873:ぅぴぉhそyrm:どmtsぅぴづぴ-3
三度目ですが、タイトルに異常はございません。
「で、どうやって聖女ハルワにそのインゴットを渡すんでチュか?」
「そうねぇ……」
さて、呪隕石・虹霓鏡宮の再回収とそのインゴット化は出来た。
なお、インゴット化の手順についてはルナアポの作成時と同じであるので、扱い方によっては呪いに満ちた素材を元にしたにも関わらず、呪いではない別の何かになるかもしれない。
ちなみに鑑定結果では虹霓鏡宮の呪隕鉄塊となっており、干渉力は182となっている。
で、出来たのはいいとして、どう渡すべきだろうか?
「とりあえず『交信-選別』を利用して呼び掛けてみましょうか」
「えっ、それは止めた方がいいんじゃないでチュか?」
私は『交信-選別』を利用して、『交信の大呪』の影響のオンオフ切り替えを何度も繰り返す。
すると一分ほど経ったところでだ。
「嫌がらせかしら? アンノウン?」
とってもいい笑顔の聖女ハルワが私の目の前に現れた。
と言うか、周囲の光景が、前回話し合いをした、聖女ハルワ側の白一色の部屋と私側の木製の部屋に変わっている。
テーブル、お茶、菓子と言ったものはないようだが。
まあ、呼び出せたなら問題はない。
「嫌がらせじゃないわ。これが一番貴方と接触するにあたって、簡単な方法だから利用させてもらっただけよ」
「だとしても、もう少しやり方は考えてもらえるかしら? 極めて気に障ると言うか、不快だから」
「分かったわ。緊急事態でないなら次回は別の方法を考えさせてもらうわ」
「……」
なお、ザリチュは居ない。
ルナアポは……うん、出せそうだ。
「それで結局要件は? ただ事ではないのでしょう?」
「ザリアから聖女様が干渉力180以上の金属素材を求めていると言う話を聞いたのよ。それで物が物だから、安全なルートとも言えるこの場を利用して渡すことにしたんだけど……」
私の言葉が尻すぼみになる。
と言うのも、私の言葉の途中から聖女ハルワの顔が物々しいものになりつつあるからだ。
だがそれは私の要件が大したものではないから、と言う感じではなく、聞いたことがない話をされているから、と言う感じだった。
「聖女ハルワ、貴方ではなく、聖女アムルの頼みだったのかしら?」
「そうなるわね。私にはそんな危険物を頼んだ覚えはないし、私の部下にもそんな危険物を頼むような心当たりはないもの。そして、ザリアほどの人物がわざわざ嘘を吐くとも思えない。冷静に考えて、あの子の頼みになるはずよ」
「んー、渡しても大丈夫よね?」
「問題は……ないわね。ええないわ。問題となるのはあの子が何を考えて居るのか。所詮は視覚を共有しているだけで、しかも全く同じ時間だけ起きているわけでもないから、全てを知る事など叶わない。上手く調べてみるしかないわね」
どうやら今回の件は聖女ハルワではなく聖女アムル側の話だったようである。
迂闊にザリチュに教えたら、酷い悪態をつきそうだ。
「そうね。そうするしかないと思うわ。その件について、私の助力が必要なら連絡して、出来る事はさせてもらうわ」
「分かったわ」
さて問題は何を考えているかだが……聖女アムル自身は問題があるような性格ではないので、どういう目的であっても大丈夫だと思う。
怖いのは聖女アムルを誰かが利用している場合や、その名を騙っている場合か。
この場合だと……『鎌狐』が関わっていて、何かをするために、干渉力180オーバーの金属素材と言うかなり特殊な物品を求めている可能性もあるか。
「それで、その……アンノウン、貴方が渡すつもりだった金属は?」
「こういうのね」
私は虹霓鏡宮の呪隕鉄塊を取り出し、出現させた机の上に置く。
虹霓鏡宮の呪隕鉄塊を見た聖女ハルワの表情は……微妙に頬が引きつっているように見える。
どうやら聖女ハルワの目から見ても、これは危険物であるらしい。
「この金属。色々とでたらめな気がするわね……」
「そうね。ちなみに剣にするとこういう事が起きたりするわ」
私はルナアポを手の内に生成し、聖女ハルワに見せる。
うん、唖然としている。
それは分かる。
素材からして呪いの塊であるはずなのに、何故か呪いではないし、それ以上の何かを秘めているのだから。
おまけに成長途中であり……まあ、誰だって驚くし、唖然とするだろう。
「……。取り扱いは慎重に決めさせてもらうわ。迂闊に加工して誰かに持たせたら、何が起きるか分かったものじゃないもの」
「そうね。そうした方がいいと思うわ」
まあ、聖女ハルワなら、何とか扱えることだろう。
「ところでアンノウン。これの量産は容易なのかしら?」
「基となったアイテムを二つ回収するのに、四回死んで、二回死にかけたわねぇ……。あ、入手方法の公表をする気はないわ。それと製錬にも相応の工程を踏んでいるし、私以外には入手が難しい素材も使っているわね」
「なら大丈夫かしら。アンノウンがそんな事になるなら、並みの呪人が早々たどり着けるとは思えないし」
「そうね。大丈夫だと思うわ」
なお、今この場にある虹霓鏡宮の呪隕鉄塊と同じものを他のプレイヤーが入手できる可能性は……ほぼ無いだろう。
まず呪隕石・虹霓鏡宮の入手が極めて難しいし、その後の精錬に私の血が含まれているからだ。
そして虹霓鏡宮の呪隕鉄塊を手にしてもルナアポと同等の何かが作れるとも思えない。
工程の複雑さもそうだが、独自性も極めて高いからだ。
まあ、別の工程を踏んで、同等の何かを作り出す可能性はあるが。
「さて、それじゃあ私はそろそろ失礼させてもらうわ」
「そう。分かったわ」
いずれにせよやるべき事は済ませた。
私はその場を後にするとともに、ログアウトした。
△△△△△
『虹霓竜瞳の不老不死呪』・タル レベル45
HP:3,023/4,320 (-1,296)
満腹度:103/150 (-45)
干渉力:144
異形度:28
交信-[ID]、虫の翅×6、増えた目×11、座標維持、呪憲・瘴熱満ちる宇宙、遍在する内臓、劣竜式呪詛構造体(劣竜血、劣竜骨髄、劣竜肉、劣竜瞳、劣竜皮、劣竜角×2)
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の王』、『灼熱の達人』、『沈黙の名手』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖の達人』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『魅了使い』、『重力使い(増)』、『石化使い』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『3rdナイトメアメダル-赤』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『竜狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹霓竜瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『呪海渡りの呪人』、『泡沫の世界の探索者』、『確立者』、『崩界者』、『七つの大呪を排するもの』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・3』、『灼熱の邪眼・3』、『気絶の邪眼・3』、『沈黙の邪眼・3』、『出血の邪眼・2』、『小人の邪眼・2』、『淀縛の邪眼・3』、『深淵の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・3』、『暗闇の邪眼・3』、『魅了の邪眼・3』、『石化の邪眼・2』、『恒星の邪眼・3』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『交信-活性』、『交信-抑制』、『交信-選別』、『風化-活性』、『風化-抑制』、『風化-排斥』、『魔物-活性』、『魔物-排斥』、『反魂-活性』、『反魂-排斥』、『転写-活性』、『転写-排斥』、『再誕-活性』、『再誕-排斥』、『蠱毒-活性』、『蠱毒-簒奪』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』、『化身』、『噴毒の華塔呪』、『瘴弦の奏基呪』、『禁忌・虹色の狂創』
呪術-ジタツニ:
『砂漠の呪い』、『抗体の呪い』
呪術-ネツミテ:
『太陽の呪い』、『熱波の呪い』、『埋葬の鎖』
呪術-ドロシヒ:
『虚像の呪い』、『貯蓄の呪い』
呪術-ドゴスト:
『竜息の呪い』、『竜活の呪い』、『埋葬の鎖』
呪術-トテロリ:
『転移の呪い』、『不明の呪い』
呪術-ニネナナ:
『選択する呪い』、『虹霓外の瞳』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』、『呪法・呪宣言』、『呪法・極彩円』、『呪法・呪晶装填』、『呪法・逆残心』
所持アイテム:
『竜鱗渇鼠の騎帽呪』ザリチュ、『地憑きの羽衣呪』ジタツニ、『陽憑きの錫杖呪』ネツミテ、『星憑きの玉輪呪』ドロシヒ、『竜憑きの袋呪』ドゴスト、『魔憑きの指輪呪』トテロリ、『虹憑きの根付呪』ニネナナ、鼠毒の竜呪の歯短剣×2、鑑定のルーペ、フェアリースケルズ、蜻蛉呪の望遠鏡、etc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール、呪詛貯蓄ツール×5設置、『熱樹渇泥の呪界』・『入子屋敷の呪地』・『塩砂湖畔の呪地』接続済み
システム強化:
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2、長期保管用カプセル、『満腹の竜豆呪』ハオマ
???:狂記外天:森羅狂象・序文-ルナアポクリフ:オルビスインサニレ・キューケン
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