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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
10章:『虹霓鏡宮の呪界』
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647:メイクパレスアイテムズ-2

「まずはインベントリね」

「今メインで使っているのは、毒頭尾の蜻蛉呪の毛皮袋だったでチュか」

「そうそう。いい加減に更新の時期よね。最近は相手のサイズがサイズなせいで、そんなに数も入らないし」

「相手のサイズがおかしいだけで、十分大容量ではあるんでチュけどね」

 新しいインベントリの材料としてメインに使うのは牛陽の竜呪の皮だ。

 これを恐羊の竜呪の毛皮から取った羊毛を紡いで糸にしたものと、垂れ肉華シダの蔓の繊維を撚り合わせて作った合成糸で縫っていき、袋の形にしていく。

 ついでに虎絶の竜呪の襟巻をいい感じに切った物を縫い付けて、六本足の蜥蜴や鼠、妖精をモチーフにした装飾を付けていく。

 で、最後に留め金として鼠毒の竜呪の爪を付けて完成と。


「相変わらずの容量優先でチュか?」

「当然じゃない。可能なら、牛陽の竜呪の全身だって収められるようにしたいわ」

「それは流石に無理があるんじゃないでチュかねぇ……」

「早々に達成できない遠い目標としては、妥当だと思うわよ」

 これで後は呪怨台に乗せればいいのだが……そう言えば、毒頭尾の蜻蛉呪の毛皮袋の時は、肉を焼いて灰に変えたものを使っていたか。

 ならば今回も余っている肉をまとめて焼いて灰にし、それに一度漬け込んでおこう。


「インベントリーインベントリー、とにかく大容量のインベントリー、癖はあってもいいから容量が大きくて丈夫なインベントリー」

「あ、基本仕様は変わらなさそうでチュね。これは」

 えーと、呪詛支配と『七つの大呪』の活性もやっておくか。

 とにかく見た目よりもはるかに多くの物が入り、内部で入れた物が暴れたりしないようにはしたい。


「出来たわね」

「でチュねー」

 と言う訳で、見た目としては虎柄の生地で装飾が施された、蘇芳色の掌に収まるサイズの袋として、新しいインベントリが出来た。

 では鑑定。



△△△△△

『竜憑きの袋呪』ドゴスト

レベル:40

耐久度:100/100

干渉力:135

浸食率:100/100

異形度:21


竜呪の素材を使って作られた袋。

だが、完成しているとは言い難い。

この世ならざる者に通じる気配を漂わせており、正当な所有者以外が用いれば、恐ろしい呪いに襲われる事だろう。


どれほど危険な物でも中に入れてしまえば、取り出さない限りは安全。

どれほど重い物でも中に入れてしまえば、重量はなくなる。

どれほど大きな物でも、一部が中に入れば、容量が許す限りは入れられる。

その容量は小さな屋敷ならば、丸ごと入れる事も不可能ではないほど。


周囲の呪詛濃度に応じて強度が向上する。

周囲の呪詛、エネルギーの一部を吸収する事で耐久度が回復する。

耐久度が0になっても、一定時間経過後に復活する。


注意:この道具をタル以外が使用した場合、1回ごとに毒、灼熱、気絶、恐怖(使用者のレベル×周囲の呪詛濃度)が付与される。

注意:ゲーム内時間で25時間以上、連続で入れていた物質は消滅します。

注意:入れた者が忘れた物質は取り出せません。

注意:HP回復、満腹度回復、状態異常回復の効果のみを有するアイテムを中に入れると、毒によって汚染されます。

注意:袋が破壊された際には、入れていた物は全て消滅する。

注意:レベル不足のため、使用する度に毒(40-所有者のレベル)が付与される。

▽▽▽▽▽



「ええっ……」

「そんなに手間暇もかけていなければ、念も込めていなかったのにカース化したでチュねぇ……」

 とりあえず性能としては素直に上位互換になってくれた。

 正確な容量については後で確かめる必要はあるだろうが、少なくとも倍以上にはなっているだろう。

 だが……随分とあっさりカース化してしまったものである。


「とりあえず身に着け……はいはい、暴れないの」

「一叩きで黙るとかだらしないでチュねぇ」

 なお、身に着けた瞬間に来た呪詛による攻撃は袋の側面を軽く叩く事によってドゴストを黙らせ、防ぐ。


「これも収奪の苔竜呪の素材があれば強化出来るんでチュかね?」

「出来ると思うわよ。フレーバーテキストもそうだけど、ネツミテやドロシヒと違って呪術が使えない辺りからも素材不足は感じるもの」

 それと収奪の苔竜呪だけでなく、他の未開放の眼宮で得られる素材によっても強化は出来ると思う。

 まあ、これについては私の他の装備でも同じことが言えるかもしれない……と言うか、言えるだろう。

 ネツミテとか、この後強化するつもりだし。


「じゃあ、続けていくわよ」

「でチュね」

 では続けて次のアイテム。

 虎絶の竜呪の鱗と恐羊の竜呪の牙を加工していく。

 まあ、こちらもドゴストと同じで、そこまで拘って作る気はない。

 『七つの大呪』の活性と呪詛支配を利用しながら二つの素材を輪状に削り、凹凸を作り、凹凸を組み合わせるところに私の血を流し込んだ後、出来たそれを組み合わせて一つの指輪にする。


「指輪でチュか。指輪なら既にネツミテがあるでチュよ」

「ネツミテは二形態あって、その片方が指輪なだけじゃない。こっちは……今後、別形態が追加される可能性は否定しないけど、基本は指輪よ」

 それから表面を軽く削って奇麗に整え、見た目としては黄色、黒、白がマーブル状に入り混じった、極普通の指輪にする。

 では、呪怨台へ。


「……」

「またカースにならないといいでチュね」

「なったらその時はその時よ」

 込める念は鑑定対策になる事一択。

 そして、問題なく指輪は出来上がった。



△△△△△

解き拒みの指輪

レベル:40

耐久度:100/100

干渉力:125

浸食率:100/100

異形度:19


竜呪の素材を使って作られた指輪。

着用者を他者が詳しく知る事を拒むと共に、安易に知ろうとしたものを誅する。


着用者に対して鑑定が行われた場合、鑑定の行使者に対して気絶(10)、UI消失状態(10)、恐怖(100)を付与すると共に呪詛属性のダメージを与える。

称号『生ける呪い』の効果によって与えるダメージを強化。


注意:この道具をタル以外が着用した場合、1分ごとに着用者の最大HPと同値の恐怖が付与される。

注意:レベル不足のため、(40-所有者のレベル)%の確率で反撃が発動しない。

注意:この装備を低異形度のものが見ると嫌悪感を抱く(極大)。

▽▽▽▽▽



「うん、問題ないわね」

「いや、問題しかないでチュよ。たるうぃ」

「なんでよ?」

 私は解き拒みの指輪をネツミテの指輪とは別の指に着ける。


「今更たるうぃを鑑定する愚か者とか居ないでチュよ。普通に考えて」

「ああその事。むしろ、普通のプレイヤーが私を鑑定しないからこそ作ったのよ。今の私を鑑定するとしたら、第一にあり得るのは鑑定が攻撃の強化に繋がるプレイヤー……要するにゼンゼやそれに類するプレイヤーぐらいで、とりあえず味方ではないもの」

「でチュか。まあ、分かっているなら、問題はないでチュ」

 まあ、解き拒みの指輪が効果を発揮することは滅多にないだろう。

 効果がかなり限定的だし。


「さて後はネツミテの強化ね」

「素材が沢山あるからか、一気に作るでチュねぇ」

「素材の回収効率がとにかく良いのが、パーティプレイの利点よねー」

「普通は経験値効率も良くなるものなんでチュがねぇ……」

 私はネツミテを指輪形態から錫杖形態に変更して、目の前に置いた。

09/01誤字訂正

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― 新着の感想 ―
[一言] >「インベントリーインベントリー、とにかく大容量のインベントリー、癖はあってもいいから容量が大きくて丈夫なインベントリー」 >『竜憑きの袋呪』ドゴスト 雑に扱った結果がこれであるw >なお…
[一言] 袋は低濃度低レベルならある程度タル以外が使ったペナルティ軽くはできるのか。 解き拒みは鑑定通ってもUI消えて見えなくなるのか…
[一言] >虎柄の生地で装飾が施された 巨人「阪神の手先だ、捕まえろ!」
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