驚くほど....
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さてさて、今日は悪巧み執行の日だ。
天気は晴れ。綺麗に晴れてくれてよかった。
今日は最初の見世が始まる前に小屋へ行く。
そしていつものようにラビーの檻の元へ。支配人はすっかり俺を信頼してくれているようで、顔を見せただけで奥へ通してくれた。顔パスってやつだな。
重い扉を開け、鞭を取り出し、入口から彼女の枷に目掛けて小さく打ち込む。
ほんの少し鞭先がピシッと当たっただけで、あの枷は形を失い、バラバラに砕けた。
「......!!枷が......!!」
自分じゃ外すことなんてできない、見た目で判断できるほど“簡単じゃない”枷だ。
辛くて苦しかっただろう。
「もう自由だ。さあ、行こうぜ。外の空気は美味いぞ〜!」
「ええ....!!あっ、でも、どうやって...この小屋を壊してしまったら他の演者の方々が....」
「行ってきな。」
「!」
背後には、昨日の夜、この企みを話した演者の女性がいる。その他にも....
「....!!マイアさん、レーシーさん、ヨラエさん.....わたし........」
「もう十分辛かっただろう。もう自由になっていい頃だ。
ほら、そうやって迎えも来てるだろう?」
入口から退けると、ラビーの元へ3人は近寄って行った。
「行ってきな。世界を一緒に見てきな。絶対楽しいから。」
「うっ....うぅ.....!!」
「自由になれるんだ、泣いちゃダメだ。笑って出てお行き。」
「......っ..!はい....!!」
「......アンタ。」
「はい。」
3人の内1人が話しかけてきた。
「この娘はきっと世間知らずだが、しっかり頼むよ。強いとはいえ女の子だ。...頼んだよ。」
「ええ、勿論。」
「それとねぇ!」
「!」
ラビー の肩を抱いてやっていた女性が、こちらを振り向いて言った。
「あの奴隷商達をどうか困らせてやってくれ。アイツら奴隷達に手ぇ出してやがんのさ!」
「! 奴隷に?」
「ああ!時々外へ出る許可が降りるんだが、アイツを手籠めにしただのヤっただの、本当に気持ちが悪い!どうかあの汚い奴等をとっちめてくれ!」
「分かりました。お任せください。」
「見世物小屋には一切傷をつけない約束だよ?こんなんでも、アタシらが唯一働ける場所なんだ。」
「承知しています。傷一つつけません。」
「よし!
........さぁお行き。彼ならきっとアンタを守ってくれる。
....あんなに面が良くて、おまけに好青年なんてなかなかいないよ。
テメェのものにしちまいな!(ヒソヒソ」
「へ!?」
「さぁお行き!裏口はそっちだ!」
「えっ!?あっ、え!?」
「行くぞラビー!」
「あっ、っはい!」
「......いい人達だな。」
「え、ええ!とても!(涙引っこんじゃったわ...。)」
さて、今頃マヤとガロも事を終わらせている頃だろう。
マヤとガロには、商人達の目を盗んで、檻の中の奴隷達にメモ渡してほしいと頼んである。
〜〜〜〜〜〜
「........。」
「(.......! 女の子.....?檻に近づいてくる....?)」
「........。」
[ スッ ]
「(.....?紙切れ....?檻の隙間から....なんで.....?)」
[ ペラッ ]
「........、.......!!?」
「皆、これ、」
「え?......!!? うそ.....!?」
〜〜〜〜〜〜〜〜
.....おっ!向こうで音が聞こえた。2人の合図だ。
合図し終わったってことは、今2人はこっちに向かっているだろう。よし。
「ラビー、本当に大丈夫か?集合場所からおまえが一番遠いんだぞ?」
「任せて!わたし、体力と足に自信があるの!」
「ハハッ!そうか!
そりゃ頼もしい.....!!」
....マヤは北の町方面、ガロもそこからそう遠くはない場所に奴隷達を案内するが、ラビーはそことはまた違う方向に案内することになってる。俺はそれが終わるまでここで暴れる役だ。
皆準備はできた。あとはもう......
「荒らすぜぇ!!」
[ ズガァン!!]
「!!!? なんだ!?」
「何が起きた!!?」
「オイ!あそこ!!」
まずは軽めに一発。
「ハローーー!商人諸君!」
「なんだお前は!!?」
「何してやがる!!」
「! おい!何してるんだ!?」
お、支配人も出てきたな。悪いなぁ〜。
「いや〜〜。
暴れたいな〜〜。」
「「「ハァ!!!?」」」
「というわけで、失礼するぜーー!!」
鞭を唸らせる。威嚇、そして、暴れる合図として。
[ ズガァアアン!]
「ヒッ.....!!!」
[ うわぁあああぁあ!!!]
「オラ!逃げ惑えーー!!」
見世物小屋は無傷で残し、奴隷商人の露店辺りだけを荒らす。それでも絶対死人や怪我人は出さねぇ。そこまで下手じゃねぇからな。
「あ痛っっ!!」
こけた奴がいたがアレは別に自業自得だ。
商人達が逃げ回って檻から離れた時、
「奴隷共ぉ!!お前らもだぁ!!」
彼等を仕舞う檻だけを破壊。
「.......!!!」
さぁ、出て来い。
[ .......ッ!!! ワーーーーーー!!!! ]
一気に解放されるのを見届けて、彼等を邪魔しない程度の攻撃へ切り替える。今度は荒らしたせいでできた粉塵を活用して目眩しだ。
「やったーー!!じゃないや助けてーーー!!」
「殺されるぅううっ、Fuーーーー!!」
「FuーFuーーー!!」
アゲてけーー!“元”奴隷達ーーー!
さぁまだまだぁ!時間がきたらあの場所に鞭使ってササっと飛んで行って、ラビーを待つ。
地図落としてなきゃいいけどな.....!
ーーーーーーーーー
「ここよ!皆頑張ったわ!」
「ハァハァ......ラビーさんが途中おぶったりしてくれたから...!」
「あの茂みにお金が隠してあるらしいから、皆でちゃんと分けてね!このまま先に行けば町に出るらしいから!頑張って!じゃあ!」
「あっ!ラビーさん!........行っちゃった...。」
「急いでたね.......。.....茂みの中にお金.....この袋かな?ちょうど人数分あるよ!」
「......!!300フーロも入ってる.....!!」
「.......!!本当だ........!!!」
「.......もっと、ちゃんとお礼言いたかったね...。」
「....うん....。」
ーーーーーーーーー
〜ラビー視点〜
「ハッ、ハッ.......」
すごい、全く疲れてないの。
身体が、心が、驚くほど軽いの。
すごくワクワクして、ドキドキしてる。
あと少し...ほんの少し....
この森を、この道を上れば.......
「ハッ、ハッ.....!」
仲間と呼んでくれた人がいる。
そんな優しい人の仲間達がいる。
1人の女の子と、男の子。
2人とも、すごくいい子だってエドワードさんは言っていたわ。
わたしも、その中に.....
仲間に、入れるのね........!!
「ハッ、ハッ...!」
「........お!来た来た!おーーい!」
「ハッ、ハッ......!!」
「よかった、ちゃんと来れたわね。」
「あのクソみてぇな地図でよく分かったな!」
「悪かったな!」
ふふ、男の子が怒ってる。この地図はあの子が書いてくれたんだわ。
「お疲れ様。走らせてごめんな〜!あの町を早いところ離れておかないといけないからよ。」
「ハァハァ...いいえ、いいの!」
だって、驚くほど.........
「......ほら、これタオル。....仲間になってくれてありがとうな。」
「これからよろしくね。ほら、あなたもよ、ガロ。」
「分ぁかってる!....いや、まぁ あの、よろしく。」
「まぁってなんだガロ〜!」
「ウルセェ!」
「.....“賑やか”でごめんなさいね。」
「いいえ、すごく楽しい...!」
驚くほど、嬉しいの。
〜驚くほど....〜
ご閲覧ありがとうございました!
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