828:タルウィチャム・3・3rd-5
本日は五話更新になります。
こちらは五話目です。
「事……。もう戻されたわね。そして、うぶぅ……」
「戻されたでチュね。で、『竜活の呪い』終了でチュか」
「魅了の眼宮が解放されたでしょうけど、とりあえず一時間は動けないわねー」
「でチュねー」
私たちは元の場所に戻された。
で、効果時間は幾らか残っていたが、私は『竜活の呪い』の効果時間を終了させて、そのデメリットを受けてその場に転がる。
まあ、干渉力低下、恐怖、呪詛操作不可、いずれも非戦闘区域でならば致命的な状態異常ではないので、この状態でもやれる事を進めるとしよう。
「じゃあまずは確認ねー」
「でチュねー」
では、『魅了の邪眼・3』の性能を確かめてみよう。
△△△△△
『魅了の邪眼・3』
レベル:45
干渉力:140
CT:15s-30s
トリガー:[詠唱キー][動作キー]
効果:対象周囲の呪詛濃度×1+5の魅了(畏怖)を与える
対象が使用者に抱く好感度の絶対値が高い程、効果に上方修正がかかる。
伏呪
トリガー:[発動キー]
効果:この呪術の効果によって生じた魅了(畏怖)を受けている対象のHPが0になった場合、魅了(畏怖)のスタック値が0になるまで生前と同じように活動する。この効果が発動している限り、対象のHPの回復と戦闘不能の解除は出来ない。
貴方の目から放たれる呪いは、敵がどれほど堅い守りに身を包んでいても関係ない。
全ての守りは破れずとも、相手の心の内に直接畏怖の念を生じさせるのだから。
そして、死してもなお畏怖の念は途絶えない。
注意:使用する度に自身周囲の呪詛濃度×1のダメージを受ける。
注意:対象は使用者の姿を認識していなければいけない。
注意:伏呪使用時には更にHPが自身周囲の呪詛濃度×2のダメージを受ける。
注意:レベル不足ではあるが、その事による悪影響の類は生じていないようだ。(特殊裁定)
▽▽▽▽▽
「うわぁ……超強化されてる……」
「凄い強化具合でチュね……邪火太夫が相手だったからでチュかね?」
「そういう事でしょうね。記憶が間違っていないなら付ける気がなかった伏呪も付いているし」
うん、1から3にジャンプアップさせただけでは説明がつかない程に強化されている。
レベル不足なのに特殊裁定で問題がないことにされている。
準備時間が減りも減って、半減。
これまでのトリガーが固定された動き+設定した詠唱を必要としていたのに、分離させた上にどちらも自由設定可能。
単純な効果の上昇。
極めつけに付けるつもりのなかった伏呪が付き、その内容があの試練中に邪火太夫がやっていた事そのままである。
「うん、何度見返しても強いわ。これ」
「対策をしていない相手なら、これ一つで壊滅させられるレベルでチュよねぇ」
ちなみに伏呪をつける際のトリガーについては、動作部分は『魅了の邪眼・1』の時と同じ投げキッスのポーズであり、詠唱部分については『魅了の邪眼・3』となっている。
「まあ、だからこそ魅了の眼宮突入時が怖いわけだけど」
「対策をしていなかったら壊滅するでチュねぇ……」
では確認が終わったところで、次。
まずは掲示板に邪火太夫討伐完了とそのことに対する感謝の書き込みをする。
で、その際に協力者たちが何のアイテムを貰ったかについて調べてみたのだが……どうやら素材の方は周囲の呪詛濃度が24以上の空間でないと急速に劣化していくとのことで、『虹霓鏡宮の呪界』で相応の準備を整えないと取り出すことも叶わないらしい。
「で、なんでチュかこれ?」
「さあ?」
また、素材だけではなく優待券なるアイテムも配られたらしい。
うん、そう、優待券だ。
そういう名前の別の何かではないかと疑ったし、あまりにも気になったので、『虹霓鏡宮の呪界』に居たシロホワとロックオにも見せてもらったが、本当に優待券が配られたらしい。
それと、普通のプレイヤーは一枚だけだったがシロホワやロックオと言った、邪火太夫との戦いで活躍したと思われている一部のプレイヤーは複数枚貰ったらしい。
「すみません、タルさん。デメリットがきついのは私たちも分かっているんですけど……」
「……。すまない、侵入許可を出してもらえると助かる」
「うんまあ、こういう事なら許可するわ。私を戦力としないことを前提として、挑んでみましょう」
「じゃあ、タル。こっちで準備をしておくわ」
まあ、どこで使うかの想像は付く。
魅了の眼宮だ。
そして配ったのは『悪創の偽神呪』ではなく邪火太夫だろう。
で、優待の内容が施設利用料のサービスとか書かれているので、そういう施設が魅了の眼宮に存在することになり……そうなると、戦闘になる可能性も低いかもしれない。
邪火太夫の性格の悪さがあるので、準備はきっちりしてから挑むが。
「では……突入!」
と言う訳で、収奪の苔竜呪討伐を中止して戻ってきてくれたザリアを中心に準備。
それが終わったところで、シロホワの状態異常無効化バフを貰った上で、桃色の鏡の扉を通り、魅了の眼宮に突入する。
「ん?」
「チュア?」
そして突入と同時に私たちは唖然とさせられた。
まず、突入と同時に邪眼術の照射が行われなかった。
加えて私たちの前に現れたのは、敵ではなく高さ20メートル前後の巨大な門であり、門の向こう側には夜空を隠すような煌びやかな光と心地よい音楽があるようだった。
「よくぞお越しくださいましタ。楼主様」
「ーーー……」
そうして予想していなかった状況に困惑する私たちの前に、何処からともなく邪火太夫……それに『沈黙の邪眼・3』の試練の時に戦った、アルビノの兎黙の竜呪が現れた。
△△△△△
『虹霓竜瞳の不老不死呪』・タル レベル43
HP:2,035/4,260 (-1,269)
満腹度:100/150 (-45)
干渉力:142
異形度:28
交信-[ID]、虫の翅×6、増えた目×11、空中浮遊、呪憲・瘴熱満ちる宇宙、遍在する内臓、劣竜式呪詛構造体(劣竜血、劣竜骨髄、劣竜肉、劣竜瞳、劣竜皮、劣竜角×2)
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の王』、『灼熱の達人』、『沈黙の名手』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖の達人』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『魅了使い』、『重力使い(増)』、『石化使い』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『3rdナイトメアメダル-赤』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『竜狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹霓竜瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『呪海渡りの呪人』、『泡沫の世界の探索者』、『確立者』、『崩界者』、『七つの大呪を排するもの』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・3』、『灼熱の邪眼・3』、『気絶の邪眼・3』、『沈黙の邪眼・3』、『出血の邪眼・2』、『小人の邪眼・2』、『淀縛の邪眼・2』、『深淵の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・3』、『暗闇の邪眼・3』、『魅了の邪眼・3』、『石化の邪眼・2』、『重石の邪眼・2』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『交信-活性』、『交信-抑制』、『交信-選別』、『風化-活性』、『風化-抑制』、『風化-排斥』、『魔物-活性』、『魔物-排斥』、『反魂-活性』、『反魂-排斥』、『転写-活性』、『転写-排斥』、『再誕-活性』、『再誕-排斥』、『蠱毒-活性』、『蠱毒-簒奪』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』、『化身』、『噴毒の華塔呪』、『瘴弦の奏基呪』、『禁忌・虹色の狂創』
呪術-ジタツニ:
『砂漠の呪い』、『抗体の呪い』
呪術-ネツミテ:
『太陽の呪い』、『熱波の呪い』、『埋葬の鎖』
呪術-ドロシヒ:
『虚像の呪い』、『貯蓄の呪い』
呪術-ドゴスト:
『竜息の呪い』、『竜活の呪い』、『埋葬の鎖』
呪術-トテロリ:
『転移の呪い』、『不明の呪い』
呪術-ニネナナ:
『選択する呪い』、『虹霓外の瞳』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』、『呪法・呪宣言』、『呪法・極彩円』、『呪法・呪晶装填』、『呪法・逆残心』
所持アイテム:
『竜鱗渇鼠の騎帽呪』ザリチュ、『地憑きの羽衣呪』ジタツニ、『陽憑きの錫杖呪』ネツミテ、『星憑きの玉輪呪』ドロシヒ、『竜憑きの袋呪』ドゴスト、『魔憑きの指輪呪』トテロリ、『虹憑きの根付呪』ニネナナ、鼠毒の竜呪の歯短剣×2、鑑定のルーペ、フェアリースケルズ、蜻蛉呪の望遠鏡、etc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール、呪詛貯蓄ツール×5設置、『熱樹渇泥の呪界』・『入子屋敷の呪地』・『塩砂湖畔の呪地』接続済み
システム強化
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2、長期保管用カプセル、『満腹の竜豆呪』ハオマ
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02/18誤字訂正




