表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
10章:『虹霓鏡宮の呪界』
648/1000

648:メイクパレスアイテムズ-3

「どう弄っていくでチュか?」

「そうね……まずは新しい打撃部を作りましょうか」

 『陽憑きの錫杖呪』ネツミテは本体と呪詛の紐で結ばれた三つの打撃部を持っている。

 打撃部の見た目はデンプレロの尾の先に似ており、私が振るって相手に当たれば、相手の体に突き刺さり、状態異常を付与する事が出来る。

 今回変えるのはこの部分だ。


「じゃ、早速削っていきましょうか」

「でチュね」

 私は鼠毒の竜呪の前歯、恐羊の竜呪の牙、牛陽の竜呪の牙、虎絶の竜呪の牙を持ってくると、丁寧に削っていくことで涙滴型に近いが、フレイルの打撃部とした場合には尖った部分が相手に突き刺さるように形を整えていく。

 なお、どの打撃部にも『ダマーヴァンド』の毒液と私の血は十分に染み込ませておく。


「四つでチュか? ねつみての打撃部は三つでチュけど」

「四つよ。まあ、見てなさい」

 私は呪詛支配をネツミテの持ち手から呪詛の紐へと及ぼしていき、呪詛の紐を解く事によって今の打撃部をネツミテから取り外す。

 そして取り外した打撃部の代わりに、新しく作った打撃部を結び付けていく。

 これで三つの打撃部の取り付けは完了。

 でだ。


「『熱波の呪い(ドロクセルブ)』。呪詛を編み込んで紐にしてっと」

 四つ目の打撃部を取り付けるために新たな呪詛の紐を出現させ、ネツミテと打撃部、両方に結んでいく。


「繊細な力業って感じでチュねぇ……」

「適切に力を発揮するためには繊細な技術が必要だから、何もおかしくはないわね」

 出来上がったそれを軽く振ってみる。

 うん、四つの打撃部が私の振るうネツミテの動きに合わせて、支障なく動いている。

 では呪怨台に乗せよう。


「むむむ……etoditna(エトディトナ)毒の邪眼(タルウィベーノ)・3(プレイグ)』、ezeerf(エゼールフ)灼熱の邪眼(タルウィスコド)・3(サルファ)』、ekawa(エカワ)気絶の邪眼(タルウィスタン)・3(アトラクト)』、evarb(エヴァルブ)深淵の邪眼(タルウィテラー)・3(アビス)』」

 まあ、今回は本格改修ではなくマイナーチェンジの類だ。

 手は抜かないが、本気を出す事もない。

 呪詛支配に『七つの大呪』の活性をしつつ、対応する邪眼術を呪怨台に乗せたネツミテに向かって放つぐらいだ。


「出来上がりね」

「みたいでチュね」

 と言う訳で、問題なく完成。

 早速鑑定してみる。



△△△△△

『陽憑きの錫杖呪』ネツミテ

レベル:装備者のレベルと同じ

耐久度:100/100

干渉力:装備者の干渉力と同じ

浸食率:100/100

異形度:23


様々な素材を組み合わせて作られた、着用者の意思に応じて様々な姿を見せる杖にして指輪。

この世ならざる者に通じる気配を漂わせており、正当な所有者以外が着用すれば、恐ろしい呪いに襲われる事だろう。


与ダメージ時:装備者が習得している、対応する邪眼術の中から、ランダムに一種類の邪眼がコスト、CT無しで発動する。

対応邪眼術:『毒の邪眼(タルウィベーノ)・3(プレイグ)』、『灼熱の邪眼(タルウィスコド)・3(サルファ)』、『気絶の邪眼(タルウィスタン)・3(アトラクト)』、『深淵の邪眼(タルウィテラー)・3(アビス)

※これらの効果は錫杖形態でのみ効果を発揮する。


周囲の呪詛濃度と気温に応じて強度が上昇する。

装備者による火炎属性攻撃の威力が20%ほど上昇する。

装備者による呪詛属性攻撃の威力が20%ほど上昇する。

装備者の周囲15メートル以内に存在する呪詛の支配を助ける。


周囲の呪詛、エネルギーの一部を吸収する事で耐久度が回復する。

耐久度が0になっても、一定時間経過後に復活する。

装備者の意思に応じて、指輪形態と錫杖形態、どちらかの形態に変形させる事が可能。


自己意思こそないが、呪いの塊であるその身は幾つかの呪術を習得しており、装備者がトリガーを引くことで使用が可能。

太陽の呪い(ノームセルブ)』『熱波の呪い(ドロクセルブ)』『埋葬の鎖(ボレヴァルグ)


注意:この装備をタル以外が装備した場合、1分ごとに着用者の最大HPと同値の恐怖が付与される。

注意:装備者は一定時間ごとに火炎属性ダメージ(微小)、灼熱(周囲の呪詛濃度)の状態異常を受ける。

注意:装備者の異形度が22以下の場合、1分ごとに火炎属性ダメージ(大)を受ける。

注意:装備者のレベルが35以下の場合、1分ごとに重力増大(周囲の呪詛濃度)を受ける。

注意:称号『竜狩りの呪人』を持たないものが装備している間、1秒ごとに灼熱(1,000)を受ける。

注意:この装備の周囲の呪詛濃度が10以下の場合、着用者の受けるダメージが増える(極大)。

注意:この装備を低異形度のものが見ると嫌悪感を抱く(極大)。

▽▽▽▽▽



「レベルと干渉力の部分がザリチュと同じ仕様になったわね」

「それよりも問題がある部分が幾つもある気がするでチュねぇ……」

 ザリチュの言う問題のある部分は、錫杖形態で殴った時に与える状態異常が私の邪眼術……それも伏呪付きの邪眼術になった点だろうか。

 これで伏呪を付与した後の相手へ暇だからと殴る訳にはいかなくなった。

 まあ、殴らなければ問題はないわけだが。

 後は……レベル低下、異形度低下、それにあるのかは分からないが、称号の剥奪がこれまでよりも怖くなったぐらいか。


「気を付ければ大丈夫よ。たぶん」

「だといいんでチュがねぇ」

 振るう感覚は問題なし。

 ネツミテの打撃部を今後増やす事も……たぶん大丈夫だ。


「さて、今後の為に今作るべき物の残りは……」

「恐怖の眼宮に居る収奪の苔竜呪の咆哮対策となる恐怖の耐性上げになるような何かじゃないでチュか?」

「まあ、それよね。と言っても、こっちはそれなりに時間をかけた方が都合が良さそうだけどね」

 では本日最後の作業。

 壺に入れた『ダマーヴァンド』の毒液に各種香草を投入、それから適度な厚みを持たせた恐羊の竜呪の肉も投入して、蓋をする。


「一先ずはこれを暫く放置するわ」

「でチュか」

 料理にするか、薬にするかは出来次第だが……たぶんこれを加工すれば、一時的に恐怖と言う状態異常への耐性を上げる何かは出来るだろう。

 と言う訳で、今日の作業はこれで終わりにすることにした。

09/03誤字訂正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 誰か書いたかも知れないんですけど、 「四つでチュか? ねつみての打撃部は三つでチュけど」 ネツミテがひらがなになっているのですが
[気になる点] >注意:この装備を低異形度のものが見ると嫌悪感を抱く(極大)。 全身こんな装備で固めてるのにイベントでも掲示板でも異形度関係なく大人気なような。極大嫌悪感とはいったい・・・。まあ人気の…
[一言] いくら竜呪素材とはいえ歯と牙だと打撃部にするにはちょっと重さが足りない気がしますが大丈夫なのでしょうか? この調子で新しい竜呪素材を得る度に打撃部を増やしていくとごちゃごちゃになりそうです…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ