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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
12章:『泡沫の大穴』

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868:ヘヴィパレス-3

「ジャアァァッ……」

「まあ、一対一ならぶっちゃけ雑魚よね」

『雑魚でチュね。火力だけでチュし』

 正面から『熱波の呪い(ドロクセルブ)』の効果が適用された呪詛の剣を何十本と受け、背後から無数の隕石の直撃を受けた恒葉星の竜呪はあっさりと力尽き、倒れた。

 と言う訳で、後続が居ないことを確認し、『熱波の呪い』を解除した上で、恒葉星の竜呪の死体をドゴストの中に収納する。

 なお、具体的な戦闘手順についてだが。


 接近→すれ違い様に『恒星の邪眼・3(タルウィヘビィ)』→そのまま恒葉星の竜呪の背後に移動して転移を誘発→呪詛の剣と隕石のサンドイッチ。


 と言う流れである。

 利用可能な確定行動があるから、この流れは至極妥当としか言いようがないだろう、うん。


「さて、隕石の雨は……」

『まだ来てないようでチュね。現時点で前回から三分ほど経過しているでチュ』

「んー、敵の追加もないなら、ここで暫く解体作業でもしつつ、観測をしてみようかしら」

『それも一つの手かもでチュねぇ……』

 あ、ザリアからのメッセージが来てる。

 逃げた事を咎める気はないが、文句は言わせてほしい、と。

 はいはい、目を一つ使ってちゃんと読みますとも。

 で、他の目と体を使って解体作業をしてみよう。


「十分に一度、と言うところかしらね」

『みたいでチュね。観測の開始と終了を何処に持ってくるかや、何処で遭遇するか、どういう軌道を描くかなどによって、10秒前後のブレは起きるみたいでチュが』

 観測の結果、恒星の眼宮(ヘヴィパレス)のギミックはおおよそ600秒に一度起動すると分かった。

 なお、二度目のギミック発動時に大量のプレイヤーが巻き込まれたのは言うまでもない。


「さて、鑑定の方はっと」

 で、恒葉星の竜呪の解体だが、角、牙、甲殻、目玉、舌、骨、花弁の七種類の素材が得られた。

 この内、これまでにない素材と感じたのは舌と花弁であり、鑑定結果はこんな感じ。



△△△△△

恒葉星の竜呪の舌

レベル:40

耐久度:100/100

干渉力:135

浸食率:100/100

異形度:20


恒葉星の竜呪の口内にある巨大な舌。

異次元へと引きずり込もうとするような呪いと旨味を秘めた肉でもあり、独特の歯応えを併せ持つ不思議な肉でもあるが、そのままを人が食べれば一口で呪いそのものと化すだろう。

この世ならざる存在である竜の肉は、この世ならざる美味でもある。


注意:異形度19以下の存在が食べると、100%の確率でランダムな呪いを異形度が20になるまで複数個、恒常的に得ます。

注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、質量増加(50)と重力増加(50)を与える。

注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。

▽▽▽▽▽


△△△△△

恒葉星の竜呪の花弁

レベル:40

耐久度:100/100

干渉力:135

浸食率:100/100

異形度:20


恒葉星の竜呪の首回りから生える花弁。

体に生えている時は柔らかいが、体から離れると途端に硬質化し、鋭利な断面を晒し、濃厚な香りを放つ。

この世ならざる存在である竜の花は、この世ならざる香りを撒く。


注意:異形度19以下の存在が匂いを嗅ぐと、重力増加(10)を与える。

注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、質量増加(50)と重力増加(50)を与える。

注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。

▽▽▽▽▽



「舌が可食部位かしらね?」

『タンと言うやつでチュね』

 とりあえず舌が食べれそうなので、薄切りにした上で『灼熱の邪眼・3(タルウィスコド)』で焙り始める。

 で、これは舌ではなく花弁関連の情報で、しかもザリアたちの方からの情報なのだが、恒葉星の竜呪はHPが減ってくると、花弁を動かし、花を閉じていくらしい。

 そして花が閉じ切ると自爆して……まあ、花弁の効果からも分かるように、広範囲に多大な被害をもたらすようだ。

 どうやら隕石を利用しないで倒すとなると、中々に面倒な相手であるらしい。


「うん、いい感じに焙れたわね」

『でチュねー』

 さて、恒葉星の竜呪の舌がいい感じに焙れた。

 と言う訳で賞味。


「んー……不思議な触感と味ね……肉であるはずなのに、野菜を食べているような感じもあるし……肉とも野菜ともつかない感じもあるわね……」

『フレーバー通りの異次元と言う事でチュねぇ』

 うん、不思議な味だった。

 でも美味しい、とても美味しい。

 そしてこれで『劣竜式呪詛構造体』もアップデートされたはずだ。


≪呪い『劣竜式呪詛構造体』がアップデートされました≫

≪呪い『空中浮遊』が変化し『座標維持』になりました≫

「んん?」

『どうしたでチュか? たるうぃ』

「『劣竜式呪詛構造体』だけじゃなくて、『空中浮遊』までアップグレードされて、名称が変化したわ」

『それは……まあ、悪い事ではないと思うでチュよ』

 何故か『劣竜式呪詛構造体』だけでなく、『空中浮遊』まで強化された。

 いや、何故かでもないか。

 恒葉星の竜呪は翼どころか胴体すらないのに、空中に浮遊しているカースなのだし。


「うーん、『座標維持』ねぇ……」

 それよりも気にするべきは『空中浮遊』が『座標維持』に変化したことで、何が出来るようになったかだ。

 とりあえず現状では、私の体はいつも通りに空中に浮いていて、特に力を加えたり意識したりしなければ、地面から一定の距離を保っている。

 なので、これまでに出来た事が出来なくなった、と言うのはなさそうである。


「シャアッ……」

「戦いながら試すしかなさそうね」

『でチュねぇ』

 では、新しい恒葉星の竜呪が現れたので、戦いながら試してみるとしよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 座標維持かぁ、浮かない事も出来るのかな? 足元が動いてる時は自分で着いて行かないといけないのかしら
[一言] 利用可能な上に、超威力という。お手軽さくさく。 そこそこの頻度で降り注ぐ隕石群、ちょっと気を抜いたりすると巻き込まれますね。 ああ、さくっと片付けられると発動できないギミックで超新星爆発…
[一言] >接近→すれ違い様に『恒星の邪眼・3』→そのまま恒葉星の竜呪の背後に移動して転移を誘発→呪詛の剣と隕石のサンドイッチ。 淀馬並みに容易く狩られててシダ >逃げた事を咎める気はないが、文句は…
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