590:4thナイトメア3rdデイ・トランス-4
「「ごちそうさまでした」」
「お粗末様でした」
「あ、夕食終わったでチュか」
夕飯終了。
後片付け開始である。
なお、夕飯準備中にマントデアが帰ってくると共に化身ゴーレムは狩りに出かけていたが、初日と違い、流石に今日は怨みを買うようになってきたらしく、帰ってきた化身ゴーレムのHPはかなり削れている。
「で、この後はどうするんでチュか?」
「私はアイテム作成ね。ザッハークに盛る呪詛薬と料理を作り始めないと、間に合わなくなるかもしれないから」
後片付けも完了。
では、必要な素材を手に取って、ザッハークに盛る呪詛薬と料理の下ごしらえを始めよう。
「ああせやった。その件で一つタルはんに確認しておきたかった事があるんや」
「確認したいこと?」
まずは……欺瞞の蝗呪の死体を磨り潰して粉末状にしてみるか。
で、磨り潰してから呪怨台で呪ってみたのだが、混ぜ合わせたものの効果を誤魔化す呪いが含まれているようだ。
なお、結構量があるので、複数回使用可能。
で、複数回使えるのを一つにまとめた上で、呪詛薬として精製すれば、ゼンゼが得た異形偽装の呪いを得られる呪詛薬になるだろう。
「今回のイベントで作成されたアイテムは半月後に開催される次回のイベントの賞品になる。裏を返せば、今回のイベントで作ったアイテムは半月後までは誰も触れることが出来ず、次回イベントで誰かが持って行ったら、ザッハークに盛る事は難しいと言うか、ほぼ不可能になるはずや。その辺はどうするん?」
「ゼンゼに協力する気は?」
「あるけど、単純に手数が足りんから、防ぎきれんやろ。ほぼ確実に今回のイベント中よりも多くのプレイヤーが、今よりも強化された状態で参加するんやで」
「言われてみればそうだなぁ。イベント終了から半月の間にザッハークが手を出せたら、色々とおかしいもんな」
「ま、確かにそうよねぇ」
では、折角欺瞞の蝗呪の死体が二つあるので、一つは呪詛薬にしてしまうとしよう。
『ダマーヴァンド』の毒液と幾つかの香草を混ぜ合わせて、適当に呪詛薬にした。
出来上がった鑑定結果はこんな感じだ。
△△△△△
『虹霓竜瞳の不老不死呪』の呪詛薬・『陽知偽装』
レベル:30
耐久度:100/100
干渉力:125
浸食率:100/100
異形度:19
『虹霓竜瞳の不老不死呪』が作り出した、異形のものがその姿を偽るための呪詛薬。
この世の物とは思えない気配を漂わせており、普通の人間ならば目にしただけでも気を失いかねない。
服用すると、呪い『陽知偽装』を恒常的に取得し、異形度が2上昇する。
呪い『陽知偽装』:異形偽装、精神異常耐性のメリットを有するが、相応のデメリットも存在する。
注意:服用して異形度が20以上になった場合、『不老不死』の呪いを喪失し、キャラクターをロストする可能性がある。
注意:服用したプレイヤーはリアル時間で24時間の間、『虹霓竜瞳の不老不死呪』の呪詛薬と付くアイテムを使用する事が出来なくなる。
注意:異形偽装の効果には個人差があります。
▽▽▽▽▽
「で、タルはんはどう対処する気なん?」
「んー、守護者の類を準備しようかなと思っているわ」
「守護者と言う名のカースか」
「次回イベント最強の敵はたるうぃが生み出したそいつになるんでチュねぇ。チュッチュッチュアアアァァァ!?」
うーん? 精神異常耐性が付いてきてしまった。
まあいいか、とりあえずこれはもうこのまま置いておいて、次回のイベントに回そう。
と言う訳で、『陽知偽装』が入った小瓶を適当な場所に置いておく。
後、ザリチュは抓っておく。
「まあ、カース化はほぼ間違いなくするでしょうね。盛れるだけの呪いは盛るつもりだから」
「なるほどなぁ。けど、そうなると、今もタルはんにくっついているであろうカメラの誤魔化しが要りそうやな。能力詳細が割れていたら、どんな強敵でも普通に狩られてお終いやろ」
「ああ、その点については大丈夫。たぶんだけど、禁則事項に当たるような幾つかのワードを呟けば、勝手にカメラは切れると思うわ。ちょっと特殊な作り方もする気だし」
「微妙にバクチ感が漂う方法やから、試す時はウチらが居ない時に頼むわ」
「そうだな。巻き込まれたくはない」
「私も仕上げとかは他のが全部終わってからやる気ではあるわよ。怖いから」
『あ、基本部分はざりちゅが作る感じでチュか。これ』
下準備の方は……これくらいか。
あ、サブと言うか、他プレイヤーの参加枠として、ちょっと変なのも作っておこうか。
と言う訳で、噛啜の蝗害呪の死体を利用し、絶対である序列の繋がりだけを抽出し、逆流させるための呪詛薬を生成する。
△△△△△
『虹霓竜瞳の不老不死呪』の呪詛薬・『思念逆流』
レベル:30
耐久度:100/100
干渉力:125
浸食率:100/100
異形度:19
『虹霓竜瞳の不老不死呪』が作り出した、とある人物へ思念波を送り込むための呪詛薬。
この世の物とは思えない気配を漂わせており、普通の人間ならば目にしただけでも気を失いかねない。
服用すると、呪い『思念逆流』を一時的に取得し、異形度が1上昇する。この効果は服用から24時間経過するまで続く。
呪い『思念逆流』:『ユーマバッグ帝国』皇帝ザッハークに自分が思っている事を強制的に伝える。
注意:自分の『鑑定のルーペ』で鑑定してから服用しなければ、一切の効果が生じない。
注意:服用したプレイヤーはリアル時間で24時間の間、『虹霓竜瞳の不老不死呪』の呪詛薬と付くアイテムを使用する事が出来なくなる。
▽▽▽▽▽
「そんなわけで予定としては、明日一日で盛る呪詛薬と料理の完成。明後日一日で守護者の作成かしらね。だから、きっと二人に材料集めに奔走してもらう事になるでしょうね」
「分かったわぁ」
「分かった」
おや、1回分を作ろうと思ったのだが、何故か『陽知偽装』が入っている物にそっくりな小瓶が12本も出来ている。
どれも中身は同じなようだし……これは天然の罠か。
うん、一緒にしたら、鑑定をしなければ、私にももう分からない。
「さて、明日に備えて色々やっていきましょうか」
「そうだな」
「でチュね」
「せやな」
その後、寝る時間が来るまで私はアイテムを作り続け、マントデアたちはアイテムを回収し続けた。




