805:5thナイトメアアフター-2
「怠いわねぇ……」
『仕方がないでチュよ。たるうぃ』
イベント終了と同時に私は『ダマーヴァンド』のセーフティーエリア内に戻された。
呪詛濃度不足によるペナルティは解除されたが、他の要因による阻害は変わらずなので、身動きはまだ出来ない。
「とりあえず『化身』」
「荷物の整理をしてくればいいんでチュね」
「ええ、お願いするわー」
が、やるべき事はやらなければいけない。
と言う訳で、とりあえず化身ゴーレムを作成し、今回のイベントで入手したアイテムや素材を放置しておいても大丈夫なように処理を施させる。
で、それらの作業をザリチュがやっている間に、自分のステータスを鑑定してみる。
「ん? んー、あー、『七つの大呪に並ぶもの』、『いずれも選ばなかったもの』が消えているわねぇ」
『『七つの大呪を排するもの』に統合された感じでチュか?』
「かもしれないわね」
変化はまあ、色々とある。
詳細まで確認していこう。
△△△△△
『崩界者』
効果:???
条件:己の理によって他の理を崩壊させる
他者が抱く世界を崩壊させたものに与えられる称号。
だがこれは仮免許のような物でもあり、真の意味を理解するために行くべき道はまだまだ長い。
▽▽▽▽▽
「『呪憲・瘴熱満ちる宇宙』を利用した世界の崩壊が取得条件と言うところかしら」
「っぽいでチュねぇ」
まずは『崩界者』。
効果不明称号。
まあ、ほぼ間違いなく『確立者』と同格の称号であり、外天呪とやらに関わってくる称号なのだろう。
それ以上についてはいずれ明らかになる機会もあると思っておこう。
△△△△△
『七つの大呪を排するもの』
効果:特定NPCとの友好度変化率上昇(大)、原始呪術のデメリット緩和、修正前の呪詛濃度が呪詛濃度10以下の空間でペナルティ発生。
条件:この世を為す七つの呪いの名前を知り、原始呪術を七つ以上習得。それらの排斥あるいは排斥に準ずる振る舞いを実行可能とする。
貴方はこの呪われた世界の根幹に存在する七つの大呪全てを知り、その力を行使する……だけでなく排する事も可能とした。
それは己の理を有し、限りなき呪いの世界の底すらも、己の大地として歩まんとするような異常極まる存在。
理解しがたきもの。
この世の呪いとは異なる起源を持つ呪いよ、汝は何を望まんとする?
同じ称号を得た者にしか、この称号の存在は告げてはいけない。
▽▽▽▽▽
「もはやダンジョンの外にすら出れない件について」
「今のたるうぃがダンジョンの外に出たら大惨事にしかならないんでチュから、丁度いいんじゃないでチュか?」
「まあ、それはそうだけど」
『七つの大呪を排するもの』は『七つの大呪に並ぶもの』とそんなに違わないか。
ペナルティの発生条件が緩くなると言うのは、ちょっと勘弁してもらいたかったが。
いやでも、ちょっと待て?
『呪憲・瘴熱満ちる宇宙』が弄れる範囲に修正前の呪詛濃度が含まれていないなんて、誰が決めた?
むしろ、今回のイベント中に色々とやらかしたことや、交流マップの件も考えると……うん、弄れるかもしれない。
明日以降、ちょっと考えておこう。
「たるうぃが嫌な笑みを浮かべているで、チュアアアアアァァァァァッ!?」
とりあえずザリチュは呪詛操作だけで疑似的に抓っておいた。
物理的には抓れていないが、精神的には抓られるので、声を上げさせるぐらいは出来るようだ。
「さて、原始呪術ねー」
では最後に原始呪術について。
一気に七つも手に入れてしまったがさて……。
△△△△△
『不老不死-選別』
レベル:1
干渉力:100+発動者のレベル
CT:なし
トリガー:思考発動
効果:『七つの大呪』の一つ、『不老不死』の呪いの効果対象を選別する。
『不老不死』の呪いとはこの世を為す七つの呪いの内の一つである。
最も新しき大呪であり、維持と変化、相反する要素を兼ね合わせる。
「私は貴方の選択を受け入れましょう。招き繋いだものの責任として」
▽▽▽▽▽
△△△△△
『風化-排斥』
レベル:1
干渉力:100+発動者のレベル
CT:なし
トリガー:思考発動
効果:『七つの大呪』の一つ、『風化』の呪いの影響を排除する。
『風化』の呪いとはこの世を為す七つの呪いの内の一つである。
最も古き大呪であり、虚無と終焉に通じるが、救いはない。
「許さない。我への贄を奪うものは決して。この報いは必ずや……」
▽▽▽▽▽
△△△△△
『魔物-排斥』
レベル:1
干渉力:100+発動者のレベル
CT:なし
トリガー:思考発動
効果:『七つの大呪』の一つ、『魔物』の呪いの影響を排除する。
『魔物』の呪いとはこの世を為す七つの呪いの内の一つである。
二番目の大呪であり、秩序と変化に通じるが、それ以上に孤独である。
「許し難イ。私の手駒を奪おうとするとハ」
▽▽▽▽▽
△△△△△
『反魂-排斥』
レベル:1
干渉力:100+発動者のレベル
CT:なし
トリガー:思考発動
効果:『七つの大呪』の一つ、『反魂』の呪いの影響を排除する。
『反魂』の呪いとはこの世を為す七つの呪いの内の一つである。
三番目の大呪であり、秩序と維持に通じるが、進歩からも背き続ける。
「妬ましい。他のものとの縁を必要としない力が妬ましい」
▽▽▽▽▽
△△△△△
『転写-排斥』
レベル:1
干渉力:100+発動者のレベル
CT:なし
トリガー:思考発動
効果:『七つの大呪』の一つ、『転写』の呪いの影響を排除する。
『転写』の呪いとはこの世を為す七つの呪いの内の一つである。
四番目の大呪であり、混沌、始原、変化、様々な要素に繋がり、肥大を続けるが、唯一だけはない。
「借り物ではない世界。我々が求めたものを持つか。ああ、何としてでも……」
▽▽▽▽▽
△△△△△
『再誕-排斥』
レベル:1
干渉力:100+発動者のレベル
CT:なし
トリガー:思考発動
効果:『七つの大呪』の一つ、『再誕』の呪いの影響を排除する。
『再誕』の呪いとはこの世を為す七つの呪いの内の一つである。
五番目の大呪であり、混沌と維持に通じるが、先駆することは出来ない。
「怨みを! 貴様に対する恨みの薪を! 貴様は我らの炉ではなく己の炉にくべようと言うのか!!」
▽▽▽▽▽
△△△△△
『蠱毒-簒奪』
レベル:1
干渉力:100+発動者のレベル
CT:なし
トリガー:思考発動
効果:『七つの大呪』の一つ、『蠱毒』の呪いの効果を奪い取る。
『蠱毒』の呪いとはこの世を為す七つの呪いの内の一つである。
六番目の大呪であり、混沌と変化に通じるが、秩序には縁遠い。
「奪い取るのは私の力だ! その私から奪おうと言うのか! この責は必ずや負わせてくれる!! あらゆる手管を尽くしてくれる! 覚悟しておけ! 私を敵に回すと言う事は……」
▽▽▽▽▽
「……。あ、はい」
「これ、向こうから仕掛けてくるのもあるんじゃないでチュか?」
「あるかもしれないわねぇ……」
効果については流していい。
問題はフレーバーテキストの内容。
どう見ても、いつぞや……ズワムを倒した後に遭遇した『七つの大呪』たちが語っているようにしか見えない。
そして、『不老不死』の呪い……と言うか聖女ハルワ以外からの友好度は最悪であり、何時攻めてきてもおかしくはない、と。
特に『蠱毒』の呪いからは嫌われており、一触即発の状態である、と。
ふむふむ。
「まあ、挑んで来るなら、返り討ちにしてやろうとは思うけど」
「たるうぃならそうでチュよねぇ……」
うん、返り討ちに出来るならしよう。
「あ、ようやく終わったわね。さて、今日はもうログアウトするわ」
「分かったでチュ」
では、今日の所はログアウトして、明日からは色々と動くとしよう。
△△△△△
『虹霓竜瞳の不老不死呪』・タル レベル42
HP:2,822/4,230 (-1,269)
満腹度:50/150 (-45)
干渉力:141
異形度:28
不老不死、虫の翅×6、増えた目×11、空中浮遊、呪憲・瘴熱満ちる宇宙、遍在する内臓、劣竜式呪詛構造体(劣竜血、劣竜骨髄、劣竜肉、劣竜瞳、劣竜皮、劣竜角×2)
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の王』、『灼熱の達人』、『沈黙の名手』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖の達人』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『魅了使い』、『重力使い(増)』、『石化使い』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『3rdナイトメアメダル-赤』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『竜狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹霓竜瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『呪海渡りの呪人』、『泡沫の世界の探索者』、『確立者』、『崩界者』、『七つの大呪を排するもの』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・3』、『灼熱の邪眼・3』、『気絶の邪眼・3』、『沈黙の邪眼・3』、『出血の邪眼・2』、『小人の邪眼・2』、『淀縛の邪眼・2』、『深淵の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・3』、『暗闇の邪眼・3』、『魅了の邪眼・1』、『石化の邪眼・2』、『重石の邪眼・2』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『不老不死-活性』、『不老不死-抑制』、『不老不死-選別』、『風化-活性』、『風化-抑制』、『風化-排斥』、『魔物-活性』、『魔物-排斥』、『反魂-活性』、『反魂-排斥』、『転写-活性』、『転写-排斥』、『再誕-活性』、『再誕-排斥』、『蠱毒-活性』、『蠱毒-簒奪』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』、『化身』、『噴毒の華塔呪』、『瘴弦の奏基呪』、『禁忌・虹色の狂創』
呪術-ジタツニ:
『砂漠の呪い』、『抗体の呪い』
呪術-ネツミテ:
『太陽の呪い』、『熱波の呪い』、『埋葬の鎖』
呪術-ドロシヒ:
『虚像の呪い』、『貯蓄の呪い』
呪術-ドゴスト:
『竜息の呪い』、『竜活の呪い』、『埋葬の鎖』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』、『呪法・呪宣言』、『呪法・極彩円』、『呪法・呪晶装填』、『呪法・逆残心』
所持アイテム:
『竜鱗渇鼠の騎帽呪』ザリチュ、『地憑きの羽衣呪』ジタツニ、『陽憑きの錫杖呪』ネツミテ、『星憑きの玉輪呪』ドロシヒ、『竜憑きの袋呪』ドゴスト、鼠毒の竜呪の歯短剣×2、解き拒みの指輪、鑑定のルーペ、フェアリースケルズ、蜻蛉呪の望遠鏡、『虹霓鏡宮の呪界』の鏡扉除け、etc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール、呪詛貯蓄ツール×5設置、『熱樹渇泥の呪界』・『入子屋敷の呪地』・『塩砂湖畔の呪地』接続済み
システム強化
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2、長期保管用カプセル、『満腹の竜豆呪』ハオマ
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01/29誤字訂正