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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
13章:『虹霓鏡宮の呪界・奥地』

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943:ジタツニ-1

「さて、今日はジタツニの強化ね」

「これもまた丸一日がかりの作業になりそうでチュねぇ」

 本日は金曜日。

 いつもの作業を終えた私は、ジタツニの強化へ取り掛かる。

 とは言え昨日のザリチュの強化と同じで、『虹霓鏡宮の呪界』の奥地の竜呪の素材に置き換えていく感じで、特別なことは殆どしないが。


「で、どういう素材を使うんでチュ?」

「基本的には毛皮や甲殻ね。まあ、上手くやっていくわ」

 私はジタツニを脱ぐと、昨日のザリチュが竜呪の角を積極的に使ったように、毛皮や甲殻、鱗と言った竜呪たちの身体を守っていた部位を積極的に使用。

 具体的な使い方としては、細かくして縫い付けたり、糸にして縫い付けたり、粉にしてまぶしたりと言ったところか。

 ああそれと、淀縛の眼宮の収奪の苔竜呪の素材も折角なので使用しておく。

 格的には釣り合うから、問題ないはずだ。


「んー……」

「どうしたんでチュか?」

「いや、折角だから、アレを使おうと思ったのよね。うん、やりましょう」

「でチュかぁ」

 だがこれだけでは足りないと私は判断した。

 と言う訳で、私は『ダマーヴァンド』の核である『毒憑きの宝杯呪』ヤノミトミウノハを持ってきて、杯から出て来た直後の液体を回収。

 回収したそれと私の血を混ぜ合わせ、そこへジタツニを投入して染色する。

 うん、綺麗な蘇芳色になった。

 では、呪怨台に乗せよう。


「ジタツニ。『虹霓境究の外天呪』である私を守護するもの。大地を宿し、我が血を宿すもの。新たなる姿を私の前に見せなさい」

 呪い方はいつも通り。

 そして、新たなジタツニが私の前に姿を現した。

 基本形は変わらず、上半分が包帯服、下半分が前開きのスカート。

 刺繍は鱗を模したものであり、鱗の下をマグマのような炎が行き交う。

 色は蘇芳色を主体としつつ、虹色を帯びたものであり、包帯部分は半透明。

 ただ少々だが、虹色の煌めきが強まったような気はする。

 では、鑑定してみよう。



△△△△△

『地憑きの外羽衣呪』ジタツニ

レベル:装備者のレベルと同じ

耐久度:100/100

干渉力:装備者の干渉力と同じ

浸食率:100/100

異形度:25


竜、そして外天呪に由来する呪いを含む、数多の呪詛を利用して制作された、天女の羽衣のようにも見える衣服。

積極的に自己意思を示すような事は無いが、正当所有者の眷属として扱うべきではあるだろう。

この世ならざる者に通じる気配を漂わせており、正当な所有者以外が着用すれば、恐ろしい呪いに襲われる事だろう。


着用者の習得している邪眼術によって与えられる状態異常を無効化(着用者のレベル)。

着用者の習得している邪眼術によって与えられる状態異常に対して、周囲の呪詛濃度が高い程強力な耐性を有する。

着用者の習得している邪眼術によって与えられる状態異常に対して、周囲の気温が高く、湿度が低いほど強力な抵抗性を有する。

戦闘不能付与に対する極めて高い耐性を有する。

石化完全無効化。


火炎属性攻撃無効化(中)、火炎属性攻撃に対する高い耐性を有する。

呪詛属性攻撃無効化(中)、呪詛属性攻撃に対する高い耐性を有する。

電撃属性攻撃無効化(小)、電撃属性攻撃に対する少しの耐性を有する。

着用者のレベル以下のものから受けるダメージの無効化(小)。


周囲の呪詛を操作し、着用者が生存するのに適した呪詛濃度に近づける効果を持っており、呪詛濃度を最大15まで増減させられる。

周囲の環境から与えられるダメージ無効化(極大)、周囲の環境から与えられるダメージに対して極めて高い耐性を有する。


呪術全般に対する抵抗性を有し、抵抗に成功した際には呪術を放った相手に向けて低威力の光球を放つ。


周囲の呪詛濃度に応じて強度が向上する。

周囲の呪詛、エネルギーの一部を吸収する事で耐久度が回復する。

耐久度が0になっても、一定時間経過後に復活する。

身に着けているものの全身にこれらの効果の一部が発揮される。


呪いの塊であるその身は幾つかの呪術を習得しており、装備者がトリガーを引くことで使用が可能。

砂漠の呪い(トセロフセルブ)』『抗体の呪い(スリブセルブ)』『大地の呪い(イクスセルブ)


注意:この衣服をタル以外が着用した場合、1分ごとに着用者の最大HPと同値の恐怖、UI消失状態が付与される。

注意:着用中、氷結属性への耐性が低下する(極大)。

注意:着用中、物理攻撃への耐性が低下する(小)。

注意:着用中、状態異常の混乱は抵抗は可能だが、他の手段による防御は出来ない。

注意:着用者の異形度が19以下の場合、1分ごとに着用者の習得している邪眼術によって与えられる状態異常が耐性を無視して着用者に付与される。

注意:称号『虹霓境究の外天呪』を持たないものが装備している間、耐性を無視して、1秒ごとに極めて高い確率で戦闘不能状態になるかの判定が行われる。

注意:この衣服の周囲の呪詛濃度が19以下の場合、着用者の受けるダメージが増える(極大)。

注意:この衣服を低異形度のものが見ると嫌悪感を抱く(極大)。

▽▽▽▽▽



「順当に強化されて……何故か呪術が追加されたわね」

「でチュね。『天空の祝福』の逆さ読みでチュか」

 さて、色々と強化されている。

 注目点としては、単純なスペックの向上と新たな呪術、それに状態異常の混乱が無効化と耐性では防げず、抵抗による確率回避にしか頼れなくなった点か。

 うーん、『CNP』の混乱は自傷行為を含んだだろうか?

 そちらを含まないなら、単独行動が多い私にとってはそこまで脅威ではないが……。


「とりあえず確認してみましょうか」

「まあ、そうでチュね」

 とりあえず新たな呪術である『大地の呪い』の内容を確認してみよう。

 なお、『砂漠の呪い』と『抗体の呪い』も強化されており、レベルと干渉力が私依存になっている。



△△△△△

大地の呪い(イクスセルブ)

レベル:着用者のレベルと同じ

干渉力:着用者の使用時の干渉力と同じ

CT:10s-60s

トリガー:[詠唱キー]

効果:術者と対象として指定した相手(最大13体)の間に硬質な足場を一時間発生させる(最大10km)。


駆けよ、その先に何があろうとも。

抗うための戦場は今ここに生み出された。


注意:使用するためには『熱波の呪い(ドロクセルブ)』を発動している必要がある。

注意:使用するためには『竜活の(エサエルセド)呪い(セルブ)』を発動している必要がある。

注意:使用する度に使用者の満腹度を10消費する。

▽▽▽▽▽



「……。『熱波の呪い(ドロクセルブ)』はともかく『竜活の(エサエルセド)呪い(セルブ)』の使用も前提ねぇ……」

「その分強力であるとは思うでチュが……」

「まあ、試してみましょうか」

 私はジタツニを着用し、恐怖の眼宮へ移動すると、『竜活の呪い』をルナアポで発動。

 そして『大地の呪い』を発動してみた。

 結果は?


「これは……本来の用途ではサポート用ね?」

「乱雲光髄の外天竜呪の時にたるうぃがざりあのサポートとしてやった事を、低燃費かつ安定して行うための呪術と言う感じでチュかねぇ」

 目標として定めた恐羊の竜呪と私の間で呪詛が集まり、その呪詛が岩に変化。

 細めだがしっかりとした岩の足場が、まるであやとりの糸のように分岐しつつも、私と恐羊の竜呪との間に出来た。


「まあ、便利ではあるわね。ルナアポくらいでないと破壊出来ない壁だし」

「でチュねー」

 うん、空を飛べる私とザリチュにとっては、壁以外には使えない足場である。

 しかし岩の足場の強度は極めて高く、ルナアポによる全力攻撃でなければ足場は破壊出来ないぐらいに堅い。

 壁としてなら、使い道は十分にありそうだ。


「じゃあ、帰りましょうか。明日はネツミテよ」

「分かったでチュ」

 検証終了。

 私は『竜活の呪い』とそのデメリットの効果時間切れを待ってから、ログアウトした。

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― 新着の感想 ―
[一言] >私はジタツニを着用し、恐怖の眼宮へ移動すると、『竜活の呪い』をルナアポで発動。 試しにでルナアポまで使う必要はないのでは… 竜呪の素材も有り余ってるだろうし… >でも、タルさんからジタツ…
[一言] >注意:称号『虹霓境究の外天呪』を持たないものが装備している間、耐性を無視して、1秒ごとに極めて高い確率で戦闘不能状態になるかの判定が行われる。 タル以外の人が身につけると、羞恥心と社会的と…
[一言] ≫ルナアポくらいでないと破壊出来ない壁だし さらっと言ってるけど十分やべーわ
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