810:ハングパレス-4
「さて、解体していきましょうか。『熱波の呪い』」
「でチュねー」
『虹霓鏡宮の呪界』を脱出した私は共用の解体スペースで渇猿の竜呪の壺部分と巨人部分の解体をそれぞれに行っていく。
ただ、壺の方はともかく、巨人の方はサイズがサイズであるため、『熱波の呪い』を使って当たり判定を持たせた上で呪詛を集めて刃物を生成、それを用いて解体を行う。
また、原始呪術の『風化-排斥』も利用、ロスは一切許さないようにする。
「壺の方は簡単ね。ザリチュは触れないけど」
「まあ、ふやけているでチュからねぇ」
壺部分の解体はふやけて柔らかくなっているので、簡単だった。
回収できたのは……顔や腕を構成していた泥状の物体、爪、歯、壺の中にたまっていた赤いゼリーの四種類か。
泥も赤いゼリーも大量の水分を保有しているらしく、少し押すと、大量の呪詛を含んだ水分が溢れてきて、溢れた水分は直ぐに蒸発して周囲の呪詛濃度を上げる。
では、巨人の解体が終わるまでに鑑定をしておこう。
△△△△△
渇猿の竜呪の泥
レベル:40
耐久度:100/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:15
渇猿の竜呪の珠部分を構成する泥。
外部からのあらゆる刺激を真っ赤な液体に変える力を持つ。
この世ならざる存在である竜の一部……ではあるのだが、一見しただけではそうとは分からないだろう。
注意:異形度14以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
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渇猿の竜呪の爪
レベル:40
耐久度:100/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:15
渇猿の竜呪の珠部分を構成する硬質な物体。
触れたものをしっかりと掴むのに適した構造と硬さを持つ。
この世ならざる存在である竜の一部……ではあるのだが、一見しただけではそうとは分からないだろう。
注意:異形度14以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
▽▽▽▽▽
△△△△△
渇猿の竜呪の歯
レベル:40
耐久度:100/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:15
渇猿の竜呪の珠部分を構成する硬質な物体。
口の中に運び込まれたものを削り取り、噛み砕くのに適した構造と硬さを持つ。
この世ならざる存在である竜の一部……ではあるのだが、一見しただけではそうとは分からないだろう。
注意:異形度14以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
▽▽▽▽▽
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渇猿の竜呪の赤泥
レベル:40
耐久度:100/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:16
渇猿の竜呪の珠部分の内部に存在する真っ赤な泥。
大量の呪詛と水分を含んでいるが、この呪詛と水分はとても揮発しやすい。
この世ならざる存在である竜の一部……ではあるのだが、一見しただけではそうとは分からないだろう。
注意:異形度15以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が10以下の空間では存在できない。
▽▽▽▽▽
「なんとなくだけどレア度が低い気がする」
「実際低いと思うでチュよ。普通に倒したら、こっちの素材しか手に入らないんでチュから」
使い道は……泥と赤泥をただ乾燥させたりとか、焼き物にしたりすれば、何かがある気がする。
歯と爪はまあ、適当に使っていい素材だろう。
「で、巨人の方はどうなんでチュ?」
「見ての通りだけど?」
「豪快でチュねぇ……」
「だってサイズがサイズだもの」
さて、巨人の解体だが、そちらはまるで死んだはずの巨人が独りでに踊りつつ、自分の皮や肉を剥がしていくようにも見える光景だった。
まあ、実際には呪詛の鎖やジャッキで体を持ち上げ、呪詛の剣を関節に入れ、その上で巨人の体を動かすことによって効率的に解体しているのが、そう見えるだけなのだが。
やがて解体は終わり、回収できたのは……骨、牙、角、干し肉のような肉、鱗付きの皮の五種類。
巨人部分を実体化させる手順を考えると、皮>肉>その他の順で希少性があると思う。
では、鑑定していこう。
△△△△△
渇猿の竜呪の骨
レベル:40
耐久度:89/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
渇猿の竜呪の竜部分を構成する骨。
その大きさに反して非常に軽く、しかし十分な強度を有している。
この世ならざる存在である竜の骨は、ただ在るだけでも威厳に溢れる。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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渇猿の竜呪の牙
レベル:40
耐久度:95/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
渇猿の竜呪の竜部分の口内に存在する太くて大きな牙。
その大きさに反して非常に軽く、しかし十分な強度を有している。
この世ならざる存在である竜の牙は、ただ在るだけでも威厳に溢れる。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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渇猿の竜呪の角
レベル:40
耐久度:92/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
渇猿の竜呪の竜部分の頭部から伸びる立派な角。
その大きさに反して非常に軽く、しかし十分な強度を有している。
この世ならざる存在である竜の角は、ただ在るだけでも威厳に溢れる。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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渇猿の竜呪の肉
レベル:41
耐久度:99/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
渇猿の竜呪の竜部分を構成する肉。
良く乾いたように見えるその肉は、尋常ならざる巨体を支えるだけでなく、素早く動かせるように力が満ちているが、そのままを人が食べれば一口で呪いそのものと化すだろう。
この世ならざる存在である竜の肉は、この世ならざる美味でもある。
注意:異形度19以下の存在が食べると、100%の確率でランダムな呪いを異形度が20になるまで複数個、恒常的に得ます。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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渇猿の竜呪の鱗皮
レベル:42
耐久度:86/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
渇猿の竜呪の竜部分の全身を覆う鱗が生え揃った皮。
柔軟でありながら、非常に強くもある鱗に覆われた皮は、呪いに関わる力を持たなければ傷一つ付けられず、低位の呪いでもそれは同様である。
この世ならざる存在である竜の鱗は、加工出来ずとも勲章となりえる。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、乾燥(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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「なるほどなるほど」
「明らかに肉と鱗皮のスペックが高いでチュねぇ」
≪呪い『劣竜式呪詛構造体』がアップデートされました≫
なんというか実に分かりやすい。
骨、牙、角が汎用素材であるとするなら、肉がレア素材で、鱗皮が激レア素材であり、性能もまたそれに比例するような感じがある。
いやまあ、実際にはそれぞれ方向性が違うので、単純比較はするべきではないのだけど。
とりあえず渇猿の竜呪の肉は軽く焙ってから食べてみた。
人に近い形であるためか、苦さと渋さを濃縮して、敢えて不味くしてあるような味だった。
便利な薬になりそうな気配も同時にしているが。
「ザリチュ」
「鱗皮ならざりちゅの強化に使えると思うでチュよ」
「そう。だったら、使いましょうか」
で、鱗皮はザリチュ本体の強化に使えそう、と。
うん、使おう。
後は骨、牙、角が化身ゴーレムの防具に使えそうなぐらいだろうか?
では、解体情報を掲示板に載せて……手に入れたアイテムの分配は他のプレイヤーが戻ってくるのを待つ必要があるから、置いておいて……。
他のプレイヤーが戻ってくるまで、奥地に赴いたクカタチたちの様子でも窺ってみようか。
02/03誤字訂正
06/13誤字訂正




