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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
8章:『悲しみ凍る・怒り飲み込む呪地』
514/1000

514:ソルトレイク-5

「さて残ったのは……これね」

 戦闘終了後、最後に倒した奪塩奪水の水呪が居た場所に、無色透明なサイコロ状の物体が転がっていた。

 と言う訳で拾い上げ、鑑定を行ってみる。



△△△△△

奪塩奪水の水呪の結晶

レベル:31

耐久度:100/100

干渉力:130

浸食率:100/100

異形度:19


無色透明な結晶。

本来は強い浄化作用を持ち、あらゆるものを清める作用を持っているが、奪塩奪水の水呪と言うカースの力を内包しているため、呪詛を招き寄せ、蓄え、周囲に留まらせる魔性の石に反転・変質してしまっている。

奪塩奪水の水呪の性質のおかげで、水に触れても溶ける事はなく、無尽蔵に水と塩を飲み込んで取り込む。


注意:異形度19以下のプレイヤーがこの石を鑑定すると、乾燥(20)を与える。

注意:異形度19以下のプレイヤーがこの石に接触していると、一定時間ごとに乾燥(20)+脱水によるダメージを与える。

注意:一定時間ごとに接触者へ脱水によるダメージを与える。

注意:低異形度のものが見ると嫌悪感を抱く(中)。

▽▽▽▽▽



「……。食塩よね。これ」

『食塩の結晶でチュね。水には溶けないでチュが』

 うん、宝石ですよと言う顔をして、必死に取り繕っているが、誰がどう見ても食塩の結晶だ。

 リアルの理科の実験で昔に作った覚えがある。


「まあ、使い物にはなるか」

『『飢渇の邪眼・1(タルウィハング)』の強化に使うでチュか?』

「そっちにも使えるわね」

 『飢渇の邪眼・1』の強化については、奪塩奪水の水呪の結晶、『塩砂湖畔の呪地』の岩塩、奪塩奪水の水、飢渇芋……ああそれとデンプレロの甲殻も乾燥関係の効果があったか。

 うん、これだけあれば、十分な強化が出来るだろう。


『そっちにもでチュか』

「防水性があるようだし、宝石としても一応使えそうなのよね。だったら、入子の炎呪のコランダムと合わせてドロシヒの強化が出来ると思うのよね」

『なるほどでチュ。つまり周回でチュか』

「先にやる事をやってからだけどね」

 私は奪塩奪水の水呪だった湖の跡地を探り、湖の底に隠れていた巨大岩塩がダンジョンの核であることを確認。

 『入子屋敷の呪地』の時と同じように、岩塩を破壊して、それで得た呪詛によって『ダマーヴァンド』と『塩砂湖畔の呪地』を繋げる。


「む……」

『どうしたでチュか?』

「いえ、これは強化が済んでからの確認事項ね」

 これで『ダマーヴァンド』は旧『ネズミの塔』、『入子屋敷の呪地』、『塩砂湖畔の呪地』、仮称アジ・ダハーカの領域と繋がった。

 その影響だろうか?

 たぶんだが、アジ・ダハーカの領域と繋がっているであろうあの縦穴に何かしらの変化が生じたようだ。

 急ぐ必要がない事項っぽい感じなので、『飢渇の邪眼・1』とドロシヒの強化が終わってからになるが、行っておくとしよう。


「じゃ、とりあえず復活はさせておくわよ」

『分かったでチュ』

 では『再誕-活性』発動。

 奪塩奪水の水呪をリポップさせる。

 すると直ぐに地面から水が湧き出してきたので、私は空を飛んで十分に距離を取る。


『で、あの戦いをもう一度やるんでチュか? 一戦につき数時間かかる戦いをもう一度と言うのは止めておいた方がいいんでチュけど……』

「戦いはする。けれど、圧倒的に楽な戦いにするわよ。と言う訳で、眼球ゴーレムを大量生産しましょうか」

『なるほどそういう手段でチュか』

 湖の拡大が止まったところで私は地面に降り、ザリチュが渇砂操作術『眼球(ザリチュサイト)』を発動させる。

 なお、ゴーレムの基にするのは、降り積もって、まだ固まっていない『塩砂湖畔の呪地』の粉塩である。


「さて、そろそろいい感じかしらね」

『でチュね』

 と言う訳で補給も済ませて、準備完了。

 普段の眼球ゴーレムに比べると白っぽい眼球ゴーレムが17体、私の足元に並んでいる。


「じゃあ行きましょうか」

『さあ、派手な事になるでチュよぉ』

「「「SIOOOOOO!」」」

 私は適当な大きさの岩塩を湖に投げつけ、奪塩奪水の水呪を出現させる。

 奪塩奪水の水呪の数はやはり千体を超え、一斉に私に向かってくるわけだが……甘い。

 私は既に『呪法(アドン)感染蔓(スプレッド)』含め、各種呪法を乗せた『毒の邪眼・3』を準備している。

 そして、私の足元には眼球ゴーレムが17体居て、私自身の目は13、合わせて30の目が奪塩奪水の水呪へと向けられている。

 つまりだ。


etoditna(エトディトナ)毒の邪眼・3(タルウィベーノ)』」

「「「!?」」」

 まず、最初の一体に毒(14,446)を与えた。

 そこから毒が広がっていき、150体ほどには10秒で落ちるだけの毒を与えた。

 更に150体ほどにも20秒で落ちるような毒を与えた。

 残りの個体に与えた毒はそこまででは無いが、数の暴力で治しきれるような規模では済まない程度にはなっただろう。


「『熱波の呪い(ドロクセルブ)』」

「「「!?」」」

 そこへ『熱波の呪い』を使って押し込む。

 呪詛の剣を何十と作り、毒が半端に入った奪塩奪水の水呪を仕留めていく。

 これで残りは500体ほど。

 と言う訳で第二段階に突入する。


「「「SIOOOOOOO!」」」

「さて、後は地道に潰していきましょうか」

『でチュね』

 奪塩奪水の水呪は合体し、4体の巨人となった。

 後は地道に攻めるだけだ。

 とまあ、そんな感じで戦いを続け、どうにか最初のと合わせて、5つの奪塩奪水の水呪の結晶を回収した。

05/03誤字訂正

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― 新着の感想 ―
[一言] 奪塩「SIOOOOOOO!(泣)」炎呪「変な後輩が出来た」ネズミ先生’s「新入り増えた」
[一言] ≫無尽蔵に水と塩を飲み込んで取り込む いっぱい集めて海に投げ込んだら怒った海の主とか出て来そう
[一言] >本来は強い浄化作用を持ち、あらゆるものを清める作用を持っているが、奪塩奪水の水呪と言うカースの力を内包しているため、呪詛を招き寄せ、蓄え、周囲に留まらせる魔性の石に反転・変質してしまってい…
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