表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/28

谷の底

更新致しました!

今回、エドワードの様子が.....!?

ぜひご覧ください!


ゲートの向こうには広大な森が広がっている。いつかの樹海を思い出しながら進んで行くと、市場で話した魔道士が遠くに見えた。

声をかけようと思ったが、次の瞬間、相手の姿が消えた。

一瞬驚いたが、すぐに、魔法で瞬間移動したのだと理解する。4度目であれば、強いモンスターが出現する地帯も、大体把握しているのだろう。そこまでの道のりは、もはや必要ないと思っているのかもしれない。


歩き続けているうちに、土地が平面から、斜面や岩場へと変化してきた。

足元に気をつけながら下りていく。滑って転んで怪我なんて、みっともない真似はマヤの前でしたくない。


しばらくすると、森が開け、とある場所へ出た。

そのとある場所とは....


「....!深い谷だな〜.....。」


遠くには桟橋が見える。マヤも気づいているようで、向かおうと促してくる。それに従おうとするが、ふと、あの爺さんが言っていたことを思い出す。



“「間違った道は無い。冒険者にとって、全てが最高の道となるからだ」”



確か、そんなことを言っていた。


「.........マヤ。」

「?何?」

「なぁ、



この谷、下りてみようぜ。」







谷の底










「下りるって.....この谷を!?...無茶よ。そもそも、どうやって下りるつもりなの?」

「俺の鞭を使うんだ。マヤも知ってるだろ?これ色んな使い方できるんだぜ。」

「.....大丈夫なの?」

「おまえが信じてさえくれればな。」

「.......。」


マヤは少しの間黙って考えていた。が、すぐに、


「....どこに行っても間違いじゃないんだものね。」

「そういうことだ!さ、行くぞ!」


手頃な木の幹に鞭のボディを結ぶ。もやい結びってやつだ。そして、俺にしっかりしがみついているよう、マヤに指示をした。


「滑って落ちるなんて嫌よ?」

「任せとけって。大丈夫。」


先ほどと同様に鞭を腰に結び、しっかりと握る。マヤを片手に抱き、谷に背を向け、崖のような岩壁に沿って、消防隊員よろしく下りていく。


「......ッ!」

「どうした?」

「下見ちゃった。」

「ハハハハ!」


モンスター相手にはあんなに勇敢なのに、こういうところはまだ子どもだ。

16歳って、まだ高1か高2ぐらいだもんな〜。

ゲラゲラ馬鹿みたいに笑っているような歳に、ここまで大人な子も珍しいだろう。

そのせいか、子どもらしいところを見せてくれる度、少し安心する。

.....なんて、気持ち悪いよなぁ。早く直さねぇと....。


「まだかかりそう?下見れないから分からないわ。」

「ん〜.....まだだな。怖いようなら目ぇ閉じとけばいいよ。」

「見ないから平気。」


一回見ちまうとな〜。、俺はこういうの全然平気な方なんだが...

....高い所が好きな奴はなんとやらってな。意外とシャレにならねぇからキツい。


ーーーーーー


それから10分ぐらい経った頃、地面の気配を感じ始める。下をチラッと見てみると、案の定、地面まであと少しだった。


「あとちょっとだぞ〜。」

「本当?...あらほんと。もう見ても大丈夫だわ。」


そのままスルスルと最後まで一気に下りていく。

そして無事到着。流石に腕が疲れた。

マヤを下ろし、鞭を振って、込めていた魔力を解く。木から上手く外れた鞭は、しっかり俺の手元へと帰って来た。


谷底は、上とは違い 少し暗い雰囲気が漂っている。

木は殆ど無いにせよ、緑は豊かだ。所々に小規模な池ができている。


「さて、色々歩いてみるか.....ん?...アレ、線路か?」

「線路?嘘でしょ。......ほんとだわ。」


昔のものなのか、今も使われているのか.....。

後者だとすれば、誰が利用しているのか.......。


ま、今考えたところで分からないことだ。


「線路沿いに進んでみるか。誰か、もしくは何かがあるかもしれない。」

「そうね。私としては、誰かに出会うより、こう、洞窟とかがあってほしいわ。その方がワクワクするもの。」

「そうだな〜。...贅沢を言えば、ダンジョン的なものがあってほしいけど....流石に高望みし過ぎか。」

「望むだけならタダだわ。」


じゃあそうするとしよう。

なんだかんだ、今までモンスターに会えてないからな。そろそろ戦いたい。

冒険らしさが欲しい........のもそうだが、


ちょっと流石にもう、“麻薬(いつものやつ)“を摂取したい。


何も殺さない、殺せていないままだ。


ていうかなんでなんも出てこねぇんだよ。

モンスターだらけじゃねぇのかよ。

何が“弱い奴は死ぬ”だ。どんな雑魚(ザコ)でも死なねェわこんな生温(ナマヌリ)ィ森。

“強い奴のみが笑える”だ?笑うどころか鬱憤が溜まって仕方ねェわ。


クソッ...!タディッチの野郎ン時は良かったなァ〜!手応えなんてクソ程無かったが、あんな大人数を一気に殺れたのはヨかった!快感だった〜....!


もうこの際なんでもいい!人でもモンスターじゃなくてもいい、何か......!!







あ、そういえば、生き物ならいたなァ.....









隣に。






「...エド?またボーっとして......エドー?」

「.........(ブツブツ).....」

「?なんて言ったの? エドー?エドー!?」

「....ハッ!? 」

「どうしたの?大丈夫?」

「.......悪い、またボーっとしてた。」

「もう....。」


...しっかりしろクソ爺。面倒かけてどうすんだよお前。しかも.........最悪だな、本当にさ。救いようねぇよ。


「......、エド、アレって....。」

「どうした..?......トロッコ?」


少し先にトロッコが見える。人がいるのか......!


ーーーーー


「ん〜....。ん?...洞窟...かしら....?」

「....奥に続いてるっぽいな。」


トロッコのすぐ近く、そこには、ぽっかりと口を開けた大きな岩洞窟があった。


「遠くに光が見えるな....ポツポツとだけど。」


鮮やかな黄緑色の淡い光。

それらが微かに洞窟内を照らしている。


「.....行ってみるか?」

「勿論!」


マヤのいい返事に、俺は笑って前を見る。

そして洞窟の中へと、足を踏み出していった。


ご閲覧ありがとうございました!

よろしければ感想や評価もお願いいたします!

ツイッターもやっていますので、よろしければそちらのほうもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ