618:4thナイトメア5thデイ・タルウィスタン・3-5
「見事だ。特に最後の一撃などはいいものを見させてもらったぞ」
「賞賛ありがとう。素直に受け取っておくわ」
「ふぅ、どうにかなったようだな」
『悪創の偽神呪』の声が聞こえてくる。
なお、腰を下ろすマントデアに対して、私は念のために虎ティラノの死体周囲の呪詛を支配して、虎ティラノの死体が復活する事がないようにしている。
これぐらいならば原始呪術関係なしに出来るので、やっておいて損はないはずだ。
「心配しなくても、此処からの復活などさせないから安心しろ」
「念のために、という奴よ。今回は戦闘終了に伴うアナウンスだってないんだから」
『悪創の偽神呪』と私がそうして言葉を交わしている間に、虎ティラノの死体は消え去る。
どうやら無事に討伐出来たようだ。
「では試練はこれで終了だ。『大雷の不老不死呪』マントデア、貴様への報酬については、今見ている悪夢が終わったら届けるから、待つように。『虹霓竜瞳の不老不死呪』タルが無事に試練を突破したから、報酬は色付きだ。期待するといい」
「分かった。期待させてもらう」
マントデアの報酬は無事に支払われるようだ。
色……おまけが付くとの事だが、一体何が来るのだろうか?
虎ティラノの素材の上質版とかなら分かり易いところだが……まあ、イベント後に聞けばいいだろう。
「そして『虹霓竜瞳の不老不死呪』タル。貴様と再び会えることを楽しみにさせてもらうぞ。私のもたらすテリブルを次も跳ね返してみせるがいい」
「ええそうね。そうさせてもらうわ」
≪呪術『気絶の邪眼・3』を習得しました≫
≪タルのレベルが38に上がった≫
そうして私とマントデアは生産用エリアに戻された。
「戻ってきたわね」
「戻ってきたな」
「お疲れ様でチュ」
「凄い戦いやったなぁ……あ、次の邪眼術習得の時はウチを呼んでくれてもええんよ?」
「残念だけどゼンゼを呼ぶことはないでしょうねぇ。そもそも選出基準は向こう持ちだけど」
とりあえずザリチュを着用。
置いてあるものの内容を考えてか、ゼンゼが他のプレイヤーを入れるような事はなかったようで、ゼンゼと化身ゴーレム以外に出迎えの姿は無し。
「「ははははは」」
なお、私もゼンゼも顔は笑っているが、目は笑っていない。
「さて、性能確認ね」
では、『気絶の邪眼・3』の性能確認と行こうか。
△△△△△
『気絶の邪眼・3』
レベル:40
干渉力:135
CT:0.0167s-30s
トリガー:[詠唱キー][動作キー]
効果:対象に電撃属性1ダメージ(固定)+気絶(1)を与える
伏呪
トリガー:[詠唱キー]
効果:この呪術の効果によって生じた気絶のスタック値が減少する度に、発動時に術者がいた方向に向かって1メートル移動させる。
貴方の目から放たれる呪いは、敵がどれほど堅い守りに身を包んでいても関係ない。
雷の鉾が数多の守りを食い破るだけでなく、相手の守りの内からも外へと雷を生じさせるのだから。
そして、意識のない相手は自ら貴方に歩み寄る。
注意:使用する度に満腹度が現在値の5%(最大5、最低1)減少する。
注意:伏呪使用時には満腹度の減少量が5に固定され、CTが0.0167s-90sに変化する。
注意:レベル不足のため干渉力が(40-レベル)だけ減少する。
注意:レベル不足のため動作キーによる伏呪の使用が出来ない。
▽▽▽▽▽
「ふむふむ……1フレーム攻撃になったわね。60fps環境下での話になるけど」
「1秒間に60回の描写を行う世界で、1回の描写をした時間だけで発動可能になる攻撃となると……もはやチャージそのものを止めるのはほぼ不可能やな」
「そもそも、『CNP』のfpsが幾つだったと言うか、VRMMOでfpsって概念はどう扱うべきだったかを覚えてないな……」
「私も把握はしてないわねぇ」
とりあえず私が『気絶の邪眼・3』を使いたいと思って、指を動かした時には、既に必ずチャージが終わっている。
これぐらいの認識を持っておけば問題はないだろう。
「と、伏呪の方はどうなったんだ?」
「使い道はあるけど、普段は使わない感じね」
なお、伏呪使用時その詠唱は『気絶の邪眼・3』。
気絶させた相手を私の方へと引き寄せると言う効果そのもの使い道は、緊急の救助、逃げる敵への妨害、手の届かない位置にあるものの引き寄せなど、他にもまあ色々と使い道はあるだろう。
ただ、使用後CTが3倍になると言う分かり易い問題だけでなく、詠唱キーでしか発動しないと言う準備にかかる時間の短さを台無しにする問題もあるので、使用時には注意を払う必要があるだろう。
「さて、イベントの残り時間は?」
「残り十数分と言うところやな」
「ちょうどいいぐらいか」
「でチュね」
『気絶の邪眼・3』の確認が済んだところで、私は巨人型キメラ……フレーバーテキストを鑑みるならば『幸福な造命呪』に近づいていく。
「よろしい。では、起動させましょうか」
作れるものは全部作った。
搭載する必要があるものは全部搭載した。
その事を確認した上で、私は『幸福な造命呪』の心臓部、呪喰の心臓呪に『七つの大呪』の活性化を注ぎ込んでいく。
『此処は……』
「あはっ」
≪タイムアップ! イベント終了です! イベントに参加中の全てのプレイヤーは強制的に移動となります≫
そうして『幸福な造命呪』が起動すると同時に第四回イベントは終了した。
△△△△△
『虹霓竜瞳の不老不死呪』・タル レベル38
HP:322/4,110 (-1,218)
満腹度:12/150 (-45)
干渉力:137
異形度:26
不老不死、虫の翅×6、増えた目×11、空中浮遊、呪圏・薬壊れ毒と化す、遍在する内臓、劣竜式呪詛構造体(劣竜血、劣竜骨髄、劣竜肉、劣竜瞳、劣竜皮)
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の王』、『灼熱の達人』、『沈黙の名手』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖の達人』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『魅了使い』、『重力使い(増)』、『石化使い』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『3rdナイトメアメダル-赤』、『七つの大呪に並ぶもの』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『竜狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹霓竜瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『いずれも選ばなかったもの』、『呪海渡りの呪人』、『泡沫の世界の探索者』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・3』、『灼熱の邪眼・2』、『気絶の邪眼・3』、『沈黙の邪眼・2』、『出血の邪眼・2』、『小人の邪眼・2』、『淀縛の邪眼・2』、『深淵の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・2』、『暗闇の邪眼・2』、『魅了の邪眼・1』、『石化の邪眼・2』、『重石の邪眼・2』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『不老不死-活性』、『不老不死-抑制』、『風化-活性』、『風化-抑制』、『転写-活性』、『蠱毒-活性』、『再誕-活性』、『魔物-活性』、『反魂-活性』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』、『化身』、『噴毒の華塔呪』、『禁忌・虹色の狂創』
呪術-ネツミテ:
『太陽の呪い』、『熱波の呪い』、『埋葬の鎖』
呪術-ドロシヒ:
『虚像の呪い』、『貯蓄の呪い』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』、『呪法・呪宣言』、『呪法・極彩円』、『呪法・呪晶装填』、『呪法・逆残心』
所持アイテム:
『路竜の包帯服』ジタツニ、『竜鱗渇鼠の騎帽呪』ザリチュ、『陽憑きの錫杖呪』ネツミテ、『星憑きの玉輪呪』ドロシヒ、鑑定のルーペ、鼠毒の竜呪の歯短剣×2、毒頭尾の蜻蛉呪の毛皮袋、鼠毒の竜呪の埋葬袋、フェアリースケルズ、蜻蛉呪の望遠鏡etc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール、呪詛貯蓄ツール×5設置、『熱樹渇泥の呪界』・『入子屋敷の呪地』・『塩砂湖畔の呪地』接続済み
システム強化
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2、長期保管用カプセル、『満腹の竜豆呪』ハオマ
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