526:セパレートベーノドラゴン-1
「ふぅ、結構HPが削られたわね」
『一個につき20ちょっとは持っていかれたでチュからねえ……』
解体で得たアイテムは、眼球、毛皮、前歯、爪、骨、尾、翼、血、肉の8種類。
強化された『鑑定のルーペ』のおかげで、これら鼠毒の竜呪の素材の鑑定は無事に済んだ。
では、安全を確保した上で、鑑定結果を改めて確認するとしよう。
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鼠毒の竜呪の眼球
レベル:40
耐久度:87/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の眼球。
睨みつけた相手へと毒の呪いを放つ力を有している。
この世ならざる存在である竜の眼球は、ただ在るだけでも脅威となりえる。
注意:30秒以上視線を合わせていると、毒(40)が10秒ごとに付与される。
注意:異形度19以下の存在が食べると100%の確率でランダムな呪いを恒常的に得て、異形度が1上昇します。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の毛皮
レベル:40
耐久度:97/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の深緑色と黒の中間色を持った毛皮。
異常な強度を有しており、呪いに関わる力を持たなければ傷一つ付けられず、低位の呪いでもそれは同様である。
この世ならざる存在である竜の毛皮は、加工出来ずとも勲章となりえる。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の前歯
レベル:40
耐久度:82/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の強固で長大な前歯。
滴る毒液は死せるものにすら苦痛をもたらす。
この世ならざる存在である竜の歯は、安易に扱ってはいけない。
与ダメージ時:毒(40+使用者のレベル)
注意:直接触れているものに対して、10秒ごとに毒(40)を与える。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の爪
レベル:40
耐久度:92/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の疫病を秘めた爪。
単純な毒だけでなく、様々な病を引き起こす危険な爪。
この世ならざる存在である竜の爪は、安易に扱ってはいけない。
与ダメージ時:中確率で毒(20)、灼熱(20)、沈黙(20)、出血(20)のいずれかを与える。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の骨
レベル:40
耐久度:100/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の強靭な体を支える骨。
異常な強度を持つだけでなく、竜特有の底知れない生命力を支える源でもある。
この世ならざる存在である竜の骨は、死してもなお命の火を灯す。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の尾
レベル:40
耐久度:85/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の歯のような鱗に覆われた尻尾。
強靭でよくしなると共に、金属のような硬さを併せ持つだけでなく、鱗の一枚一枚を射出する事も可能であるとされるが、鼠毒の竜呪でなければ射出方法は分からないだろう。
この世ならざる存在である竜の尻尾は、加工出来ずとも勲章となりえる。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の翼
レベル:40
耐久度:97/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪のシダ植物に似た形状の翼。
空を飛ぶために用いる事は出来ないが、周囲の呪詛を効率よく体内に取り込むことが出来る。
この世ならざる存在である竜の翼は、死してもなお命の火を灯す。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の血
レベル:40
耐久度:93/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の濃密な呪いを秘めた血。
血に秘められた呪いは他のものに触れる事で開放され、触れたものの身魂を穢す。
この世ならざる存在である竜の血は、安易に扱ってはいけない。
注意:直接触れているものに対して、1秒ごとに毒(50)を与える。
注意:異形度19以下の存在が食べると100%の確率でランダムな呪いを恒常的に得て、異形度が1上昇します。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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鼠毒の竜呪の肉
レベル:40
耐久度:94/100
干渉力:135
浸食率:100/100
異形度:20
鼠毒の竜呪の体を構成する肉。
濃厚な呪いと旨味を秘めた肉ではあるが、人が食べれば一口で呪いそのものと化すだろう。
この世ならざる存在である竜の肉は、この世ならざる美味でもある。
注意:異形度19以下の存在が食べると、100%の確率でランダムな呪いを異形度が20になるまで複数個、恒常的に得ます。
注意:異形度19以下のプレイヤーが鑑定すると、毒(100)を与える。
注意:周囲の呪詛濃度が15以下の空間では存在できない。
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「本当に危険物しかないわねぇ……」
『でチュね。特にヤバいのは眼球、前歯、血、肉でチュかね?』
では、鑑定が終わったところで、とりあえず前歯を二本残し、残りの前歯と爪を使って調理用具や解体用具の刃物をアップグレードする。
この後の作業を考えると、これまでの刃物では文字通りに歯が立たない可能性があるからだ。
「そうね。中でも肉は本当に危険よ。一瞬でカース化だもの。絶対に外には出せないわ」
『大惨事にしかならないでチュからねぇ』
そうしてアップグレードが終わったところで、粉砕機を使って鼠毒の竜呪の骨を叩き割り、中の髄を露出させる。
その上で適当な大きさの毛皮を袋状にし、折った骨を中に投入、口を垂れ肉華シダの蔓で縛っておく。
で、これを『虹霓瞳の不老不死呪』の毒杯から生成された直後の毒液を溜めた鍋の中に投入、煮込み始める。
『で、鼠毒の竜呪ガラのスープとかでも作るんでチュか?』
「結果的にはそうなるかもしれないわね」
暫く鍋を煮込んでいると、鍋の中身が沸騰。
いい臭いと濃厚な呪いが漂ってくる。
そこへ必要な量の肉と複数の眼球、『死退灰帰』の容器で回収した血を投入して、更に煮込む。
「いい感じのとろみね」
『ソーデチュネー』
鼠毒の竜呪の眼球が溶けたところへ、揺らめく硫黄の火の残り火、『塩砂湖畔の呪地』の岩塩、その他香辛料を投入して味を調えつつ、更に煮込んでいく。
なお、ここまでの調理で『毒の邪眼・3』や『灼熱の邪眼・2』は当然のように使っている。
「さて、原始呪術も利用していかないとね」
『あー、もしかしなくても、あれが目的でチュか』
料理としての味を調えるだけでは、私の目的は達成されない。
『風化-活性』、『不老不死-活性』、『転写-活性』、『再誕-活性』、『蠱毒-活性』を活用して、灰汁として扱うべき部分の除去をしつつ、目的とする部分の質を高めていく。
「バレた? と、『出血の邪眼・2』」
『まあ、欲しがるのは分かるでチュよ。強力なのは確実でチュから』
「そうね。デメリットも相応にあるでしょうけど、それ以上のメリットは確実にあると思っているわ」
追加で私の血をHPにして500程度投入。
結構な消費だが、此処は『ダマーヴァンド』かつ私の部屋なので、この程度のダメージはダメージではない。
「さて、このまま煮込み続けて、安定したら呪怨台に乗せましょうか」
『失敗しないように気を付けるでチュよ。最悪、たるうぃが消滅する事になるでチュからね』
「分かっているわよ。だからこそ、一体丸ごと煮込むような真似は控えて、こうしてちゃんとした調理もしているんだから」
さて、そろそろ料理としては完成か。
上手く行くように最後まで気を引き締めてかからなければ。