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優しい夜が明けるまで

更新致しました!

今回挿絵を挟んでみました!自作です!

苦手な方はNG推奨です!皆が着ているのは普段着ではなく、寝る用等のラフな服です!スウェットみたいな感じですかね(汗)



「コレ。安くて悪いけど、ローブとブーツ買っといたから、次の街までコレを着ておいてくれ。」


そう言って、白く大きめなローブと、長く歩くのに適当なブーツを渡す。金が大して無いもんだから、着替える為の服と、普段用の、とりあえずのものしか買えなかった。


「......!ありがとう.....!!」

「街に着いたらちゃんと好みのものを買おう。依頼をやれば金もすぐに...」

「あなたが出す必要はないわ。私達が出す。」

「! マヤとガロがか?」

「ええ。.....おかげ様で、お金は最初とほぼ変わらない程度残ってるの。ねぇ?」

「ああ。...お前の金ばっか遣うのも悪りぃし、次こそオレ達が出す。服ぐらい普通に揃うはずだ。」

「.......!!.....わたし、必ず恩返しするわ!」

「恩返しなんていらないわ。仲間だもの。」

「......!!でも....」

「気が済まねぇならそれでもいい。

バトルになったら、お前のその力が必要になる時がくる。......まぁオレ強えぇけど、もし!もしピンチになったら、その時は頼むぜ。.....戦うの嫌いだって聞いたけど。」

「.......!!もちろん!!大丈夫!任せて!

大事な人達を守る為だったら、きっといくらでも戦えるわ!


....嬉しい....!!戦えるのが、こんなに嬉しいなんて........!!」


「(....ふっ。)」


ガロの言葉に、強く答えたその姿に、思わず口元が緩む。



「(...初対面の時の表情は、もう2度と見れねぇだろうな。)」



そう確信させてくれるほど、ラビーの笑顔は明るく輝いていた。





「.......さて、これからどうするかな。」

「向こう岸に渡るしかねぇんじゃねぇか?戻るわけにもいかねぇし、逃げるならそっちのほうが確実だろ?」


ガロが指差す向こう岸を見る。

なかなか深そうな森の正面が見える。


「そうだな...。...2人はどう思う?」

「私はいいと思うわ。」

「わたしも賛成です!でも...、」


谷の底を覗き込み、ラビーが続ける。


「それには、この高い崖を降りて、また上らないと....。」

「それは大丈夫だ。鞭を使えばいい。」

「「鞭......?」」


ガロとラビーの声が被る。

マヤは「まさか....」とでも言いたげな顔でこちらを見ている。


ニッと笑ってその無言の


悪りぃなマヤ。

そう、そのまさかだ!



鞭を、向こう岸に見える一番背の高い木へかける。強く固くかけられたかを確認したら....


「しっかり掴まってろよ!」


マヤを片腕に抱き、ラビーを背中へ、ガロは俺の首元に腕を回し、コアラみたいに俺にしがみついた。


「俺の首もぎ取るなよ!」

「取らねぇよ!」


全員準備できたかを確認したら、



「行くぞ!!」



一気に飛ぶ!




[ ビュゥゥウウウオオッッ!!]



「わぁああああ!!?」

「.......!!!たっか....!!!」


2人はまだいい。


「あ゛ーーーーーーー!!?」

「ガァロ!!声が馬鹿デケんだおまえは!!耳が壊れる!!」

「お前スゲェな!!こんなこともできんのかよ!!」

「まぁな!!ありがとよ!!」


ふと下を見れば森が広がり、右目の端には滝が見える。いい景色だ。


「(綺麗だな.....。)」


谷の上空をそのままグングン渡っていく。あと少し!


「着地するぞ!堪えてろ!」


鞭を強く引き、体勢を立て直し、地面に足をつけブレーキをかける。

でも......


[ ズザザザザアアアアアアアアアア!!!!! ]


「(.....! 意味ねぇか....!)」


長く伸びた鞭のボディが短くなっていくに連れ、鞭が絡みついた木が近づいてくる。



その木を、グアッと上げた片足で強く、



[ ダンッッッッッッッ!!!!!!!!! ]



と強く踏みつけると、やっと止まった代わりに、その木には大きく亀裂が入り、そのまま向こう側へ、辺りの木々を()ぎ倒しながら、ズシン、と重く大きな音を立てて倒れていった。


「.....悪りぃ、上手く止まれなかった。」

「.....むしろよく止まれたわ....。心臓がドクドクしてる.......。」

「スッゲェ!!あんなデカくてぶっとい木が倒れた!!お前ヤベェな!!」

「すごい.....!もしかして、エドワードさんもわたしと同じで特殊だったり...」

「んなわけないだろ?さ、降りろおまえ()。」


全員が俺から降りてから、倒れた木にまだ絡まっている鞭を手許に帰す。


「コッチのが森が深いんだな。なんとなく怪しい雰囲気もするし.....。」

「.......遠くにモンスターの気配があるぜ。さっきの音にビビって逃げたんだと思う。」

「確かに、遠くにやつらの臭いがするわ。」

「! ガロはともかく、ラビーも察知できるんだな。」

「赤毛だからか、他のラット達より鼻がいいみたいなの。」


察知できる奴が2人も........。改めて凄いチームになったな....。


「!スンスン.....。」

「どうした?ラビー。」

「雨の匂いがするわ....濃くはないから小雨だと思うけど、降ってくるかも!」

「そうか?...こんな天気なのに?」


ガロが言う通り、遠くに雲はあるが今は晴天だ。だが、赤毛のラットの嗅覚はきっと凄まじい。


「(降ってくるかもな......。)」



ーーーーーーーーーーー



目が痛くなるほど鮮やかな緑の中で、ガロを先頭に、俺達は時々立ち止まりながらも先へ先へと歩いていく。


「全員寒くないか?」

「ええ、平気よ。」

「わたしも平気!」

「言うて天気いいしな。」

「そうか、ならよかった。」


ラビーの鼻はやはり間違っていないようで、実は先程から、優しい雨が降り続いている。

空は綺麗に晴れているというのに。


「(狐の嫁入りってやつかね。どこでやってんだか...。)」


雨によって、より一層色味を増す森の中を歩いていれば、色々なものが見つかる。


「マヤちゃん見て!あのキノコ、模様が顔みたいでかわいいわ!」

「! ほんとね。色合いも綺麗。」

「ね〜!でもピンクのキノコなんて見たことないわ。」

「私もなかったわ。いいもの見れたわね。」

「ええ!ふふ〜♪」

「ふふふ。」



「エド!めっちゃいい枝あったぜ!ホラ!内側がオレンジ色!」

「おおほんとだ!変な枝だな〜。」

「オレのエクスカリバーにするぜ!」

「いいな!俺も見っけよ。」


.......男と女の違いってやつか....。

でも不思議だよな〜。枝ってなんで持ちたくなるんだろうな?


「お!いいの見っけた!」

「あ゛!そっちのがいいなァ!」

「いいゴテゴテ具合だよな〜。」


手頃である必要は無し。持ちにくくて上等。

ロマンってのは利便性じゃ無いんだぜ。


「おっ!兎か?」


草むらから飛び出してきたのは.....


「ウサギ....に似てるモンスターだな。」

「ちょうどいい!」


ガロは“エクスカリバー”で、そのモンスターの脳天をぶっ叩いた。


「昼飯ゲット!」

「よくやった!」


「えぇえーーーー。」


....背後から女性陣のブーイングが聞こえた。


「うさちゃんが....!!」

「あーー......。」


「「.........。」」



「....テメェら肉食ってんだろ!!」



....男と女の違いか.......。



ーーーーーーーー


「おいしい!」

「だろうが!」


ガロは市場で買っておいたという調味料やオイルライター等を色々と扱いつつ、濡れていない枝を探して、それを使った兎(型モンスター)の串焼きを作ってくれた。

雨もちょうど止んでいて、外で食うにはちょうどいい天気に戻っていた。


「余れば夕飯に....と思ってたけど、全部無くなるな、この調子だと。」


そう言ったガロの顔は、なんとなく嬉しそうに見えた。


「ガロ料理上手いな〜。」

「地下壕で一時期コックやってたからな。というかたかが串焼きで上手いも下手もねぇだろ。」

「そうか?焼き加減とかすげぇ好みだけど。臭みもねぇしな。」

「....香辛料で上手く飛ばしてる。...でも、普通のウサギと同じような味だから、本当はソテーかシチューがいいな。シチューならもっと素材を無駄無く使えるし、これよりずっと美味い。」

「作れるか?」

「...鍋がねぇ。」

「あれば作れるか?」

「まぁ....そりゃあ。」

「すごいわガロくん!」

「頼もしいわ。私料理そこまで得意じゃないから。」

「大したこたねぇわ!」


褒められるのが苦手なのか、ただ素直になれないのか、どうもツンケンしている。


綺麗に食べ終わった後、後片付け、火の始末をしっかりして、また歩き始める。モンスターの骨はちゃんと埋めておいた。


「......スンスン。」

「? どうしたラビー?」

「雨の匂いがするわ....濃い匂い.....。」

「雨だ?もっと濃い匂いって、まさかこの天気からそんなこたねぇだろ!」







大雨になった。






「......ガロ、フラグ立てただろ。」

「.....オレが悪いんじゃねぇからな。」


俺達は大きな木の下に一時退避し、雨が止むのを待つことにしたが......。


「.....この調子だと夜まで降るな......、きっと。」


その予想は見事に当たってしまい、雨がやっと止んだのは、星が空に出てきた頃だった。


「今日はここで泊まりだな。ちょっと待ってろ、今テント出すから。」


そう言って、俺はリュックから折り畳み傘のような大きさの、テントの収納袋を取り出した。

コレも魔道士が開発した魔法具だ。中身を取り出し地面に軽く投げるだけで、すぐに大きなテントが現れる。


着ている服を脱ぎ、ラフな格好へ着替える。

ラビーは、今日はこのローブを身につけたまま寝たいらしい。気に入ってくれたのならよかった。


「夕飯は.....パンと干し肉ぐらいしかねぇな。まぁ無いよりかはマシだろ。」


とりあえずの食糧として持ってきていたものだ。心許ないが、昼飯にあのモンスターを食べておいたおかげであまり腹が寂しい気はしない。


「.....あの時は正直“うわっ”ってなったけれど、食べておけてよかったわ。」

「ハハ、そうだな。でも、見た目が可愛いからそうなるのも解るよ。」


可哀想だと思ってしまうのはしょうがない。でも食べないとやっていけないのも事実だ。


「とにかく、明日はちゃんとしたのを食って、朝から調子良く出発しよう。

! そうだ、寝ずの番を立てておかないと。2時間おきぐらいがいいな。

俺はいつでもいいから、順番はおまえ()で決めな。」


というわけで、

1番...マヤ、

2番...ラビー、

3番...ガロ、

んで、最後が俺になった。


「そんじゃマヤ、最初よろしくな。何かあったら遠慮無く起こせよ。」

「ええ、ありがとう。

皆おやすみなさい。良い夢を。」


マヤを外に残し、3人でテントの中へ。焚き火を消していないから、きっとマヤも寒くなることはないはずだ。


「じゃ、2人ともおやすみ。」

「おやすみなさい!」

「おー。」



「....わたし.......」

「ん?」

「わたし、“良い夢を”、なんて言ってもらえたの、初めて.......。」

「.......そっか。」


嬉しいよな。解るよ。


「良い夢を見ないと.....。」

「ふふっ、そうだな。」




静かで優しい夜、俺達はそれぞれに、眠りについた。




ーーーーーーーーーー



〜マヤ視点〜



「(.....あともう少しで時間かしら。)」


今日は密度の高い1日だったわ。


今までが低いわけではなかった、むしろ十分濃密な日が続いていたけれど、なんだか今日は、1日の内に、2日分の出来事を詰め込んだような日だったわ。

奴隷市場を潰すなんて大きい事、今まで無かったからかしら。

でも何より大きいのは、仲間が増えたことね。


ラビー・ラット.......優しくて素直で明るい子。あの見世で見た子とは全く違うように見えた。笑顔が人懐っこくて、所々子どもっぽいところがあって......。


「(話すのがとても楽しかったわ...。)」


出会ってまだほんの少ししか経っていないけれど、それでも今日の内にかなり仲良くなれたと思う。そう思いたいわ。


[ ガサガサ..... ]


「!」


テントの開く音...、ラビー?まだ交代の時間は早いのに...。


「ラビー?まだ寝ていても大丈夫よ?」

「うん、でも.....、せっかく起きたし、マヤちゃんと話したいと思って。お隣りいい?」

「ええ、もちろん。どうぞ。」

「...!ありがとう!」


そっと隣に腰掛けたラビーは、わたしにこんなことを聞いてきた。


「ねぇ、わたし....その、お邪魔じゃないかしら?」

「!? 邪魔?そんなこと思うわけないわ。どうしてそんなことを聞くの?」

「だって、エドワードさんって、マヤちゃんの......」


ラビーの顔がなぜかポッと赤くなる。

.....この子、何か勘違いしてるわ。


「あのね、エドは私の相棒であって、恋人とかではないのよ?」

「!! そうなの!?」

「ええ。......やっぱり勘違いしてたわね。というかそれだと、ガロも邪魔ってことになっちゃうでしょ?」

「ハッ! そうねそうだわ!」

「......もしかして、自分がここにいていいのかって思ってる?」

「!!!..........。」


......この子は.............。


「......そんなこと二度と思わないで。私、あなたのこと気に入ってるのよ。」

「...!! ほんと!?」

「ええ。あなたのそういう素直で可愛らしいところ、好きよ。」

「へっ!?そ、そんな、可愛らしいなんて......!....!わたしも、マヤちゃんのこと大好きよ!優しくて、わたしと違って冷静で、年下なのにずっと大人っぽくて、あと、」

「いいわ全部言ってくれなくても。...照れてしまうでしょ。」

「......!すっごいかわいいところも大好き!」

「......言い過ぎよ。脚色が過ぎr」

「そんなことしてないわ!」


.........コレで脚色してないなんて言われたら、素直は本当に罪ね。


「......皆と出会えて本当によかったと思ってるの。出会えていなかったら、今もわたしは、あの牢の中で 死にながら生きてたと思うの....。」

「......出会えてよかったのは私もよ。仲間、もそうだけれど、....親友ができたみたいで。」


あの洞窟での偶然が無かったら、今頃どうなっていたのかしら。


「親友......!!自慢できる親友になるからね!」

「今のままで十分よ。」

「いいえ!まだまだ!」

「....ふふっ、そう。」


洗われるように明るい子だわ、ほんと。


「さ!もうそろそろ時間だから、マヤちゃんもテントへ行って!......良い夢をって言われた時、すごく嬉しかったの。だからわたしも!


...良い夢を見てね、マヤちゃん!」


「...ええ、ありがとう。」



.....間違いないわ。今日は良い夢を見る。


そう断言できるほど、だってこんなに温かいもの。





〜エドワード視点〜




挿絵(By みてみん)




「zzZ.......」




[ バキッ! ]


「!」


なんださっきの音.....。枝が折れるような音だった。

....ラビーが戻ってきてるってことは、ガロか?焚き木でも足したかな。


「(.....せっかく起きたし、もう変わっちまうか。その分ガロが長く寝れるだろ。)」


そう思い、外へ行こうとする、が、


「..........。」


......マヤ、おまえはコアラか。

ガッチリ背中からそんなにホールドして。


「マヤ〜?ちょっとごめんな〜?」


起こさないようにそっとマヤを退()かし、テントの外へ。




「ガロ。」

「! エド!まだ交代の時間まであるぜ?寝てろよ。」

「目がすっかり覚めちまって寝れねぇんだよ。早いけど変わろうぜ。」

「......、せっかくだし、なんか話そうぜ。オレも目が冴えてるからよ。」


そのまま大きな樹の根っこに腰掛けて、男2人で色々と話す。

バトル好きの男共が話すことといえばやっぱり、血の気の多いことだろうが.....


「エドってホント強えぇよな。お前がいるだけでモンスター避けにもなるし。」

「モンスター避けなぁ。良いかもしれねぇけど、俺的には迷惑だ。バトル好きだからな。まぁでも、無駄な戦いを避けれるのはなかなか良いことかもな。女子も2人いることだし。」

「アイツらわざわざ気ぃ遣うほど弱くないぜ?」

「でも女子は女子だろ?男ならちゃんと守らねぇと。」

「ふーん。」

「.......おまえ今まで女友達できたことあるか?」

「ッ゛!?あ、あぁあるに決まってんだろアホか!」


「(分かりやすっ。)」


「分かりやすいな〜おまえ。」

「ウルセェ!別にいいだろ!女友達なんてできねぇよ!地下壕にはオバチャン達しかいねぇんだぞ!」

「オバちゃん.......。おまえ年上キラーの素質あるかもな。」

「は!?」

「おまえみたいに顔も整ってて揶揄(からか)いやすい奴なら、さぞモテるんじゃねぇか?」

「......お前顔が笑ってんぞ。」

「いやそんなことは。」

「笑ってんだよ!クソ....!」


THE・思春期みてぇな反応するもんだから、面白くて仕方ねぇ。


「ククク。」

「........。お前は?」

「俺?」

「モテるだろ。」

「まぁ。」

「否定しねぇのな。」

「事実だしな!」

「クッソ!腹立つ!」

「ナハハハハ!」


笑い声と一緒に、夜が次第に明ける準備を始めていく。



挿絵(By みてみん)



ーーーーーーー


「フワァ.....。」

「! そろそろテント行きな。後は任せろ。」

「もう少し話し.....」

「駄目だ、ちゃんと寝ろ。話は明日でもできるだろ?」

「できるけど.....他2人の相手もするだろ。2人っきりってねぇじゃねぇか。」

「........。」

「いや、変な意味じゃなくてよ、

お前ってなんか.........兄弟みたいでさ。....一人っ子だから、ずっとアニキが欲しかったんだ。」

「.........兄貴か。

いい兄貴になれそうか?」

「なってる。」

「ならいい。でも、それなら尚更寝ろ!弟を無理させる兄貴なんて駄目だ。ホレ。」

「.......、分かった。」

「よし。」


ガロは眠気も相まったのかいつになく素直になり、そのまま真っ直ぐテントに戻っていった。


「兄貴か.......。」


兄弟.....俺も欲しかったな。でもそんな我が儘聞いてくれる相手じゃなかったからな。



「(.......いいもんだな。)」



精神的に、俺達の年は大きく離れている。

それでも、弟みたいな存在ができたことは正直に嬉しい。



「(.......いいもんだ。)」



改めて強く噛み締める。

元他人だった奴が、俺を兄弟のように感じてくれるっていうのが、...それほど慕われてるっていうのが、苦しいほど嬉しい。



「(......空が少し明るくなってきたな。)」



覚めない夢を見てるみたいだ。でも現実なんだもんな。


「(......そうなんだよな。)」



明日も明後日も、こうやって仲間達と日々を重ねていけるっていう事実に、俺は少し震えていた。




でも、その分覚悟を強めなければ。




「(俺が幸せに死んでいいはずがないんだ。)」





いつか廻ってくるであろうツケを、受ける覚悟を。






〜優しい夜が明けるまで〜



ご閲覧ありがとうございました!

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