662:タルウィダーク・3-5
本日は五話更新になります。
こちらは五話目になります。
「ふむ。今回は中々だったな。『虹霓竜瞳の不老不死呪』タル、『竜狩りの呪人』ライトリカブト」
「お褒めにあずかり光栄。とでも言っておけばいいかしら?」
「頑張った甲斐はあったようです」
『悪創の偽神呪』の声が聞こえてくる。
つまり、試練そのものについては無事に終了、と。
「では、これで試練は終了。『竜狩りの呪人』ライトリカブトに対する私からの報酬については、この空間から元の世界に戻ったら届ける。添付した説明書をよく読んでから実体化させるように」
「分かりました」
では、完全に試練が終わって、元の世界に戻される前に観客の顔ぶれを改めて見ておこう。
まずマネキン人形。
これを操っているのはやはり数合わせと言うか、私と同格からちょっと強いくらいのカースな気がする。
いや、『虹霓鏡宮の呪界』に居るあの二体のカースのように、本体が戦うなら私など歯牙にもかけないのかもだが、マネキン人形と言う制限がかかっている状態だと強くは見えない。
「さて、私以外からの報酬は……まあ、渡したい奴は勝手に渡しに来るか。受け取るかはよく考えた方がいいと言っておくし、断る時には私の名前を出せばいいとも言っておくが」
「……。分かりました」
次にイベントでのゲストアバターに似た人形。
よく見ると目の部分がただの丸ではなく、獅子、蛇、豚などの動物をモチーフにしたものであるようだ。
七つの大罪を象徴するような動物を使われているようだし、やはり『七つの大呪』が中身と見ていいだろう。
あ、獅子の目の仮面を付けた人形と目があった。
こう、何と言うか……『頑張ったのは認めるけれど、毎回こんな馬鹿な事をしているの? この呪限無の化け物は』的な目を向けられている気がする。
「ふむ。客が気になるか?」
「当然でしょう? 突然の千客万来だもの。気にならない方がおかしいわ」
最後に完全に人間の姿をしている三人。
この三人は『悪創の偽神呪』がアバターを用意する必要がない三人とも言えるし、中身はほぼ間違いなく偽神呪だろう。
で、紫色の髪にモノクルを付けたラフな格好の男性については仮称裁定の偽神呪でいいとしてだ。
残りの二人……銀髪でメイド服の上から白衣を身に着けた女性、黒髪で黒のローブを身に着けた輪郭が朧げな男性、この二人は何者だろうか?
まあ、『悪創の偽神呪』の同格と言う時点で迂闊なことは出来ないのだが。
特に輪郭が朧げな奴は何と言うか……嫌な気配を感じる。
「くくく、機会があれば、奴らの方から勝手に接触してくると思うがな」
「一人については生理的な嫌悪感すら感じるから、接触はしたくないわね」
観客席の客たちが消え始める。
今回は顔見せ、と言う事だろうか?
「では、試練はこれで終了だ。そろそろ備えていてもなお勝てるとは限らなくなるだろうから、心しておくことだ」
「そう。だったらなおの事一回で突破する事を目指してみたいわね」
≪呪術『暗闇の邪眼・3』を習得しました≫
≪タルのレベルが40に上がった≫
そうして私とライトリは元の世界に戻された。
『戻ってきたでチュね』
「戻ってきたでチュよーっと」
私は元の世界に戻ってくると、とりあえずザリチュを着用。
そして直ぐに『暗闇の邪眼・3』の性能確認をする。
△△△△△
『暗闇の邪眼・3』
レベル:39
干渉力:140
CT:20s-20s
トリガー:[詠唱キー][動作キー]
効果:対象に火炎属性(中)と呪詛属性(中)の複合属性ダメージ+周囲の呪詛濃度×2.5の暗闇を与える。
対象の異形度が低い程、ダメージが増加する。
伏呪
トリガー:[詠唱キー]
効果:この呪術の効果によってダメージが生じた場合、ダメージが生じた場所に(使用者のレベル+使用者の異形度+使用した目の数+周囲の呪詛濃度)秒間、黒色の炎を発生させる。この炎は光を一切通さず、触れたものに火炎属性と呪詛属性のダメージを与える。
貴方の目から放たれる呪いは、敵がどれほど堅い守りに身を包んでいても関係ない。
全ての守りは破れずとも、相手の守りの内から直接闇を生じさせるのだから。
そして、深き闇の炎は世界に陰りを与え続ける。
注意:使用する度にHPと満腹度が1減少し、周囲の呪詛濃度×1の灼熱を受ける。
注意:伏呪使用時には更にHPが1減少する。
▽▽▽▽▽
「純粋強化……だけじゃないわね」
『伏呪は予定通りでチュけど、相手の異形度が低いほどダメージが増加とか、妙なものが付いているでチュね』
ザリチュの言う通り、伏呪については予定通り。
伏呪の詠唱キーは『暗闇の邪眼・3』であり、試しに近くにあった垂れ肉華シダに向けて撃ってみたところ、垂れ肉華シダの蔓に黒い炎が生じ、黒い炎が生じた場所で1分少々黒い炎が燃え続けた。
なお、黒い炎は消灯空間でもあるようで、炎を通すと向こう側は一切見えなかった。
「出元を考えると、クカタチには伝えておきましょうか」
『でチュね』
問題は対象の異形度が低いほどダメージが増加するという点で、こんなものが付いた原因でありそうなのは死沸焼徳の結晶ぐらいか。
考えてみればワイアームの攻撃も、私とライトリで同じ程度に効いていた。
物理耐性の有無などを考えると、私の方がよりダメージを受けるはずなのにだ。
なので、ワイアームの攻撃にも同様の効果が生じていたと思っていいだろう。
「さて、これで暗闇の眼宮が解放されたはず。早速行ってみましょうか」
『でチュね。あ、帰って来たらざりちゅの新しい化身ゴーレムを頼むでチュよ』
「言われなくても分かってるわよ」
これで確認は終了。
では、開放されたであろう暗闇の眼宮に向かうとしよう。
△△△△△
『虹霓竜瞳の不老不死呪』・タル レベル40
HP:4,135/4,170
満腹度:138/150
干渉力:139
異形度:26
不老不死、虫の翅×6、増えた目×11、空中浮遊、呪圏・薬壊れ毒と化す、遍在する内臓、劣竜式呪詛構造体(劣竜血、劣竜骨髄、劣竜肉、劣竜瞳、劣竜皮)
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の王』、『灼熱の達人』、『沈黙の名手』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖の達人』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『魅了使い』、『重力使い(増)』、『石化使い』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『3rdナイトメアメダル-赤』、『七つの大呪に並ぶもの』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『竜狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹霓竜瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『いずれも選ばなかったもの』、『呪海渡りの呪人』、『泡沫の世界の探索者』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・3』、『灼熱の邪眼・3』、『気絶の邪眼・3』、『沈黙の邪眼・2』、『出血の邪眼・2』、『小人の邪眼・2』、『淀縛の邪眼・2』、『深淵の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・2』、『暗闇の邪眼・3』、『魅了の邪眼・1』、『石化の邪眼・2』、『重石の邪眼・2』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『不老不死-活性』、『不老不死-抑制』、『風化-活性』、『風化-抑制』、『転写-活性』、『蠱毒-活性』、『再誕-活性』、『魔物-活性』、『反魂-活性』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』、『化身』、『噴毒の華塔呪』、『禁忌・虹色の狂創』
呪術-ネツミテ:
『太陽の呪い』、『熱波の呪い』、『埋葬の鎖』
呪術-ドロシヒ:
『虚像の呪い』、『貯蓄の呪い』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』、『呪法・呪宣言』、『呪法・極彩円』、『呪法・呪晶装填』、『呪法・逆残心』
所持アイテム:
『路竜の包帯服』ジタツニ、『竜鱗渇鼠の騎帽呪』ザリチュ、『陽憑きの錫杖呪』ネツミテ、『星憑きの玉輪呪』ドロシヒ、解き拒みの指輪、鑑定のルーペ、鼠毒の竜呪の歯短剣×2、『竜憑きの袋呪』ドゴスト、鼠毒の竜呪の埋葬袋、フェアリースケルズ、蜻蛉呪の望遠鏡、『虹霓鏡宮の呪界』の鏡扉除けetc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール、呪詛貯蓄ツール×5設置、『熱樹渇泥の呪界』・『入子屋敷の呪地』・『塩砂湖畔の呪地』接続済み
システム強化
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2、長期保管用カプセル、『満腹の竜豆呪』ハオマ
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キ ビ ャ ッ ク !!