、気持ちは分かる。」
とにかく、ラビーが出てきたことで他二つの迷路にマヤとガロがいることはほぼ確定だ。
「俺は右に行く!ラビーは左を頼むぞ!」
「分かりました!」
俺とラビー で左右の迷路の出口から逆走し2人を迎えに行く。
マヤとガロも強いが、もしもがある。倒れている場合本当に危険だ。
「(待ってろよ....!)」
[ ギュオオッ!! ]
「!」
またモンスターの叫び声。近い!
[ グルルルル.... ]
逆走しているうちにモンスターがこちらに飛び出してきた。またこの道を通ることになるのでしっかり潰しておく。
「マヤかガロ!!返事をしてくれ!!」
走りながらそう叫ぶと、
「エドワード!!」
「!」
ガロの声だ!
声からして大事には至っていない。だが少し掠れた声だ、疲労と怪我が心配だ。
「エドワード!!」
「ガロ!!無事だったか!!」
角を曲がり知った顔をようやく見つけた。
思った通り怪我をしていたが、そこまで酷くはねぇな。
「よく頑張ったな!回復薬あるか?」
「ああ、モンスターを全部倒し終わってから出口で補給するつもりだったけど...もうモンスターは先にいねぇみたいだしな。」
そう言って懐から(いつでも取り出せるようにしていたんだろう)回復薬を取り出し、怪我の治癒をした。
「チビとラビーは!?アイツらは無事か!?」
「きっと無事なはずだ。今ラビーがマヤを迎えに行ってる。」
「迎えに!?そんなことできんのか!?」
「迷路を出れば分かる。大丈夫そうなら行こうぜ!」
そう言って促し、迷路の出口へ向かって2人で走り出した。
ーーーーー
「マヤちゃーん!!無事でいてねー!!」
モンスターを薙ぎ倒しながらマヤちゃんの元へ急ぐ。遠くの方でモンスターの呻き声や死臭がするから、きっともう少しだわ!
[ ギャア゛ッッ ]
「! 近い!マヤちゃーん!」
「....ラビー?ラビーなの?」
「! マヤちゃん!」
疲れて掠れたマヤちゃんの声!早く合流しないと!
[ グルルァアッッ!! ]
「どきなさい!!」
蹴りで木っ端微塵に砕けたモンスターを後目にマヤちゃんの元へ。これ以上死臭を嗅げばまた理性が飛んでしまう....!
「! マヤちゃん!」
「ラビー......。」
ようやく会えたマヤちゃんはふらついていて、足や頭から血を流していた!
「マヤちゃん!大丈夫!?今回復薬を....」
「大丈夫よラビー、自分で持っているから....。ここまでに何本か使ってしまったから節約していたのだけれど.....ちょっとキツいわね.....。」
「わたしまだ一本も開けてないわ!だから....」
「いいの...それは取っておいて...。この先何があるかまだ分からないんだから.....。」
マヤちゃんはそう言って回復薬を一本飲み干した。
「お疲れ様マヤちゃん....先の敵は全部倒してきたわ!だからゆっくり行きましょ!」
「平気よ、傷も疲労も治癒したから。他の2人はきっとゴールしてるんでしょう?急ぎましょう。」
「....ええ、分かったわ!」
エドワードさんならガロくんをきっとすぐに見つけて連れ出してるわ!
「それにしても広い迷路だったわ....これがあと3つあるってことよね?不思議だわ....。」
「ダンジョンってどれもこういうものなのかしら?」
「さぁ、何せこのダンジョンのことですら分かりきっていないから。」
出口までもう少し!早く次に進みたいわ!
〜ダンジョン攻略〜第一章〜〜
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