872:ぅぴぉhそyrm:どmtsぅぴづぴ-2
前回に引き続きですが。
お使いの機器は正常です。
「はい、完成っと」
呪隕石・恒葉星をメイン素材とし、恒葉星の竜呪、渇猿の竜呪、虎絶の竜呪の素材を組み合わせて作った剣はあっさりと完成した。
見た目は飾り気のないシンプルなロングソードであり、妙なオーラを纏っていたり、刃が虹色だったりはしない。
と言う訳で鑑定をしてみる。
△△△△△
恒葉星の隕鉄剣
レベル:42
耐久度:100/100
干渉力:140
浸食率:100/100
異形度:10
呪隕石・恒葉星を用いて作られたシンプルな装いの剣。
軽く、扱いやすく、丈夫、誰が使っても困る事は無いだろう。
だが、その本性は敵対者を決して逃がさず、死を与えんとする呪いの剣である。
耐久度減少効果無効化(大)、耐久度減少効果に対する極めて高い耐性を有する。
与ダメージ時:乾燥(周囲の呪詛濃度)、中確率で気絶(1)、低確率で重力増加(周囲の呪詛濃度-10)を付与する。
呪術『突然の死突』[詠唱キー]
最後に刃に触れた物体を、詠唱時に剣先がある場所に向けて最大で5メートル移動させる。
注意:『突然の死突』使用時に、使用者は最大HPの1%分のダメージを受ける。
注意:『突然の死突』は一度使用すると、30秒間再使用出来ない。
注意:装備者は乾燥の状態異常が付与される。
注意:この装備を低異形度のものが見ると嫌悪感を抱く(微小)。
▽▽▽▽▽
「いい感じでチュね。使いやすいでチュ」
「そう、ならよかったわ」
うん、いい武器が出来たと思う。
今は化身ゴーレムを作ったザリチュに試し振りをしてもらっているが、見た限りでは問題もなさそうだ。
ちなみに『突然の死突』の詠唱キーは『サドンデススタブ』である。
『座標維持』を持つ私には効果がないが、一度でも恒葉星の隕鉄剣で切られて、傷を負ったら、以降は剣が別の物に触れるまで、詠唱キー通りに突然刺されて息絶えるか、何時引き寄せられるかも分からずに戦う事になるだろう。
中々にえげつない。
「で、たるうぃ」
「何かしら?」
「その剣はいいんでチュか?」
「……」
さて、恒葉星の隕鉄剣も完成したならば、こちらにも目を向けなければいけないだろう。
「これねぇ……」
私の手元には恒葉星の隕鉄剣を作り上げる前に、呪隕石・虹霓鏡宮をメイン素材にして作った虹色の剣がある。
そう、呪怨台に乗せる前、名を与えると同時に砕け散ったはずの剣がである。
「鑑定はするべきだと思うんでチュよねぇ」
「そうね。そうなんだけど……正直、鑑定するのも割と怖いのよね……」
この剣、どうやら私と同化状態に近いようであり、私が呪詛の剣と言うか刃を生成する時に意識をすれば、一本限定で作り出せることは分かっている。
そして、明確な実体と質量を持っており、私の『座標維持』の影響で浮かびはするが、武器として使うならきちんと手に持って振るうなり、ネツミテの先端に生成して扱うなりする必要がある。
正直に言ってかなり重いので、私には扱いづらいのだが。
「未知に対して怯えるなんてたるうぃらしくないでチュよ」
「これは未知よりも狂気な気がするのよねぇ……あ、運営からメッセージが来たわね」
呪怨台を経ていないのにアイテムとして成立させるのは第五回公式イベントでやったことではあるが、それとこれとは次元が異なるように思う。
なんというか、もっとヤバい気がするのだ。
なお、運営からのメッセージは、使用許可は出すけど、何か問題が生じても自己責任で、と言うものだった。
バグやチート扱いではないから、取り上げたりもないらしい。
いっその事、取り上げてくれた方が楽だったと言うのが私の本音だが。
「はぁ、覚悟を決めましょうか。鑑定!」
まあ、今後どう扱うにしても、まずは鑑定するべき。
私は意を決して、『鑑定のルーペ』を剣に向けた。
結果は?
△△△△△
狂記外天:森羅狂象・序文-ルナアポクリフ:オルビスインサニレ・キューケン
レベル:タルのレベルと同じ
耐久度:■■■/■■■
干渉力:タルの干渉力+100
浸食率:100/100
異形度:タルの異形度と同じ
詳細不明、よって現状で分かっている事のみを示す。
これは『虹霓竜瞳の不老不死呪』タルと同化しており、相互に影響を及ぼすと考えられる。
これは刃に触れたものの情報を閲覧し、蓄積する事で、その力を増すと同時に、強固な守りをもたらすものであると考えられる。
呪いを基に作り出されたものであるが、呪いではないようだ。
注意:この装備をタルよりも異形度が低いものが見ると嫌悪感を抱く(極大)。
注意:恐らくだが、この剣は成長途中であり、本来の姿と性能を現していない。よって、如何なる災禍をもたらすかは誰にも分からない。
▽▽▽▽▽
「無事に鑑定は出来たわねー」
「ソーデチュネー」
うん、あまりにもツッコミどころが多い。
私と同化しているのはまあいいとして、仮称裁定の偽神呪が半分お手上げ状態とか、相当にまずいのではないだろうか?
「刃に触れたものの情報を閲覧ねぇ……」
まあ、試せることは試してみよう。
と言う事で、私は狂記外て……長いのでルナアポと呼ぶか……ルナアポの刃に触れてみる。
説明文通りなら、これで私自身の情報を読み取る事が出来るはずである。
「あー……あー……使えそうで使えないのが来ちゃったわねぇ。これは……」
「あ、そういう物なんでチュか……」
そうして私は私自身とルナアポの能力の表層を理解した。
理解した結果として言わせてもらうが、無いよりは有った方がいい、けれど無理にその力の発動を狙うほどのものではない、と言う感じだった。
それと、どうすれば強化できるかも理解したが……うん、後回しにせざるを得ない条件だった。
「うん、この件はこれで終わり。ザリチュ、呪隕石・虹霓鏡宮を再回収して、聖女様に渡しに行きましょう」
「分かったでチュよ。たるうぃ」
とりあえずルナアポは不発弾の類として、放置する事にしよう。
これは必要な時以外に出すものではないのだから。
03/30誤字訂正