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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
10章:『虹霓鏡宮の呪界』
685/1000

685:アップグレード-5

「さて出来たわね」

「でチュねー」

 日が変わって火曜日。

 今日の私はいつもの確認を済ませると、今後必要となるであろうアイテムの製作を行った。


「では鑑定」

 と言う訳で先ずは一品目。

 見た目は虹色に輝く、小指の爪ほどの錠剤だ。



△△△△△

虹色の微毒薬

レベル:40

耐久度:100/100

干渉力:139

浸食率:100/100

異形度:15


『虹霓竜瞳の不老不死呪』タルが作成した特殊な錠剤。

その用途は極めて限られるだろう。


服用すると、服用者のあらゆる耐性を無視して、毒(1)、灼熱(1)、悪臭(1)、気絶(1)、強制移動(1)、沈黙(1)、出血(1)、小人(1)、巨人(1)、干渉力低下(1)、恐怖(1)、UI消失状態(1)、乾燥(1)、暗闇(1)、魅了(1)、魅了(畏怖)(1)、石化(1)、質量増大(1)、重力増大(1)を付与する。

▽▽▽▽▽



「問題なしね。これで『抗体の呪い(スリブセルブ)』が使い物になるわ」

「服用からスタック値が消える10秒間が怖いでチュけどね」

「そこは安全圏で飲めばいいわよ」

 虹色の微毒薬。

 これは私の血、『ダマーヴァンド』の毒液、竜呪の肉の混合物を『呪法(アドン)貫通槍(ピアース)』を乗せた『気絶の邪眼・3(タルウィスタン)』を使いつつ呪怨台で呪ったものである。

 用途は『抗体の呪い』を発動するのに必要な状態異常を問題のないレベルで手軽に受ける事。

 今後、重要な戦闘の前に飲んでおき、『抗体の呪い』を使っておけば、私が使える呪術で付与可能な状態異常への耐性は万全と言えるだろう。


「次はこっちね」

 で、ちょっと問題のある二品目。

 見た目は白色の円筒形の物体、サイズは500mlのペットボトルくらいだろうか。



△△△△△

D5Ks3Ca-TsB-190917-001

レベル:40

耐久度:100/100

干渉力:150

浸食率:100/100

異形度:19


『虹霓竜瞳の不老不死呪』タルが、『竜憑きの袋呪』ドゴストの『竜息の呪い(クニルドセルブ)』の射出方法3で用いるために作成したカートリッジ。

極めて頑丈な容器の内側には高濃度の呪詛、揮発性と可燃性の高い液体が詰まっており、取り扱いを間違えれば大惨事は免れないだろう。


内容物が外気に接すると気化し、いずれかの発動条件を満たした相手に作成時に『虹霓竜瞳の不老不死呪』タルが使用可能な邪眼術を1~6個発動する。

発動条件:初接触時、気化した物質に10秒以上接触している、気化した物質に接触している状態で気化した物質による邪眼術以外でダメージを受ける。


注意:内容物が火に接触すると激しく燃え上がりますが、この火が燃え尽きない限りは内容物の効果は残っています。

▽▽▽▽▽



「いやぁ、中々にヤバい代物が出来上がったわね……」

「ヤバいで済むんでチュかねぇ……」

 D5Ks3Ca-TsB-190917-001。

 何かの機械の型式番号のような名前だが、要するに、ドゴストの『竜息の呪い(クニルドセルブ)』の射出方法3で用いるカートリッジ、タルの血入り、2019年9月17日作成の一本目、と言う事である。

 その名前の通り、用途は『竜息の呪い』の射出方法3……私の口からブレスのように射出物を放つ攻撃での使用。

 材料は私の血、揮発性と可燃性を高めたズワムの油、『ダマーヴァンド』の毒液、竜呪の骨で、三種類の液体の混合物を竜呪の骨で作った容器に注ぎ込み、封入し、呪怨台で呪ったものである。

 ちなみにとりあえずで三本ほど作ってみたが、最後の数字はそれぞれ異なる。


「ヤバいで済むと……思うわ」

「いや、絶対大惨事になるでチュよ。これ」

 性能については試してみないと分からないが、とりあえず『熱波の呪い(ドロクセルブ)』と組み合わせれば、射出先を火の海にするとともに、恐ろしい数の邪眼術を浴びせる事が可能になるだろう。

 なので、威力が足りないと言う事だけはないはずだ。


「それよりも問題は名称の方よ。これ、ロットナンバーよね」

「まあ、そう見るしかないでチュね。で、それが何か問題なんでチュか?」

 しかし、威力が高くなり過ぎた代償だろうか?

 実際に使用する際に問題が生じる事になった。


「射出時にロットナンバーまで指定しないと射出できない」

「あー……それは……面倒でチュね」

 詠唱キーで『竜息の呪い』を発動する場合、『竜息の呪い』-射出方法-射出物の順に詠唱する必要がある。

 その際、射出物の部分については、例えばズワムの鱗ならば正式名称である『路削ぎの蚯蚓呪』ミミチチソーギ・ズワムの鱗ではなく、ズワムの鱗とだけ言えば射出が可能だ。

 だが、このカートリッジの場合には、D5Ks3Ca-TsB-190917-001と言う恐ろしく長く、複雑で機械的な名称を間違えずに言う必要があるようなのだ。


「となると動作キーも個別登録でチュか?」

「ええ、個別登録よ」

 また、動作キーで『竜息の呪い』を発動する際には事前に射出方法と射出物の設定までしておく必要があるのだが、こちらでもカートリッジを射出物に設定する際にはロットナンバーまで指定しておく必要がある。

 つまり、同一の動作キーでは連射が出来ないようになっているのだ。


「使いづらいでチュねぇ。切り札にしろって事でチュかね?」

「まあ、そういう事なんでしょうね」

 と言う訳で、新たな呪術の為の準備は出来たものの、準備をしてもなお使いこなすには問題があるようだった。

 まあ、とりあえずD5Ks3Ca-TsB-190917-001の動作キーでの発動登録はしておこう。

 使いたいときに使えないのは困る。


「さて出かけましょうか」

「でチュね」

 では、今日の活動を始めるとしよう。

10/06 文章調整

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― 新着の感想 ―
[気になる点] D5Ks3Ca-TsB-190917-001 何かに命名則に元ネタとかはあるのでしょうか? ただのランダムな英数字?
[一言] いちいち自分で言わないといけないのか……間違えそう
[一言] 作る数を1日10個以下にして末尾の数字と指の数を対応させる形で動作キーを登録すれば、最大10個までは割と簡単に管理できそうですかね。 使ったら同じ末尾の物を登録し直せば良いですし。
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